矯正歯科の新機軸を捉える 第73回日本矯正歯科学会大会

幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区) 国際会議場入口
▲ 幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区) ▲ 国際会議場入口

2014年10月20日(月)〜22日(水)の3日間、千葉県の幕張メッセにて、第73回日本矯正歯科学会大会が開催されました。今回も、国内のみならず、海外からも多くの歯科医療関係者が集まりました。日本矯正歯科学会の会員をはじめ、国内外の研究者や歯科医、歯科衛生士など、矯正歯科治療に従事する医療関係者が一堂に会しました。

※日本矯正歯科学会とは:歯科矯正学の進歩、発展を図ることを目的として、1926年10月に創立された学術組織です。 >> 詳細はコチラ


日本矯正歯科学会

下記に、本学会で行われたプログラムの一部を簡単にご紹介致します。

【シンポジウム】 テーマ:「基礎研究から見える未来」
「メタルフリー素材の矯正歯科領域への応用」
講演者: 谷本 安浩 先生

審美性を考慮した矯正用ワイヤーの説明をし、メタルフリーのブラケットは審美性に優れており、ジルコニアやポリカーボネートなどの素材を使っていることをお話されました。 国家試験問題に、「ニッケルアレルギーの患者さんに使用できるワイヤーはどれか?」という問題が出題されたことを例に挙げ、チタン、モリブデン以外は毒性の強いニッケルを含んでいることなどを説明されました。 現在の矯正装置の問題は、生体安全性を考えると、金属アレルギー、ニッケルの毒性問題であることを挙げられ身体によくないゆえ、解決するためには、メタルフリー化を実現する必要があることを強調されました。また、復合材料のコンポジットマテリアルを使ったメタルフリーを実現するための研究内容も発表されました。

「生体硬組織ならびに生体材料の新しい質的・理工学的評価」
講演者:宮崎 隆 先生

腐食や歯の欠損に対して形態を再現したり、保持したりするために色々な材料を使ってきたのが歯科治療であると述べられ、歯科材料は、薬事法が改正されて「医療機器」から、「医薬品医療機器等法」に変更したことをお話されました。 これから私たちは、歯科医療を行う上で、生体との反応をよく考えた材料の評価をしていかなければならないことを主張されました。

iPS細胞が可能とする歯科医療とは 「iPS細胞が可能とする歯科医療とは」
講演者:江草 宏 先生

歯肉を用いたiPS細胞の作製について着目した内容を発表されました。iPS細胞の4つの初期化誘導遺伝子の1つであるc-Mycは、癌遺伝子でもあり、これを入れることによって再生した細胞組織は癌化することがあると言われているため、c-Mycを除いてiPS細胞を作ることにとりかかったと述べられました。 研究により、歯茎がiPS細胞を介して心臓の細胞になったこと、iPS細胞が生殖細胞の精子と卵子にもなるかについて研究を重ね、実験により、黒色のマウスからiPS細胞を作り、白色のマウスに入れると、白と黒が混ざったキメラマウスができたことを発表されました。




第5回日韓ジョイントミーティング
「成長期の矯正治療の個体差を探る」
講演者: 石川 博之 先生(公益社団法人日本矯正歯科学会 理事長)

「上顎前突患者に対し、機能的矯正装置は有効化か?」という質問に対し治療が功を奏するものとあまりうまくいなかいものが存在することは否定できない。今後は矯正装置の適合性を検討することも必要となることも述べられました。 また、機能的矯正装置の治療結果を行った人と行わなかった人と比較した場合について統計を発表され、治療効果のある、ないというのを識別して治療計画に結びつけることの必要性を訴え、治療効果の多様性についてお話されました。

「Vertical problem」を有する症例に対する外科的・非外科的矯正治療について
―上顎歯列の上方移動を必要とする症例を中心に―

横関 雅彦 先生(横関矯正歯科クリニック 院長)

上顎歯列の上方移動を必要とする症例には、上顎歯列全体、上顎臼歯部、上顎前歯部の上方移動が行われますが、症例臨床により、上顎歯列の上方移動の方向、角度などはさまざまであると述べられ、外科矯正治療と、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療が優良であることを発表されました。 主訴はガミースマイル、受け口でオーバーバイトの症例などで、動的矯正治療の口腔内の比較、重ね合わせなどを行い、結果、外科矯正治療または単独でアンカースクリューを用いた矯正治療を行う場合にも、利点や欠点があるため患者さんとの密な連携が必要であることをお話されました。


・次回の開催について
第74回大会は、平成27年11月18日(水)〜20日(金)に福岡国際会議場で開催される予定です。


【学術・症例展示会場】

学術・症例展示会場では、日本矯正歯科学会の会員による研究内容・症例報告がパネルに展示されていました。先生方の臨床、研究の成果の発表の場となっており、多くの先生方が展示を見学していました。発表者の先生がいる展示については質問をしたり意見交換をしている姿が多く見られました。

【商社展示会場】
商業展示会場では、矯正治療の関連企業による商品展示が行われました。ブースに立ち寄った先生方に対して企業、商品紹介を積極的に行っており、矯正歯科ネットもまた、ブースを出展し、多くの先生方にお会いすることができました。

矯正歯科治療の関連企業の展示ブース
▲ 矯正歯科治療の関連企業の展示ブース
矯正歯科ネットブース出展
▲ 矯正歯科ネットもブース出展しました!

【スタッフ後記】

今回の学会では、「矯正歯科の新機軸を捉える」をメインテーマに講演が開催されました。各講演の中で積極的に質疑応答をされている先生方が多く、全体に活気に満ちているのが印象的でした。発表内容については、昨年に引き続き、アンカースクリューの普及に伴い、それらを用いた症例を発表される先生方が多く見られました。第5回目となる「日韓ジョイントミーティング」では、日本人と韓国人の先生の発表が交互に行われ、熱く議論されていたように思います。
矯正歯科ネットでは、矯正治療の正しい知識と新しい情報を常に発信し、患者様が安心して治療を受けられるよう、積極的に努めて参ります。

レポート:矯正歯科ネット運営部

※講演の発表内容については、当サイトにおいて必ずしも保証するものではございません。

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  • 医療法人社団真美会 銀座矯正歯科 深沢真一院長先生
  • 神宮前矯正歯科 斉宮 康寛院長先生
  • アイ矯正歯科クリニック 福井 一美院長先生
  • 日本橋はやし矯正歯科 林一夫院長先生
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  • リボン歯科グループ 高田馬場リボン歯科・矯正歯科 金子 正明先生
  • ピュアリオ 歯科・矯正歯科 慶應三田院 湊 寛明先生
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