国民健康保険が適用される症状の種類と医療機関の条件

一部の症状を除き、矯正治療は国民健康保険が適用されません

一部の症状を除き、矯正治療は国民健康保険が適用されません

矯正治療は一部の症状を除いて国民健康保険をはじめとした公的な医療保険が適用されません。
それは、矯正治療のほとんどが「自由診療」になるため、検査料や診断料、治療費は、医療機関(医院や病院)や症状によって全額自己負担になるケースが多いからです。
しかし、厚生労働省が定めた特定の症状に限り、公的な医療保険が適用されることがあります。(例:外科手術が必要な顎変形症の矯正治療、先天異常など)

下記に公的な医療保険が適用される症状と条件、指定された医療機関の種類をご紹介します。

国民健康保険が適用される症状(1) 先天異常[50疾患]

国民健康保険をはじめとした公的な医療保険が適用される症状は、生まれながらにして異常が見られる(1) 先天異常のうち50の疾患と顎変形症の2種類です。
該当した症状の患者さんは、厚生労働省の定める指定自立支援医療機関(育成・更生医療)で保険診療を受けることができます。

はじめに、指定された先天異常50疾患を下記にご紹介します。

(1)厚生労働省が定める先天異常の疾患

1. 唇顎口蓋裂[しんがくこうがいれつ]
2. ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
3. 鎖骨・頭蓋骨異形成 [さこつとうがいこついけいせい]
4. トリチャーコリンズ症候群
5. ピエールロバン症候群
6. ダウン症候群
7. ラッセルシルバー症候群
8. ターナー症候群
9. ベックウィズ・ヴィードマン症候群
10. ロンベルグ(Romberg)症候群
11. 先天性ミオパチー(先天性筋ジストロフィーを含む。)
12. 顔面半側肥大症 [がんめんはんそくひだいしょう]
13. エリス・ヴァン・クレベルド症候群
14. 軟骨形成不全症 [なんこつけいせいふぜんしょう]
15. 外胚葉異形成症 [がいはいよういけいせいしょう]
16. 神経線維腫症 [しんけいせんいしゅしょう]
17. 基底細胞母斑症候群 [きていさいぼうぼはんしょうこうぐん]
18. ヌーナン症候群
19. マルファン症候群
20. プラダーウィリー症候群
21. 顔面裂 [がんめんれつ]
22. 大理石骨病 [だいりせきこつびょう]
23. 色素失調症 [しきそしっちょうしょう]
24. 口・顔・指症候群 [くちかおゆびしょうこうぐん]
25. メービウス症候群
26. カブキ症候群
27. クリッペル・トレノーネイ・ウェーバー症候群
28. ウィリアムズ症候群
29. ビンダー症候群
30. スティックラー症候群
31. 小舌症 [しょうぜつしょう]
32. 頭蓋骨癒合症 [とうがいこつゆごうしょう](クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む。)
33. 骨形成不全症 [こつけいせいふぜんしょう]
34. 口笛顔貌症候群 [くちぶえがんぼうしょうこうぐん]
35. ルビンスタイン-ティビ症候群
36. 常染色体欠失症候群 [じょうせんしょくたいけっしつしょうこうぐん]
37. ラーセン症候群
38. 濃化異骨症 [のうかいこつしょう]
39. 6歯以上の先天性部分(性)無歯症
40. チャージ症候群
41. マーシャル症候群
42. 成長ホルモン分泌不全性低身長症
43. ポリエックス症候群
44. リング18症候群
45. リンパ管腫
46. 全前脳(胞)症 [ぜんぜんのう(ほう)しょう]
47. クラインフェルター症候群
48. 偽性低アルドステロン症(ゴードン症候群)
49. ソトス症候群
50. グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)

【自立支援医療の利用者負担について】
●更生育成医療を行うために必要な設備および体制を有している(セファログラムの所有)
●それぞれの医療の種類における専門科目について、適切な医療機関における研究従事年数が(歯科では)5年以上であること。
●研究態様と口蓋裂の歯科矯正の臨床内容と関連が認められる。
●矯正歯科を標榜している。※標榜:診療科目としてあげていること。
●関係学会(日本矯正歯科学会および日本口蓋裂学会に加入していること)  

【自立支援医療の利用者負担について】
自立支援医療は、国民健康保険が適用となった上、さらの患者さんご本人又は「世帯」の所得状況(収入)に応じて、患者さんの月額あたりの自己負担額の上限が設定される制度です。
自己負担の上限や制度の詳細はお住まいの区市町村の保健所にお問い合わせください。

国民健康保険が適用される症状(2)顎変形症

顎変形症のイメージ

顎の骨の形や大きさが原因で、歯の噛み合わせに問題が出ている方や、お顔の形に顎の変形が目立っている症状を顎変形症[がくへんけいしょう]といいます。
顎変形症の治療を保険診療として行うためには、顎離断などの顎の骨を切る手術を行うことが前提となっています。
外科手術の術前・術後の歯並び・噛み合わせを矯正治療で調整して公的な医療保険を適用するには、顎口腔機能診断施設[がくこうくうきのうしんだんしせつ]に指定されている医療機関での受診が条件となります。

顎変形症治療が国民健康保険が適用される医療機関は定められています

顎変形症に対する外科的矯正治療は、顎口腔機能診断施設で保険診療として受けることができます。指定機関についてのお問い合せや補助金の申請手続きは、管轄の保健所または福祉課で受け付けています。

なお、医療機関が顎口腔機能診断施設の認定を受けるためには、「国から指定されている検査機器の導入」や「スタッフの人員配置」、「ほかの医療機関の連携体制が取れていること」などの基準を満たしていることが必要です。

参考までに顎口腔機能診断施設の認定基準(顎口腔機能診断料の施設基準)をご紹介します。

【顎口腔機能診断施の基準とは】

・指定自立支援医療機関(育成・更生医療)であること
障害者自立支援法施行規則(平成18年厚生労働省令第19号)第36条第1号及び第2号に係る医療について、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)第59条第1項に規定する都道府県知事の指定を受けた医療機関(歯科矯正に関する医療を担当するものに限る。)であること。

・指定された検査機器と人員配置がなされていること
当該療養を行うために必要な次に掲げる基準を満たしていること。
ア.下顎運動検査、歯科矯正セファログラム及び咀嚼筋筋電図検査が行える機器を備えていること。
イ.専任の常勤歯科医師及び専従する常勤看護師又は歯科衛生士がそれぞれ1名以上勤務していること。

・外科手術を担当する医療機関と矯正治療を担当する医療機関との連携がとれていること
当該療養につき口腔に関する医療を担当する、診療科又は別の保険医療機関と、歯科矯正に関する医療を担当する、診療科又は別の保険医療機関との間の連携体制が整備されていること。

※上記の情報は2018.1.11時点のものです。


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