目立たない、取り外せる矯正装置(2) 〜インビザラインについて〜

マウスピース矯正は、装置のメーカーによって、特徴や治療の流れが異なります。
ここでは、治療計画策定や装置の製作方法が特徴的なインビザラインについて紹介します。


1.マウスピース矯正「インビザライン」の特徴

インビザライン・システムとは

インビザラインは米国アライン・テクノロジー社が開発した新しいマウスピース矯正治療システムです。 2012年12月末時点、全世界で累計210万人以上の患者様がインビザラインを使って治療をしており、これまでの多くの治療実績に基づいてつくられた独自のソフトウェアを使って治療計画を立てているのが特徴です。
治療できる対象は、大人の矯正治療から、永久歯が生え揃っていない10代の患者様(インビザライン・ティーン)までと幅広く、治療できる範囲を広げています。


インビザライン
▲ マウスピース装置(アライナー)

【メリット】

  • 透明度が高く、装置が目立たない。
  • 食事や歯磨き時に取り外せるので、口腔内を清潔に保たせやすい。
  • 装置が薄いので、ブラケットを使用する矯正よりも、粘膜への刺激が抑えられ口内炎のリスクが軽減。
  • 事前に治療開始から完了までの歯の移動を動画で確認できるので、治療中の不安の緩和やモチベーションアップにつながる。

【留点する点】

  • 指定された装着時間を守らないと計画通り歯が動かないことがある。
  • 矯正歯科医の経験によって、適応範囲(治療可能な歯並び)や、治療方針が異なる場合がある。
  • マウスピース矯正装置(アライナー)以外のアタッチメント、補助装置、補助的な処置を併用する場合がある。

【治療期間のめやす】

個人差がありますが、ブラケットを使った従来の矯正法(表側矯正)と同じくらいの治療期間です。

【適応範囲】(インビザラインで治療できる歯並び)

一般的な不正咬合。
※骨の変形、大きさの異常が原因による不正咬合には適応できません。
※医療機関や担当医の方針によって異なる場合があります。


[関連]他の矯正法とマウスピース矯正の違い

2.インビザラインでの治療の流れ

コンサルテーション
STEP1 コンサルテーション (相談)

まずは担当医とのカウンセリング。患者様のお口の悩み、治療の要望、ライフスタイルについてお聞きします。インビザラインのメリット・留意点、他の治療法との違いなど、詳しくご説明します。

精密検査、歯の模型の採取
STEP2 精密検査、歯の模型の採取

インビザラインについてよく理解して、治療方針に合意したら、次に精密検査をします。レントゲン撮影や、口腔内写真撮影、お口の歯型を精密に採取できる「PSV印象」などを行います。

3D画像化・治療計画〜装置の製造
STEP3 3D画像化・治療計画〜装置の製造
採取した歯型をアメリカへ空輸

矯正歯科医院で採取した歯型(PSV印象)やレントゲン写真、口腔内写真などのデータは、アライナーを製造する米国アライン・テクノロジー社へ送ります。


歯の移動を3D動画化 歯の移動を3D動画化

日本から送られた患者様の歯型は、CTスキャンで3Dデータ化して、患者様のお口の様子としてコンピュータ上に再現します。その後、独自のソフト(クリンチェック・ソフトウェア)で、治療完了までの歯の動きを3D動画で再現します。


担当医のチェック・承認後、一括製造 出来上がったアライナー

主治医は、患者様の治療開始時の歯牙の状態、治療終了後の状態、歯牙移動の途中経過など、すべての治療ステージの確認と必要に応じて修正の指示を行い、承認します。その後、先生方の治療計画の内容に基づいて、治療完了までのアライナーが一括製造されます。

治療開始
STEP4 治療開始

アライナーがクリニックに届いたら、いよいよ治療スタートです。装置の着け方、装着時間、使用上の注意点など担当医がしっかり説明します。
通常は2週間ごとに患者様で新しいアライナーに交換していただきます。 治療中は、歯の移動が計画通り進んでいるか確認するため、4週間〜6週間ごとに通院します。

槇教授インタビュー

もっと矯正を楽しく感じられる日本にしたい

日本にインビザラインを導入し、普及に尽力された槇宏太郎先生に、導入のきっかけと、これから矯正治療を考えているみなさんへのメッセージを伺いました。


Q:インビザラインを日本に導入した理由はなんだったのでしょうか?

歯の3Dシミュレーションを研究していた2000年頃、 米国アライン・テクノロジー本社に招待されたのがきっかけです。
専用のシミュレーションソフトで効率的な歯の移動距離を計算し、精密に再現された口腔内の3Dデータをもとにアライナーを一括作製するインビザライン・システムに衝撃を受けたとともに、大きな将来性を感じました。これこそ、矯正装置に抵抗がある人が多い日本の人たちが求めている矯正法だと直感し、導入を決めました。

また、UCSF(カリフォルニア大学)で客員教授をしていた際に在籍していたレジデントもアライン社に勤務していたことや、インビザライン開発の当初から関わっていたUOP(パシフィック大学)のボイド教授とも旧知の仲だったことから信頼できました。


時間を守りましょう

Q:マウスピース矯正で治療しているときの注意点は?

装置のメーカーによって装着時間や交換頻度は異なります。適切に使用できないと、治療期間が遅くなったり、計画通りに進まない恐れもあるので、担当医の指示や注意点を守りましょう。

前のステージの装着期間が短かったから次のステージを長めにしようとか、不規則な使い方をすると、計算外の力が加わり、歯が傾いてしうこともあります。一つのアライナーでの『ズレ』は小さいものの、いくつものステージでその誤差が重なると、アライナーが入らなくなることもあります。 一つひとつのアライナーを、装着時間を守り、しっかりと深く入るようにセットすることが肝心です。

また、お口のケアも注意しましょう。アライナーは簡単に取り外しができて歯磨きしやすいとはいえ、長時間、装置がお口に装着することに変わりはありません。 虫歯・歯周病予防のため、歯磨きをしっかり行い、アライナーも常に清潔にしておきましょう。


Q:自分に合った治療ができる、適切な医療機関を探すポイントは?

装置の差こそあれ、マウスピース矯正は歯を動かして歯並びを改善する歯科矯正学に基づく治療です。

しかし、予想外の動き方をした場合には補助的な処置を必要とすることもあります。このような場合こそ、ドクターの技量が発揮されます。納得のいくまで相談しましょう
マルチブラケット治療(従来の歯に接着する装置)などの総合的な矯正治療の知識と経験を有する矯正歯科医がいる医療機関が望ましいでしょう。

納得するまで しっかりご相談され、治療完了後の仕上がり、治療費、担当医やスタッフの説明など、トータルで判断しましょう。


治療を考えている人、悩んでいる人へ

槇先生からのメッセージ

歯並びは、審美面、心理面だけでなく、口腔内の衛生環境や身体全体の健康まで幅広く関わりあっています。最近では、歯並びの悪い場合には、高齢になった時の入れ歯がとても作りにくいこともわかってきました。人生のQOL*にかなり影響を及ぼします。

矯正治療は良い歯並びを手に入れるための治療で、本来は何ら恥ずかしいものではありません。
けれども、歯並びを良くしたいと思っていても、歯列矯正に対して「不自由、怖い」といった気持ちをもっていて治療に躊躇している方が多いことも現実です。我々医療側にもそのような点を改善できるようさらなる努力が要求されております。

現在では、「裏側矯正」や「マウスピース矯正」などの目立たない矯正治療があります。
特に日本では、これらの目立たない治療法の普及、技術の向上には目覚ましいものがあります。
医学、工学、情報科学などの周囲の最新技術を取り入れながら、日々進歩を遂げています。


矯正医も、みなさん一人ひとりに合った治療法、きめ細やかなアドバイスができるように治療技術を磨いています。
ですから、治療以前の段階として、ぜひ、日頃から気軽に歯並びについて歯科医へ相談してみましょう。相談に行ったからといってすぐに決断する必要はありません。ゆっくり、自分のペースで次のステップに進めば良いのです。


槇 宏太郎先生
▲ 槇 宏太郎先生
1989年昭和大学大学院歯学研究科卒業、
博士(歯科)取得、1998年UCSF客員教授、
2003年昭和大学歯学部歯科矯正学教室教授

相談先の矯正歯科で、その先生が治した症例をいくつか見せてもらい、その説明に充分納得されてからスタートされることをお勧めします。 治療がスタートした後には、数ヵ月おきにでも、前の状態を見せてもらうと、「え〜、こんなに動いたのか!」と喜びが倍増しますよ。

歯並びについて興味と理解を深めていただき、より多くの人が矯正治療に対して、「楽しい・嬉しい」というポジティブな気持ちになり、治療にのぞむ方が増えることを願ってやみません。
自分自身の資産を活かすこと、それが矯正治療です。

*QOL(クオリティオブライフ)…人生の生活の質の向上

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