矯正歯科治療の今、そして未来へ 第70回日本矯正歯科学会大会&第4回国際会議

名古屋国際会議場 会場入口
▲ 名古屋国際会議場 ▲ 会場入口

2011年10月17日(月)〜20日(木)の4日間、愛知県名古屋市の名古屋国際会議場にて、第70回日本矯正歯科学会大会が開催されました。今回は、国際会議も同時開催され、通常よりも1日長い会期となり、国内のみならず、海外からも多くの歯科医療関係者が集まりました。
参加者は、日本矯正歯科学会の会員をはじめ、国内外の研究者や歯科医、歯科衛生士をなど、矯正歯科治療に従事する医療関係者が一同に集まりました。参加者数は4,429人(2011年10月21日時点)で、第70回のアニバーサリーに相応しく、過去最高の入場者数を記録しました。

※ 日本矯正歯科学会とは:歯科矯正学の進歩、発展を図ることを目的として、1926年10月に創立された学術組織です。 >> 詳細はコチラ


開会講演

今回は、「矯正治療の今、そして未来へ」をメインテーマに開催されました。矯正治療の現状と今後のあり方を考えることを目的に、矯正治療法の最新情報や、近年一般からも関心が高まっているMFT(筋機能療法)、他の診療科と協力した診療体制のあり方等についてプログラムが組まれました。その一部をご紹介します。

【シンポジウム1】
インターディシプリナリー トリートメントにおける矯正歯科治療

インターディシプリナリートリートメント(Interdisciplinary Treatment)は、複数の専門分野の立場から協議して行われる治療を意味します。
シンポジウムでは、日頃から複数の診療科の専門医と連携して診療しているクリニックや、統括的な視野で診療して少ない負担で大きな効果を得ようとする「包括歯科臨床」を実践している歯科医をシンポジストとして招き、その取り組みについて発表しました。
発表では「慢性歯周病患者の矯正治療は、歯周病専門医が定期的に管理していれば可能。」、「症例により、治療計画に矯正を入れると経年劣化による補綴物の破損や歯列の乱れが少なくなる。」などの見解が示され、参加者の関心を寄せました。

【シンポジウム2】 マルチブラケット治療法の今と未来

今日のマルチブラケット治療の代表的な治療システムの中から、「レベルアンカレッジ システム(LAS)」、 「アレキサンダーテクニック」、「PPAS/4G」、「Zerobase Bioprogressive Philosophy」、 「セルフライゲーションシステム(デーモンシステム)」を実践する4人の矯正歯科の先生をパネリストに、各治療法の特徴について発表がありました。
学会では、それぞれの治療法を採用している矯正医も多く、参加者の関心が高いテーマでした。シンポジウムでは、いずれの治療法も、今後は「加齢による口元の変化を考慮した治療」、「できるだけ長く正常な咬み合わせが維持できる仕上がりのポイント(位置)の確率」ななどの新しい課題に向けて、さらに改良を続けていくとの方向性を示しました。

【シンポジウムMFT】 MFTの今後の広がり

MFT(筋機能療法)」とは、舌や唇、顔面の筋肉など、口のまわりの筋肉を強くして、バランスを良くして、正しく機能させるためのトレーニングプログラムのことです。会場は満席で、立見も多かったことからMFTへの関心が集まっていることがうかがえました。
発表では、きちんと立つのが難しいほど姿勢の悪い子どもが増えている現状について、原因のひとつとして「歯並び・かみあわせ」がとりあげられ、ヘッドギアなどを使用して改善した例など、MFTや機能的な矯正の効果を示す治療例が紹介されました。
この他、矯正治療やMFTを行う際に、なかなか歯並びや症状が改善しない場合の問題点から「生活習慣」を原因に挙げ、その解決策としての様々な工夫や取り組みが発表されました。興味深い症例の連続で、参加された先生方は映し出されるスライドを熱心に見ていました。


【JOSフォーラム】 次回開催地の発表

・インプラントアンカーの薬事承認進捗状況など
歯列矯正を目的としたインプラントアンカーの薬事承認に関して、平成23年10月現在、承認申請書案を厚生省医薬食品局医療機器審査管理室に提出し、回答待ちの状況であることが明らかになりました。規定の試験もほぼ完了し、厚労省の了承が得られれば、今後は、各インプラントアンカーのメーカー各社で個別に承認申請する予定との進捗が報告されました。
また、フォーラムでは本年3月に起こった東日本大震災におけるJOS(日本矯正歯科学会)の対応として、被災地での活動の様子が写真で報告されました。

・次回の開催について
次回、第71回大会は、2012年9月26日から28日まで、岩手県盛岡市のマリオス盛岡地域交流センター他近隣の3会場で、「これからの矯正歯科医療を考える」をメインテーマに開催される予定です。


学展風景 【学術・症例展示会場】

学術・症例展示会場(写真右)では、パネルや論文、歯の模型など、日本矯正歯科学会の会員による研究内容や症例報告が展示されています。これは、同学会が会員の歯科医を対象に創設している「認定医」や「専門医」資格の受験や更新をするための評価項目でもあります。
テーマは、展示者ごとに異なり様々ですが、今年はコーンビームCTや3次元シミュレーションを活用した治療や、アンカーインプラントを使用した治療(インプラント矯正)に関するテーマへの関心が高く感じられました。


【商業展示会場】
商業展示会場では、矯正治療に関連ある企業による商品展示やミニセミナーが行われました。矯正装置やレントゲンなどの最新歯科機器から、診療室向けのインテリアやカワイイ歯科グッズまで…たくさんの企業が出展していました。
ブース前では、各メーカー担当者に質問をして、製品の詳細を確認するたくさんの先生方で活気があふれていました。

商社展示会場
▲ 矯正歯科治療の関連企業の展示や販売ブースはいつも賑やか
矯正歯科ネット展示ブース
▲ 矯正歯科ネットも出展しました!

【スタッフ後記】

今回の学会に参加し、「患者様の身体的・時間的な負担が少ない治療」、「患者様のお顔のバランスを考慮した美しい仕上がり」など、治療結果のさらなる向上を目指して、常に新しい課題に挑戦する歯科医の先生方によって技術は進歩していることを強く感じました。
「良い治療方法」というのは1つではなく、患者様の歯並びや骨格、治療結果に望むこと、そして、矯正医の考え方によっても異なります。矯正歯科ネットでは、患者様が安心して矯正治療をはじめられるお手伝いができるように、今後も積極的に情報収集し、適切で有用な情報をわかりやすく発信するよう努めてまいります。

レポート:矯正歯科ネット運営部

※講演の発表内容については、当サイトにおいて必ずしも保証するものではございません。

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