エピソード?〜えー、わたしが矯正やるんですか?〜

エピソード I エピソード II|エピソード III |エピソード IV |エピソード V |
私、自分では歯並びはキレイな方だと思うんです。ただ、前歯はしっかり噛んでなくて、前歯でめん類やハンバーガーなんかはサクサク噛み切った経験はないけど、日常の食生活ではよく噛めないといったことはありません。でも、知り合いの衛生士さんに、矯正をすすめられました。私みたいな歯並びでも矯正やるんですか?
そういえば、ここ一ヶ月噛んだときに顎がカクカク言って耳の側を押すと痛いんです。

18歳 大学生 Cさん

治療前の状態
叢生(乱食い)ではありませんが、 前歯が接触していません

開咬


 歯列の一部分が上下の歯と接触していない状態を「開咬」といいます。通常、前歯部の開咬と奥歯の開咬に分けられますが、Cさんの場合は前歯部開咬の状態です。

前歯に接触がないと、客観的にみれば噛み切りが不可能だと思われます。では、開咬の人はこれ以外にどんな問題点があるのでしょうか?

  ヒトは固い物を噛む時などは約50kg程度の力を使っているといわれています。しかしこれは、あくまでも歯軸に対して縦方向に力が加わった条件のもとでのみ可能で、逆にもし力が横方向にかかった場合、歯は非常に脆弱です。食事中に間違って砂粒のような小さくて固い物を噛んでしまった経験はないでしょうか?
 このとき驚くほど歯は痛みを感じ、その痛みのせいで反射的に口を閉じるために使われる筋肉の緊張は抑制され、その瞬間に物を噛む運動は中止されます。小さい砂粒は歯を急激に横方向にふってまうため、このまま噛み続けると歯や歯周組織を破壊してしまうおそれがあり、強い痛みで生体に警告するシステムがあるわけです。

つまり、歯は横方向には非常に弱い存在だといえます。通常この横方向の力は前歯が受け持ってくれます。とくに犬歯(糸切り歯)は、臼歯に比べると横方向の力に対して抵抗力があります。開咬状態のCさんでは、前歯に接触がないため、結果として臼歯が不得手な横方向の力を同時に受け止めざるを得ない環境になってしまっています。

開咬の患者さんでは前歯(横方向)、臼歯(縦方向)という役割分担がうまく機能しておらず、臼歯に負担がかかりやすい状態が続いているといえます。もし、このような患者さんが歯周病になった場合、歯をささえている骨の破壊はより急激に進行して、歯の寿命が短くなってしまうかもしれません。

Bさんの場合は、主に上顎が優性で、上下歯列は理想的な位置より前方へ出てきてしまっています。前方に出すぎてしまった前歯を奥へもっていくことは、同時に歯槽骨も改造されるわけですから、ベースとなっている上顎骨がやや大きくても、歯を移動させることによって、カモフラージュすることになります。

不正咬合と顎関節症

開咬の患者さんは、他の不正咬合と比べ、いわゆる顎関節症のリスクが高いといわれています。特に下の写真のように一番奥の臼歯しか噛み合せの接触がないような例では、咬む力が臼歯部で負担できず、本来はあまり力がかかるべきではない顎関節に余分な力がいってしまう状況を作り出してしまっています。
原則として、顎関節症のリスクを下げる(予防する)という目的での矯正治療はありませんが、開咬のケースについてはやや例外的で、矯正による治療が最良で多分唯一の問題解決手段といえます。

このように開咬は審美性の問題はなくても、他の不正よりも治療優先度指数はずっと高いといえます。歯は「あったてナンボ」の世界です。噛み合わさっていない歯はその歯の役割をほとんど果たしていないといってよいでしょう。

治療後の状態
エピソード I エピソード II|エピソード III |エピソード IV |エピソード V |

このページの先頭へ

  • MIENAI矯正歯科 三浦和輝先生
  • 渋谷矯正歯科 東海林貴大院長先生
  • 医療法人社団真美会 銀座矯正歯科 深沢真一院長先生
  • 神宮前矯正歯科 斉宮 康寛院長先生
  • アイ矯正歯科クリニック 福井 一美院長先生
  • 横浜駅前歯科・矯正歯科 湊寛明先生
  • 日本橋はやし矯正歯科 林一夫院長先生
横浜駅前歯科・矯正歯科