拡大装置 緩除拡大装置とは

歯列の幅が狭いとき、歯列の幅を広げる際に使用する装置を拡大装置といいます。

公開日:2019/10/01  更新日:2019/12/05

拡大装置 緩除拡大装置とは

■目次

  1. ゆっくり歯列の横幅を大きくする装置 (スローエキスパンジョン)
  2. 緩徐拡大装置のしくみ
  3. 適正症、クワドへリックスとバイへリックス
  4. 拡大装置の使用できる年齢
  5. 拡大装置の装着感、そのほか
  6. 制作・資料提供

ゆっくり歯列の横幅を大きくする装置 (スローエキスパンジョン)

緩徐拡大装置のしくみ

歯列の幅が狭いとき、歯列の幅を広げる際に使用する装置を拡大装置といいます。拡大装置のうち、緩徐拡大装置は、急速拡大装置よりも弱い力で歯を徐々に外側に傾斜させて歯列を広げる装置です。

緩徐拡大装置は、臼歯に固定する金属製のバンドと、口蓋(口の天井)部に位置する太いワイヤーから構成されています。
ワイヤーをコイルのように曲げた、へリックス形状部分の弾力が、歯列に弱い力を与えて、歯列弓を押し広げる構造です。
歯列に力を与えるワイヤーの形によって、クワドへリックスとバイヘリックスの2種類があります。両方とも、固定式で自分では取り外すことはできない装置です。

適正症、クワドへリックスとバイへリックス

緩徐拡大装置は、歯並びの曲線部である歯列弓の幅が狭いことが伴った、叢生(八重歯や、凸凹の歯並びなど)や、内側に傾いて生えた歯、奥歯のねじれの治療などに使用されます。
また、緩徐拡大装置は、上顎と下顎の両方の歯列弓の拡大に使うことができます。

写真1はクワドへリックス、写真2はバイヘリックスです。
主に、クワドへリックスは上顎用バイヘリックスは下顎用に使用されています。
症例によって、これらの装置で歯列を広げた後、歯に接着したブラケットとワイヤーを使ったマルチブラケット法での治療を行うケースもあります。

シンプルな設計なので、これをもとにワイヤーやバンドの角度など少しのを調整・加工することで、指しゃぶりや舌を前に突きだす舌突出癖などの口腔習癖防止装置の役割も果たすことができると言われています。

拡大装置の使用できる年齢

適応できる年齢制限は特にありません。
左右正面にある上顎のつなぎ目「正中口蓋縫合」を開く急速拡大法は、乳歯と永久歯が混じった小児(小児矯正の第1期)から、永久歯になって間もない思春期に効果が期待されますが、緩徐拡大装置は、歯と歯を支える歯槽骨との間におこる、歯を斜めに移動させるて歯列を拡大(傾斜移動)するので、年齢は問いません。

拡大装置の装着感、そのほか

装着期間は、個人差はありますが、6ヵ月~1年程度。
装着して2~3日ほどで、歯が動くことによる痛みがあります。装着後1週間くらいは、食べ物を噛んでいるときに痛みを感じる場合があります。
口の裏側に太めのワイヤー(0.8mm~1mm程度)が通っている構造上、食事がしにくかったり、食べ物をはさまりやすかったりすることあるので、特にひっかかりやすいガムや、とろろ昆布はできるだけ避けたほうが良いと言われています。

制作・資料提供

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