- 座長:
- 上岡 寛 先生、高橋 一郎 先生
米国矯正歯科臨床の3次元分析・診断における最新事情
- 講師:
- 出口 徹 先生
口腔内スキャナーは、移動する手間や保管場所が無いため効率的で且つ、利便性が高いという必要性について述べられました。患者さん側からの意見では、嘔吐反射がない、清潔感があるということがありました。
また、4つの口腔内スキャナー(iTero、TRIOS, CS3500、True Definition Scanner)の歴史から仕組み、特性や違いについてお話されました。
口腔内スキャナーの今後の課題として、価格15,000~20,000ドル、年間維持費5,000ドル以下にする金額の問題、メインテナンスの問題、他社との提携の問題などを挙げられました。また、CBCTの課題には、すべての口腔内スキャナーと併用できるようになることを挙げられました。
Eye trackingの研究結果では、人は不正咬合が著しいと男女とも口元に注目し、女性の方が顔全体を見る傾向があることを述べられました。
3次元画像解析の基礎と矯正歯科治療への応用
- 講師:
- 谷川 千尋 先生
現在の矯正治療分野では、3次元報告が増加しているとお話されました。
2次元と3次元の違いは、情報量であり、情報量が大きいと新しい知見が広がるので、3次元画像が臨床応用されると、容貌・表情などの顔の術前・術後の評価がより詳細になると述べられました。
また、抜歯に伴う矯正歯科治療前後の3次元顔面変化のパターンの説明をされました。
高解像3DMRIを用いた非侵襲的で規格的な顎変形症の形態と機能診断:下顎側方偏位症例について
- 講師:
- 後藤 多津子 先生
顎変形症の患者さんの画像解析、計測方法、咀嚼や顎関節、咬合面の解析結果について発表されました。咀嚼や咀嚼筋および顎骨の顎顔面形態を解明し、顎口腔形態と機能の関連についてお話されました。
また、3DMRIを用いて口腔と脳機能などを診ると、さらに幅広い研究になると述べられました。3DMRIでは、規格的な解析が可能であり、またMRIは被爆がないため、長期的な観察に有効であると述べられました。