みほさんの相談
カテゴリ:装置・治療法
年齢:9歳3ヶ月
性別:女
診断:反対咬合
治療経過:
7歳から大学病院の矯正歯科に通院しており、治療はプレオルソのみです。
上顎前方牽引装置の使用を確認したところ、医師の回答は以下でした。
*これから顔の石膏を作成し、精査をする。
* 精査の結果、下顎が過成長であっても上顎の発育が正常である場合、上顎前方牽引装置は適応とならない。理由は、ゴリラのような顔になるため。
*上顎前方牽引装置が適応とならない場合、治療はプレオルソしかなく、将来的には外科手術を検討することになる。
◎ご相談したいこと:
*上顎の発育正常である場合、装置は適応とならず他に治療がないというのは標準治療であり例外はないのでしょうか。
*上顎前方牽引装置の強度を調整することで、ゴリラ顔になることを回避しつつ逆咬合を直すというのは手技上困難なのでしょうか。
ご教示のほどよろしくお願いいたします。
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- 秋葉原リヨンドール歯列矯正歯科クリニック
- ( 東京都 千代田区 )
- 2025-01-15 13:10:00
ご相談内容についてお答えいたします。
1. **上顎の発育が正常である場合の治療方針について**:
矯正治療において、上顎の発育が正常であり、下顎が過成長である場合、上顎前方牽引装置が適応とならないとされています。この判断は、個々の患者の成長や顔の特徴によって異なる場合もありますが、一般的には下顎と上顎のバランスを考慮した上で治療方針が決定されます。したがって、医師が示した治療方針は多くのケースで標準的ですが、患者の特性によっては異なる選択肢が考慮されるべきです。このため、他の専門医の意見を聴取するのも有用かもしれません。
2. **上顎前方牽引装置の強度調整に関して**:
上顎前方牽引装置の強度を調整することで、逆咬合を改善しつつ顔の形状を保つことは技術的には可能ですが、慎重な管理と患者の成長段階を考慮する必要があります。適切な力の加え方や期間については、医師の経験や技術に依存するため、装置を使用する際は医師と密にコミュニケーションを取りながら進めることが重要です。場合によっては、治療効果を評価しながら調整していく必要もあるでしょう。しかし、特定のリスク(例えば良くない顔の変化)については、医師がそのリスクを理解し、説明した上で行う必要があります。
このように、矯正治療には多くの要因が関与するため、医師としっかりと相談しながら進めることが大切です。もし治療方針に疑問がある場合は、セカンドオピニオンを求めることも考えてみてください。
1. **上顎の発育が正常である場合の治療方針について**:
矯正治療において、上顎の発育が正常であり、下顎が過成長である場合、上顎前方牽引装置が適応とならないとされています。この判断は、個々の患者の成長や顔の特徴によって異なる場合もありますが、一般的には下顎と上顎のバランスを考慮した上で治療方針が決定されます。したがって、医師が示した治療方針は多くのケースで標準的ですが、患者の特性によっては異なる選択肢が考慮されるべきです。このため、他の専門医の意見を聴取するのも有用かもしれません。
2. **上顎前方牽引装置の強度調整に関して**:
上顎前方牽引装置の強度を調整することで、逆咬合を改善しつつ顔の形状を保つことは技術的には可能ですが、慎重な管理と患者の成長段階を考慮する必要があります。適切な力の加え方や期間については、医師の経験や技術に依存するため、装置を使用する際は医師と密にコミュニケーションを取りながら進めることが重要です。場合によっては、治療効果を評価しながら調整していく必要もあるでしょう。しかし、特定のリスク(例えば良くない顔の変化)については、医師がそのリスクを理解し、説明した上で行う必要があります。
このように、矯正治療には多くの要因が関与するため、医師としっかりと相談しながら進めることが大切です。もし治療方針に疑問がある場合は、セカンドオピニオンを求めることも考えてみてください。
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- みほ(35歳 女性 )
- 2025年01月16日19時38分
ご丁寧にご教示くださり誠にありがとうございます。
大変理解しやすく、納得できました。
かかりつけの近所の歯科医師からは、上顎の発育が正常であり下顎が過成長である場合でも、通常は上顎牽引装置が適応になる(当院では必ず適応します)と説明をうけたため、矯正歯科との説明の食い違いに混乱しておりました。
現時点でプレオルソしか施せる治療が無い可能性があるのかと思うと絶望感はございますが、納得できましたので感謝申し上げます。
大変理解しやすく、納得できました。
かかりつけの近所の歯科医師からは、上顎の発育が正常であり下顎が過成長である場合でも、通常は上顎牽引装置が適応になる(当院では必ず適応します)と説明をうけたため、矯正歯科との説明の食い違いに混乱しておりました。
現時点でプレオルソしか施せる治療が無い可能性があるのかと思うと絶望感はございますが、納得できましたので感謝申し上げます。
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- 秋葉原リヨンドール歯列矯正歯科クリニック
- ( 東京都 千代田区 )
- 2025年05月12日20時46分
1. 上顎の発育が正常である場合、上顎前方牽引装置は適応とならず他に治療がないというのは標準治療であり例外はないのか?
この点については、一概に「標準治療であり例外はない」とは言えません。
標準的な考え方として:下顎が過成長の場合、上顎前方牽引装置だけでは根本的な解決にならないことがあります。特に成長期が終わると下顎の成長は止まらないため、上顎を引っ張っても下顎とのバランスが改善しない可能性があるからです。そのため、将来的に外科手術が必要となる可能性が高いという判断は、ある意味で妥当と言えます。
しかし、例外はあります
他の治療法:上顎前方牽引装置以外にも、下顎の成長を抑制するような装置(チンキャップなど)を併用したり、歯列全体を移動させるような矯正治療(マルチブラケット装置など)を組み合わせることで、改善が見込める場合があります。
早期治療の重要性:** 9歳3ヶ月という年齢は、まだ成長期であり、治療の選択肢は広がります。早期に適切な治療を行うことで、将来的な外科手術を回避できる可能性もゼロではありません。
2. 上顎前方牽引装置の強度を調整することで、ゴリラ顔になることを回避しつつ逆咬合を直すというのは手技上困難なのか?
これも一概には言えません。
理論的には可能:上顎前方牽引装置の強度や牽引方向を調整することで、上顎の成長をコントロールし望ましい顔貌に近づけることは理論上可能です。
実際には難しい:しかし実際には非常に高度な技術と経験が必要となります。牽引の度合いが強すぎると、上顎骨全体が前に出てしまい、おっしゃるようにゴリラのような顔貌になる可能性があります。逆に弱すぎると、効果が得られません。
リスクの説明:医師が「ゴリラのような顔になる」と説明したのは、牽引の方向や強さによっては、顔貌に悪影響を及ぼす可能性があることを強調したかったのかもしれません。
総合的なアドバイス
1.セカンドオピニオンを検討する:大学病院の医師の診断や治療方針に疑問がある場合は、他の矯正歯科医(できれば複数の医師)に相談し、セカンドオピニオンを求めることを強くお勧めします。
特に小児矯正に精通した矯正医や、外科矯正も視野に入れた包括的な治療計画を立てられる矯正医に相談するのが良いでしょう。
2.具体的な治療計画の説明を求める:セカンドオピニオンも含めて、医師から以下のような具体的な説明を受けるようにしましょう。
なぜ上顎前方牽引装置が適応とならないのか、その理由を詳しく教えてもらう。
プレオルソ以外の治療法がないのか、他に考えられる治療法を提案してもらう。
各治療法のメリット・デメリット、リスク、費用、治療期間などを比較検討する。
将来的に外科手術が必要となる可能性について、具体的な時期や手術内容などを教えてもらう。
3.治療方針の決定は慎重に:複数の医師の意見を聞き、お子様の状態、治療期間、費用、リスクなどを総合的に考慮して、ご家族でよく話し合って治療方針を決定してください。
補足
顔の石膏模型による精査:顔の石膏模型を作成し、精査することは、正確な診断を行う上で非常に重要です。医師が慎重に診断を進めている姿勢は評価できると思います。
プレオルソ治療の継続:現在行っているプレオルソ治療は、反対咬合の悪化を防ぎ、舌や口周りの筋肉を鍛える上で有効な治療法です。セカンドオピニオンを求める場合でも、プレオルソ治療は継続することをお勧めします。
お子様の治療は親御さんにとっても大変な決断だと思いますが、様々な情報を集め納得のいく治療方針を見つけてあげてください。応援しています。