監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
歯列矯正は原則自由診療のため高額ですが、確定申告の医療費控除の活用による所得税還付を受けて、費用負担を結果的に軽減できます。しかし、申告方法(手続き)が分からないと控除できません。
e-Taxの申請方法や、還付金の計算の仕方をわかりやすく解説します。
公開日:2025/11/21 更新日:2025/11/27
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
・矯正治療費や通院交通費は医療費控除の対象になり、家族分も合算可能。
・e-Tax(オンライン)で簡単に申告でき、還付金は所得税率に応じて計算。
・確定申告は翌年1月1日から5年間まで可能で、領収書や明細書の普段の整理がポイント。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が一定金額(原則10万円)を超えた場合、所得税が還付される制度です。
医療費が高額になった場合に、納めた税金の一部が返金されます。
医療費控除額計算の基本
総医療費 -保険金等で補填された額 -10万円(総所得200万円以上の場合)
総所得200万円未満の場合は、総医療費-保険金等-総所得×5%
算出された「医療費控除額」に、自分の所得に応じた所得税率をかけると還付金の目安がわかります。
医療費控除のやり方をわかりやすく紹介します。
矯正治療費だけでなく、通院費用(交通費)も含まれます。対象費用の例は以下です。
・矯正治療の診察料・装置代・調整費
・レントゲン撮影費
・矯正のために通院する交通費(電車・バスなど)
個人の他の医療費に加え、家族の医療費も合算可能です。「生計を一にする」家族の領収書も保管しておきましょう。
参考:国税庁
e-Taxでの申告に必要な書類は以下の通りです。
・源泉徴収票
・医療費の領収書
・医療費控除の明細書(国税庁サイトで作成可能)
・マイナンバーカード(カード方式で申告する場合)
※上記は提出不要ですが、特に領収書や明細書は税務署から求められた際に提示できるよう保管しましょう。
1. e-Taxにログイン
2.「確定申告書作成」画面に進む
3. 年間の所得金額や医療費を入力
4.矯正治療費や交通費を正確に記載
5.入力内容を確認後、申告書を提出
6.提出後に控えを保存
申告内容を税務署が確認後、指定口座に所得税の還付金が振り込まれます。e-Taxを使えば、自宅からオンラインで申告でき、手間が少なくスピーディーです。
通常の確定申告期間は、毎年2月16日から3月15日までです。土日によって期間が多少変わりますが、この期間に申告すれば医療費控除を受けられます。
「医療費控除の還付だけ」を受けたい場合、1月1日からでも申告できます。たとえば矯正治療費や他院の治療費が10万円を超えていて、還付を早く受けたいとき、申告は早くできます。
さらに、医療費控除は医療費を支払った翌年から5年間申告可能です。2025年に矯正治療の費用を払った場合、2026年から2030年の間に申告できます。
※副業などで所得税を納める必要がある場合は2月から始まる確定申告の期間中に申告を行う必要があり、期間外での還付を受けることはできません。
参考元:国税庁
医療費控除でよくある質問と回答を紹介します。
A. 提出不要ですが、税務署から求められたときに提示できるよう、手元に整理して保管しておきましょう。
A. 可能です。「生計を一にする家族」の矯正費用や他の医療費も合算して申告できます。領収書は必ず保管しておきましょう。
A.支払った年度ごとに医療費控除を申請できます。分割払いでも、実際に支払った金額が対象になります。
矯正治療は費用が高くなりがちですが、確定申告の医療費控除を活用することで所得税還付を受けて結果的に費用負担を軽減できます。控除対象には治療費だけでなく通院にかかる交通費も含まれ、家族分の費用も合算できます。
還付金は実際に支払った医療費と所得税率に応じて計算されます。申告は医療費を支払った翌年から5年間可能で、分割払いで支払った場合も実際に支払った年度ごとに控除できます。領収書や明細を整理し、e-Taxを利用すれば自宅から簡単に申告しましょう。
歯科医師からのワンポイントアドバイス:
矯正治療は噛み合わせ(機能)の改善をメインにされる治療なので基本的に医療費控除の対象になります。ただし、噛み合わせを考慮しない歯並び(審美)の改善である場合、認められません。
税務署から領収書や診断書を提示するよう問い合わせが来ると聞いたことがありますが、かなり少ないです。問い合わせがないかもしれませんが、医療費控除対象医療費の領収書は大切に保管しておきましょう。