八重歯(犬歯)の矯正治療について

両隣の歯よりも外側に生えている犬歯を八重歯といいます。日本では可愛らしいとされることもありますが、世界的にみると叢生(でこぼこな歯並び)のひとつです。歯ブラシが当たりにくく虫歯や歯周病になりやすく、噛み合わせにおける犬歯の役割を果たせないので八重歯は矯正治療の対象です。ここでは八重歯の矯正治療について説明します。

公開日:2019/10/01  更新日:2021/11/17

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

八重歯(犬歯)の矯正治療について

■目次

  1. 八重歯(犬歯)になる原因
  2. 八重歯を矯正で改善する治療法
  3. 抜歯を伴う矯正歯科治療で八重歯を抜かないことが多い理由

八重歯(犬歯)になる原因

八重歯(犬歯)になる原因

歯と顎の大きさが調和していないと、でこぼこな歯並びになってしまいます。通常は、歯は正常な位置に生えようとしますが、歯と歯の間が狭いと、歯の並びが乱れて歯並びが悪くなります。これを叢生といいます。

八重歯とは、犬歯が周囲の歯が先に生えてスペースが足りないなどが原因で外側に出て歯列がでこぼこになる歯列不正の一種で、顎の骨が小さいために正しい位置に歯が生えるスペースがないことや、乳歯から永久歯へスムーズに生え変わる事ができなかった時などに起こります。

八重歯を矯正で改善する治療法

八重歯を改善する治療には、主に次の3つの方法があります。

・抜歯をしないで治療する方法

矯正治療で、奥歯を後方にずらし八重歯の移動スペースを作る方法がメインです。

・八重歯を削って小さくする方法

歯並びのでこぼこが非常に小さい場合は、歯の表面のエナメル質を少し削り(0.5~1ミリ程度)、歯を小さくしてできたスペースを利用して矯正治療で改善する方法があります(ストリッピング、ディスキングなどと呼ばれています)。1本の歯を削る量は、最小限にとどめるので痛みはほとんどありません。上顎の八重歯だけを部分矯正で治療するときなどに行う方法の一つです。見た目が悪くなる可能性もあり、オススメしないことが多い治療方法です。

・抜歯する方法

多くの場合、八重歯は抜歯を伴う矯正で改善します。歯の大きさに対し顎が小さい場合(逆に歯が非常に大きい場合)には、抜歯する場合があります。抜歯をしてスペースを確保することで、矯正した時に顎全体に余裕ができ、歯が楽に動く場合もあります。見た目も整います。

抜歯を伴う矯正歯科治療で八重歯を抜かないことが多い理由

通常、矯正歯科治療では、抜歯するのは八重歯のすぐ奥にある小臼歯(前から4番目、5番目の歯)が多いです。犬歯は歯の根が他の歯よりも長く、歯周病や虫歯になっても一番最後まで残る歯といわれています。また、正しい噛み合わせや顎の動きへのアプローチで重要な役割を担っています。八重歯を放置したり抜いてしまうと、下顎を左右に動かす側方運動時に、障害が出る可能性があります。矯正治療では八重歯の抜歯をしないことが一般的です。

治療結果は、患者様によって個人差があります。上記内容もお口の中の状況によって異なる可能性もあります。まずは、歯科医院でカウンセリングを受け、正しい診断を受けましょう。

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