治療の流れが良くわかる|初めての歯列矯正ガイド

歯列矯正の初診時のカウンセリングから治療終了までの流れについて、時系列順にわかりやすく解説しています。治療期間の長さがネックとなり矯正治療をためらっている方も、治療の流れが分れば安心できるはず。治療終了後の保定装置(リテーナー)についても解説しています。

更新日:2019/12/03

1.治療開始から終了までの流れ

歯列矯正の治療期間は約2年程度であることが一般的。では、どのような流れで治療をすすめていくのか、治療の流れをカウンセリングから保定期間まで順を追って解説します。

1.カウンセリング(所要時間:30~60分程度)

カウンセリングはお口の悩みや治療に関する不安を相談する場です。歯列矯正のメリットやデメリット、装置の種類、おおよその治療期間、通院回数、費用など、歯や治療に関する疑問や悩みを相談しましょう。メモを取りながら聞いておくと安心です。無料カウンセリングを実施している医院も多いので気軽に相談しましょう。

2.精密検査(所要時間:60分程度)

歯並びや噛み合わせの状態、骨格や歯の生え方などを専門の機器を使用して検査していきます。歯型の採取や噛み合わせの検査、CT検査、レントゲン撮影(口腔内・頭部)、写真撮影(口腔内・顔貌)、虫歯や歯周病のチェックなどを行います。

※検査項目はクリニックによって異なります。

3.診断と治療計画の説明(所要時間:30~60分程度)

精密検査から約1~2週間程度で検査結果が出ます。初診時のカウンセリングと精密検査の結果をもとに治療計画の説明を受けます。初診時のカウンセリングでは、おおよそであった治療期間や通院回数、費用、抜歯の有無などもこの時に決定します。不安が残らないよう疑問点はしっかり質問しましょう。提示された費用と治療計画に同意したら、いよいよ治療開始です。

4.歯列矯正の準備

精密検査の結果から、虫歯や歯周病の治療が必要と診断された場合は、装置を装着する前にしっかり治しておく必要があります。矯正中は狭い口腔内に複雑な装置が装着されるため、隅々まで歯ブラシが届きにくくなることで虫歯や歯周病のリスクが高まります。検査の結果、特に所見がなかった方も正しい歯の磨き方を身に付けておきましょう。
精密検査の結果から抜歯が必要であるとの診断があった場合は、このタイミングで抜歯を行う場合があります。

5.歯列矯正の開始・装置の装着(所要時間:30~60分程度)

準備が整ったらいよいよ歯列矯正のスタートです。矯正装置を装着し、ホームケアのコツや装置の取り扱い、注意事項などの説明を受けます。
ここから約1年半から2年の期間をかけて歯並びや噛み合わせを整えていきます。

6.調整期間・定期通院
通院期間:1年半~2年程度(1回/月程度)/調整時間:(30~90分程度)

個人差はありますが、歯列矯正の調整期間は1年半~2年程度。約1ヵ月に1回程度の頻度で通院し、歯の動きに合わせてワイヤーや針金の調整を行います。装置の調整と併せて歯のクリーニングや歯磨きのトレーニングなども受けながら、虫歯や歯周病の発生を防くことも大切な治療のひとつです。

【治療開始1か月】

装置の装着から最初の1か月程度は装置に慣れるための準備期間と捉えてください。「噛むと痛い」「食べ物が引っ掛かる」など、しばらく食事や歯磨きに困る期間が続くかもしれませんが、違和感が強いのは1か月程度。徐々に慣れていくのでご安心ください。

【治療開始~6か月】

この頃になるとすっかり装置に慣れ、違和感も少なくなっているでしょう。ダイナミックに歯が動くので、日に日に歯並びが変わっていくことが嬉しい時期でもあります。ガタガタしていた前歯がきれいに並んできたり、抜歯した隙間が閉じてきたりなど、口元の変化にモチベーションが上がる頃です。

【治療開始1年】

この頃になると、大方の歯並びは整っているはずです。「歯の移動」から「噛み合わせや隙間の調整」にシフトチェンジする「調整期間」に突入します。これまでのような大きな見た目の変化が少ないので、順調に治療が進んでいるのか不安になる頃でもありますが、お口の中は日々変化しています。

【治療開始1年半(最終仕上げ)】

この最終仕上げでは、見た目だけでなく機能的な歯並びに近づけていきます。矯正治療の総仕上げとなるとても重要な工程のため、半年ほどかけてじっくり調整をしていきます。歯並びや噛み合わせの状態によっては、新しい装置を装着したり日常的に顎間ゴム(エラスティックゴム)の使用が必要になったりなど、噛み合わせを中心とした細かな調整を行います。中だるみしやすい時期ですが、矯正終了まであと一息です。この時期を乗り切りましょう。

【顎間ゴム(エラスティック)とは?】

噛み合わせを整える方法として「顎間ゴム(エラスティックゴム)」を使用することがあります。顎間ゴムとは上下の装置にゴムを引っ掛けて、患者さんご自身で噛み合わせをコントロールする治療のひとつ。ゴムが邪魔をして口が開けにくいなどのストレスもありますが、仕上がりのクオリティーを左右する大切な治療の一環です。地道な努力が良い結果を招きます。

7.装置の取り外し・リテーナーで保定

歯並びがきれいに整い、噛み合わせもバッチリ。見た目も噛み合わせも整ったら、いよいよ装着を取り外します。矯正装置を取り外した後は、きれいに並んだ歯が元に戻らないように「保定装置(リテーナー)」を装着し、歯並びを安定させます。
お口の状態により個人差がありますが、保定期間は1~3年程度。保定期間中は3~6か月に一度のペースで通院し、経過観察を行います。これらの7つのステップが全て完了すると、歯列矯正は完了となります。

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治療成功を左右する保定期間とは

歯列矯正で、特に大事な工程が「最終仕上げ」と「保定(リテーナー)」です。最終仕上げでは、約半年ほどかけて噛み合わせの調整を行い、機能的な歯並びに近づけていくのですが、この工程をおろそかにすると、しっかり噛めないばかりか、治療後に「後戻り」をしてしまう可能性も高まります。

見た目にわかりにくい細微な調整がクオリティーを左右します。早く装置を外したい気持ちは十分に分かりますが焦りは禁物。忍耐強く最終仕上げの時期を乗り越えましょう。
また、最終仕上げと同様に成功のカギを握るのは「保定期間」です。この期間はきれいに並んだ歯並びを維持するための大切な時期。ここをおろそかにしては、これまでの努力が水の泡となってしまいます。せっかくの歯列矯正が無駄にならないように、保定装置の着用を忘れないようにしましょう。

個人差がありますが、保定期間は1~3年程度が一般的です。装置を外した直後はほぼ1日中の着用が望ましいといわれていますが、歯並びが安定してきた半年~1年後には徐々に装着時間を減らしていきます。また、保定装置は取り外しができるタイプや、マウスピースタイプ、歯の裏側にワイヤーを固定するタイプがあります。保定装置の着用と共に、定期検診で後戻りのチェックとリテーナーのメンテナンスを受けることも、きれいな歯並びを維持する大切なポイントです。

歯列矯正の治療期間を快適に過ごす医院選び

歯列矯正は約2年の歳月を要する長期戦。装置を外したあとも後戻りを防ぐため、さらに2~3年の保定期間が必要です。治療を受ける医院や担当ドクターとは長いお付き合いになる訳ですから、大切なお身体を安心して任せられて、末永くお付き合いできる医療機関を選びたいものですよね。

歯科医院を選ぶ際には治療費だけでなく、クリニックの雰囲気や担当するドクターの人柄なども考慮して、自分と相性の良い医院を選択することも矯正成功の大切な要素です。医院選びに迷った際は、口コミや患者さんの体験談を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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