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動画解説 「抜歯した歯の冷凍保存とは 」
矯正治療などで抜歯した歯を、将来、自分の歯が失ったときに移植(自家歯芽移植)することができるように、特殊なフリーザーで冷凍保存する新しい技術についてご紹介します。
抜歯した歯の冷凍保存とは
恵比寿エスト矯正歯科 院長 : 萩田 洋児
(日本矯正歯科学会認定医 日本成人矯正歯科学会認定医)
将来、自分自身の歯が移植できるように矯正治療で抜歯した歯を冷凍保存
日本人をはじめとしたモンゴロイドと呼ばれる人々は、顎に対して歯が大きい方が多いです。このため、矯正治療をするときに、おおよそ半数の人が抜歯をしています。矯正治療の抜歯では、小臼歯(前歯の真ん中から4番目の歯)や親知らずを抜くことがよくありますが、この抜歯した歯を、マイナス150度の特別なフリーザーで冷凍して、保存・保管する新しい技術があります。
抜歯して冷凍保存された歯は、広島大学のベンチャー企業「スリーブラケッツ」が運営する世界初の歯の銀行「ティースバンク」に航空便で送られ、保管されます。
冷凍保存できる歯は、移植が可能な比較的健康な歯に限られますが、この新しい技術によって、歯を預けたご本人が、将来、虫歯や歯槽膿漏、交通事故などで、歯を失った場合に、ティースバンクで預けた自分の歯を移植する「自家歯芽移植」治療ができるようになります。
矯正治療などで、親知らずなどを抜歯するときに、「健康な歯を抜いて捨てるのは、もったいない」と思ったら、歯を抜く前に、相談してみましょう。
歯の銀行 スリーブラケッツ社 http://www.teethbank.jp/
※本人以外への歯の移植は薬事法により禁止されています。