成人後に治療した患者さん300人に聞いた!子供の頃に矯正しなかった理由(「矯正歯科治療 患者意識調査」より)

透明なマウスピース装置による矯正歯科治療を提供するアライン・テクノロジー・ジャパン株式会社は、成人後に矯正治療を受けた人300名に対して意識調査を実施しました。本特集では調査結果から見える子供の頃の治療意向についてレポートします。

成人患者に聞いた子供の頃の治療意向

いつから歯並びを気にしていましたか?
58.0%が「子供の頃から歯並びが悪いことを気にしていた」

成人後に矯正治療を受けた人300名に対して、治療に至る経緯について聞いたところ、大人になってから歯並びが悪いことを気にした人は42.0%(126名)、子供の頃から歯並びが悪いことを気にしていた人は58.0%(174名)でした。成人患者の半数以上が、大人になるまで歯並びを気にしていたことが分かります。

子供の頃に治療できなかった理由とは?
「治療したいと思ったが、親に相談しなかった」32.2%(56名)

子供の頃から歯並びを気にしていた人(174名)のうち、43.7%(76名)が「(子供の頃は)治療したいと思わなかった」と回答した一方で、「治療したいと思ったが、親に相談しなかった」32.2%(56名)・「親に相談したが、治療に至らなかった」24.1%(42名)といった子供の頃に治療意向があっても治療に結びつかない人が多い傾向も見られました。(図1)
また、子供の頃に矯正治療をしたいと思わなかった人(76名)に対して、その理由を質問したところ、「治療装置の見た目」61.8%(47名)と、「治療費」51.3%(39名)が半数を超え、その後に「治療の痛み」34.2%(26名)、「食事や歯磨きへの影響」11.8%(9名)、「受験や部活などへの影響」10.5%(8名)などの回答がありました。(図2)

図1:子供の頃に未治療の理由図2:治療したいと思わなかった理由

目立たない装置の認知度

子供の頃より認知度が向上した〈裏側矯正とマウスピース矯正〉

目立たない装置による矯正治療としては、主に「裏側矯正」や「マウスピース矯正」があります。「 裏側矯正」は、通常は歯の表側につけるワイヤー矯正装置を、歯の裏側につける治療方法で、1970年代に開発されました。
また、薄く目立たないマウスピース矯正装置(アライナー)を使ったマウスピース矯正は、1990年代に欧米を中心に普及しはじめた治療方法で、少しずつ形状の異なる複数のアライナーを順番に交換していくことで歯並びを動かします。「子供の頃に知っていた」人はどちらも10%を下回りました。(図3、図4)

実際にかかった治療費

50万円未満が約42.7%

実際に自身の矯正治療にかかった治療費について聞いたところ、「50万円未満」42.7%(128名)、「50万円以上100万円未満」34.3%(103名)、「100万円以上150万円未満」16.3%(49名)、「150万円以上」6.7%(20名)という状況が分かりました。約77%の患者さんが100万円未満でした。(図5)

図5:実際にかかった治療費

矯正治療後の実感は?

「もっと早くに治療した方が良かった」73.3%
矯正治療後の変化

矯正治療後の自身の変化については、「歯磨きがしやすくなった」※67.7%(203名)、「食事で良く噛めるようになった」※56.7%(170名)との回答のように、口腔機能面の改善を実感している様子がみられます。さらに、「笑顔に自信が持てるようになった」※61.7%(185名)、「コンプレックスが解消された」※57.3%(172名)といった調査結果から、矯正治療が及ぼす精神面への効果も大きいことが伺えます。(図6)

「あてはまる」・「ややあてはまる」・「どちらともいえない」・「あまりあてはまらない」・「あてはまらない」の5つの選択肢のうち、「あてはまる」・「ややあてはまる」と回答した割合

治療時期について

また、自身の治療時期については、73.3%(220名)の人が「もっと早くに治療した方が良かった」と回答しており、「適切な時期に治療できた」23.7%(71名)・「もっと遅くに治療した方が良かった」3.0%(9名)との回答を大きく上回りました。(図7)

図6:治療による自身の変化の実感図7:治療の時期について
気になるお子様の歯並び まずは矯正歯科医に相談を 昭和大学歯学部歯科矯正学教室主任教・槇宏太郎先生のコメント

日本においても歯並びへの関心は一昔前より随分高まってきましたが、まだまだ矯正治療の装置に対する抵抗感は根強いものがあると感じます。今回の調査結果でも、治療をしたいと思わなかった理由として、装置の見た目が第一に挙げられていました。一般的に思春期にはその傾向が顕著ですし、大人になってからも接客など仕事の都合で難しいと考えている患者さんは多いようです。そのような患者さんのニーズのためにも目立たない装置の存在は重要であり、広く認知されることで治療へのハードルが下がればと考えています。また、もうひとつのハードルとして調査結果で挙げられた治療費については、日本で矯正治療は保険適用外であるため、患者さんそれぞれの事情によって難しい部分があることは否めません。しかし、外科手術の併用が必要な症例などでは矯正治療も保険適用となるケースがあります。いずれにせよ、歯並び・噛み合わせが悪いようであれば、子供自身や親の判断よりも、矯正歯科医に相談だけでもしてほしいと思います。

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