しみる虫歯の進行度は?治療内容や虫歯以外でしみる原因

虫歯 しみる

冷たいものを食べると歯がしみたといった経験はありませんか?歯がしみた時点で虫歯が進行している可能性があります。放置しているとさらに虫歯が広がり、大切な歯を最終的に失う原因になりかねません。しみる虫歯とはどのくらい進行しているのか、どのような治療がされるのかを解説します。

監修医師

歯科医師 古川雄亮先生

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. しみる虫歯の進行度は?
  2. 虫歯はどのように進行する?進行段階をチェック
  3. しみる虫歯の治療の流れとは?
  4. 虫歯以外で歯がしみる原因
  5. まとめ

しみる虫歯の進行度は?

虫歯 しみる

冷たいものを食べたときにしみる場合、象牙質(ぞうげしつ)という部分に虫歯が達している状態です。象牙質はエナメル質の内側にあり、歯の主体でもあります。象牙質には神経に通じる細かい穴があいているので、象牙質に虫歯が達すると冷たいものが鋭くキーンとしみます。

放置しておくと象牙質を超え神経に到達してしまうので、すぐに歯科医院を受診しましょう。

虫歯はどのように進行する?進行段階をチェック

虫歯は大きく分けて5段階にわけることができます。まだ痛みを感じていなくても気づかぬうちに初期段階の虫歯となっていることもあるでしょう。

虫歯が進めば進むほど治療が大掛かりになったり費用がかかってしまう傾向があるため、できるだけ早めに気づくことが大切です。削る必要のない初期の虫歯から抜歯が必要な重度の虫歯まで丁寧に紹介します。

CO(初期の虫歯)

歯の表面がやや白くなるなどしており、痛みなどの症状がなく、穴も開いていないため定期受診にきちんと行かなければ見過ごしてしまうでしょう。

初期段階であれば大がかりな治療は必要なく、フッ素を塗るなどして進行を防ぎます。

C1(エナメル質の虫歯)

エナメル質のみが溶けてしまった段階の虫歯です。この段階の虫歯は自然治癒が難しいため、歯科医院で虫歯箇所を削るなどの治療を受けます。

C2(象牙質の虫歯)

虫歯が象牙質まで到達すると歯がしみやすくなります。個人差はありますが強い痛みはまだ感じないものの、冷たいものがキーンとしみるようになります。治療では虫歯の箇所を削ったうえで詰め物をします。

C3(神経に達した虫歯)

虫歯が神経に達した段階となると、何もしなくても痛みを感じる自発痛が生じるようになります。虫歯を放置してC3に達した場合、この段階で痛みに耐えられず歯科医院を受診される方が多いです。

C4(歯根まで到達した虫歯)

神経まで達した虫歯が進んだ場合、歯(歯冠)がほとんど崩壊します。抜歯の必要性が高く、入れ歯・ブリッジ・インプラントになることが多いです。

しみる虫歯の治療の流れとは?

冷たいもの、熱いもの、甘いものがしみるのはC2やC3の症状の一つです。C2で象牙質まで虫歯が進行している場合は、神経を保護する処置を必要であれば受けた後、詰め物をします。型を取って部分的に被せる治療をすることもあります。検査方法から治療ステップまで詳しくチェックしましょう。

<検査>
視診・触診・打診・エックス線検査などの検査方法があります。

<診断・治療計画の呈示>
検査結果に基づき治療計画をたてて、治療内容を説明します。

<治療開始(銀色の金属の詰め物(インレー)をする場合)>
(1)局所麻酔をする。
(2)虫歯を削る。
(3)神経を保護するための薬を詰める(神経に近いときなど)。
(4)詰め物を作るための型を取る。
(5)仮の詰め物を入れる。
※歯科技工所などに歯型を送って詰め物を作ります。
(6)仮の詰め物を外して清掃する。
(7)詰め物を入れてかみ合わせを調整する。
(8)噛み合わせの調整終了後、詰め物を研磨して歯に接着する。

<治療終了>
治療後は30分くらい飲食は避けましょう。虫歯が大きくて神経近くまで削られている場合は治療後にしみる場合がありますが、数日で徐々に治ってきますので心配は要りません。ただし、ズキズキと強く痛むのが続く場合は歯科医師に相談しましょう。

虫歯以外で歯がしみる原因

歯がしみる原因は、実は虫歯以外にもあります。そのため、歯がしみるからと言って必ずしも虫歯とは限りません。虫歯以外で歯がしみる原因3つを紹介します。

知覚過敏

知覚過敏は一時的に歯がしみることです。知覚過敏の原因は、噛み合わせや日々のブラッシングによるエナメル質の摩耗、食べ物などによる歯の咬耗が関連します。

知覚過敏になると歯のすり減り部分が歯磨きしにくいため、虫歯や歯周病になりやすい環境に陥る可能性があります。虫歯同様、歯がしみると感じた際には早めに歯科医院に相談へ行きましょう。

歯周病

歯周病によって歯茎が下がり歯根が露出すると一時的に歯がしみることがあります。冷たいものに触れた際、進行の度合いによっては強くしみます。歯周病の主な原因は歯に付着した歯垢の細菌ですが、生活習慣などもリスクファクターとなります。歯垢は歯の表面に付着するため、歯科医院での定期的なクリーニングや検診を受けることがおすすめです。

まとめ

歯がしみると感じる際はできるだけ早く歯科医院に受診することをおすすめします。虫歯は自然治癒することはなく、放置することによって痛みが増すとともに治療回数も増えてしまいます。また、歯がしみるからといって必ずしも虫歯とは限らないため歯科医院で診てもらうことが大切です。

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