ガミースマイルの治療法について

笑った(スマイル)時、上の歯茎がたくさん見えてしまう症状をガミースマイル(Gummy smile)と言います。 歯茎を英語でGum(ガム)、笑顔をSmile(スマイル)と言うので、これが合わさってガミースマイル(Gummy smile)という単語になります。 また、ガミーフェイス(Gummy face)とも言います。

歯茎の露出量が多くなると乾燥しやすくなり、歯茎が赤く腫れて、よりガミースマイルが強調されてしまいます。乾燥した口腔内は、歯肉炎、歯周炎、口臭の発生、虫歯の原因にもなっています。

そして何よりも問題なのは、個人に及ぼす精神的苦痛です。気にするあまり、思いきり笑えない、笑っても手で口元を隠したり、それが原因で笑う事をやめてしまう、積極性がなくなってしまう、異性に対して自信が持てないなどの二次的な悪循環に陥ってしまうなどがあります。

ガミースマイルの治療法の中から代表的な5つを紹介します。

  • 1. 上の歯茎の粘膜を切除して縫合する。(粘膜切除法)
  • 2. 外科手術(上顎骨切り術)+矯正治療で治す。
  • 3. 歯を長くする。歯茎に歯の被せ物をのせる。
  • 4. ボツリヌストキシン注射での治療。
  • 5. 歯列矯正(歯科矯正)治療で治す。インプラント矯正など。

ガミースマイルに関しては、ひとつの特徴があります。下顎前突(受け口)より上顎前突(出っ歯)の方に多く見られることです。

ガミースマイルの原理−なぜガミースマイルは起こるのか。
その原理を図で分かりやすく解説します。

解剖学的特徴

耳の穴と目の下を結ぶ平面をフランクフルト平面(通称 FH平面)と言います。FH平面は、地面と平行になりやすいラインとして知られています。
奥歯と前歯の咬合面を結ぶ平面を咬合平面と言います。
通常の噛み合わせで言えることは(図1)、FH平面と咬合平面が平行に近い状態です。
この場合、上唇と前歯が一致しやすく、笑っても歯茎が目立つという事はありません。
しかしながら、咬合平面が前下がりの急傾斜になっている場合は、笑った時上唇より上の前歯が下方に位置してしまい、ガミースマイルとなります。

ガミースマイルではない場合▲ガミースマイルではない場合上の線(FH平面)と下の線(咬合平面)がほぼ平行です。

ガミースマイルの場合▲ガミースマイルの場合 上の線と下の線が平行ではありません。頤(オトガイ)が下がった状態です。

更に上顎の歯茎が突出している場合、口が閉じきれずに歯茎が露出してしまいます。

そしてもう一つの原因は上顎骨が前方に位置していることです。
上顎が前方に位置していると、いわゆる上あごがもっこりとしている状態になり、お口が閉じられません。

解剖学的特徴

専門的な表現をすれば、頭蓋骨に対し、上顎骨が前方に位置しているということです。この場合も人によっては歯茎が露出してしまいます。

ガミースマイルの治療法

1. 粘膜切除法

粘膜切除法は、上唇の下の歯茎の粘膜を切除し縫合することで、ガミースマイルを改善する方法です。

粘膜切除法

  • 切除が1cm以内だと後戻りの可能性がある。
  • 口の中で切開するので傷が見えない。
  • 口唇の自然なスマイルが以前のものと変化してしまう。
  • 外科手術である。
  • 上唇の周りの筋肉により、笑ったときに強くひっぱられる方には向いている。

2.外科手術と矯正治療を併用して行う治療方法(ルフォー1手術+矯正治療)

上顎の骨を削合して、持ち上げながら後退させて再び固定する方法です。

外科手術と矯正治療を併用して行う治療方法(ルフォー1手術+矯正治療)

  • 手術のみだと咬合できなくなるので、矯正治療と併用が必要。
  • 保険適応の可能性がある。
  • 上のみを持ち上げるとバランスが崩れるので、上下顎を手術する可能性がある。
  • 外科手術である。
  • 露出量が多いガミースマイルには治療を行う。
  • 手術は口腔内で行われるので、手術痕は見えない。
  • 術後6ヵ月ほど、お顔の触感覚が鈍くなる。
  • 術後の腫れが著しい。

3.歯を長くする

歯冠長(見えている歯の縦の長さ)は通常1cm程度。歯冠長がこれより短くか歯茎が出ている場合に行います。
上顎前歯6本をすべてセラミックによる被せ物をして歯冠を長くし、そして歯茎を一部切除します。

  • 治療期間が短縮できる場合がある。
  • 歯茎の露出量が少ない方
  • 自然なスマイルになりにくい。
  • 外科手術である。
  • 歯を痛めやすい。

4.ボツリヌストキシン注射

口唇を持ち上げるに対し、ボツリヌス菌を注射し上唇を上げにくくする方法です。通常0.025ccほど注射します。

ボツリヌストキシン注射

この方法は持続性が少ないため、6ヶ月程度で元に戻ってしまう場合があります。笑顔の時に表情が作りにくくなる傾向にあります。

5.歯列矯正

歯茎の露出量の多い方少ない方すべての方に応用可能な方法です。

・矯正治療の上顎骨の突出改善のアプローチ

歯列矯正では、上顎小臼歯を抜歯し、その隙間を利用して上顎前歯及び上顎骨前方部を後方に下げます。これにより上唇を閉じやすくします。

歯列矯正

・矯正治療の上顎骨改善のアプローチ

ガミースマイルの大きな原因の一つに咬合平面が急傾斜になっていることがあげられます。

インプラント矯正

矯正治療に矯正用のインプラントを利用することで、上顎骨を上に持ち上げます。

インプラント矯正

上顎骨が上方に上がり、これにより下顎骨も反時計回りの回転をしてEライン(エステティックライン)がきれいに見えます。
デメリットとして、治療期間が長いことが挙げられますが、上記2事項を同時に改善するのはこの方法の利点でもあります。

治療法 アプローチする組織
インプラント矯正 歯+骨+歯槽骨(硬組織) 歯列矯正で上顎を内側に入れながら、上顎歯槽骨を矯正用インプラントで上に持ち上げる。
外科手術+矯正治療
ルフォー1+矯正治療
歯+骨(硬組織) 歯列矯正で上顎を内側に入れながら、手術で上顎を持ち上げる。
※下顎も手術可能性あり
歯冠補綴+歯肉整形
歯槽骨整形
歯、歯槽骨、歯肉(硬組織) 短い歯冠を被せ物により長くする。
粘膜切除法 筋肉(軟組織) 上唇の動きを制限する。
ボツリヌストキシン注射法 筋肉(軟組織) 上唇の動きを制限する。

最後に

インプラント矯正は、トータルのお顔のバランスを美しく調和させることが可能です。また、歯列が美しくなるメリットもあります。ガミースマイルと歯並びを改善することで、患者様の笑顔がより一層輝きます。

執筆者
青山外苑矯正歯科
院長 : 横谷 浩爾
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