お子様の矯正歯科治療のタイミング

矯正治療の適齢期とは?

矯正治療を始める適齢期は、人によってさまざまです

矯正治療を始める時期はその人によって違います。成長期の患者様の場合、「永久歯への交換時期」、「不正咬合の種類」、「悪習癖の有無」、「顎の成長の時期」など、お一人ひとりによって全く状態が異なります。患者様の症状を総合的に判断して、矯正治療を開始するのに一番良い時期を決定します。最適な治療時期に治療を行えるように、お子様の歯並びやかみ合わせについて気になることがあれば、一度、矯正歯科のドクターの診察を受けてみるのが良いでしょう。

「第一期治療」と「第二期治療」

小児矯正では、前歯と六歳臼歯(第一大臼歯)のみが永久歯になっている時期(混合歯列期:、8〜10歳ころ)に始める矯正治療を「第一期治療」といいます。
また、「第一期治療」のあと、全ての歯が永久歯に生えかわった時期(永久歯列期)から、「第二期治療」として、ブラケットという装置を歯の1本1本に着けて治療をする場合があります。早めに治療を始める必要がある場合は、「第一期治療」から矯正治療始めて、永久歯交換後に引き続き「第二期治療」を行うというのが一般的です。
親知らずを除くと、奥から2番目が六歳臼歯です

矯正治療の内容や開始時期は、お子様の症状によってさまざまですから、なかには「第一期治療」をする必要のない場合も多々あります。その場合は、永久歯が生えそろうのを待ってから、治療開始します。以下に矯正治療を開始した時期が異なる例をご紹介します。

「すぐに矯正治療をする症例」と「すぐに矯正治療をしない症例」

Q: 次の3症例(全て9歳)の中で、すぐに治療を開始したのはどれでしょう?

CASE 1.〜3.までの症例は、どれも9歳のときに、矯正治療を受けに相談に来た方の症例写真です。このうち、すぐに矯正治療を開始した方が2名います。3つの治療前の口腔内写真から、「どれが早いうちに治療を開始した方がよいのか」ということをポイントに考えて、すぐに矯正治療を始めた症例を当ててみましょう。

CASE 1 CASE 2 CASE 3
症例1 症例2 症例3

答えは 「CASE 2」と「CASE 3」です。
すぐに治療を開始したのは、「CASE2」と「CASE3」です。この2つは、どのような治療を行ったのでしょうか。

■ CASE 2 (開咬)

まず、「CASE 2」は、開咬[かいこう] と言って、奥歯はしっかり噛んでいても、上下の前歯が開いたまま咬み合わない状態のことをいいます。この患者様の場合、舌を前に出す癖(舌前突癖)が習慣づいていたので、まずはこの悪習癖を取り除いてあげることが先決となります。そのため、「第一期治療」として、タングクリブという装置を約1年間使用していただいて、舌の癖を除いた後、永久歯に生え換わるのを待って「第二期治療」を行いました。 ※写真:CASE 2 (開咬)参照。

CASE 1 CASE 2 CASE 3
舌前突癖 タングクリブ 第二期治療
▲ a. 舌前突癖 ▲ b. タングクリブ ▲ c. 第二期治療

■ CASE 3 (反対咬合)

「CASE 3」反対咬合[はんたいこうごう]の症例です。反対咬合は、上顎と下顎の咬み合わせが逆になっている状態です。「CASE 3」の写真のように、完全に前歯の噛み合わせが逆になっている場合、この後の上下顎の成長発育に影響がでてきてしまうので早めに前歯の位置を治してあげることが必要です。 まず第一期治療として、上の前歯を裏から押すような装置(リンガルアーチ)により上の前歯の位置を改善しました。その後、永久歯の交換と下顎の成長観察を行い、第二期治療に移りました。

CASE 1 CASE 2 CASE 3
リンガルアーチ 5ヶ月後 第二期治療
▲ リンガルアーチ ▲ 5ヶ月後 ▲ 第二期治療

■ それでは、 「CASE 1」〜「CASE 3」の治療結果を見てみましょう。

CASE 1 CASE 2 CASE 3
治療結果ケース1 治療結果ケース2 治療結果ケース3
歯並びもきれいになり、噛み合わせもよくなりました。

■お子様の歯並びで気になることがあったら、矯正専門のドクターに相談を

このように、お子様の歯列の状態、症状によって、治療の開始時期や治療方法は異なります。お子様の歯並びや咬みあわせについて気になる場合は、一度矯正専門のドクターのカウンセリングを受けてみましょう。すぐに治療を始める必要がない場合でも、半年に一回ほど定期観察として受診されると、矯正治療に最も適した時期を逃さずに治療が開始できます。

北村 敦先生
資料提供
二子玉川矯正歯科
院長 : 北村 敦
日本矯正歯科学会認定医

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