Hさんの相談

カテゴリ:抜歯と非抜歯矯正

アンカースクリューの埋入について

上顎4番の2本のみ抜歯の表側ワイヤー矯正中です。

私はガミースマイルが気になり抜歯矯正を始めました。
笑うと4番目以降の奥歯は普通ですが、1~3番目の歯は歯茎が歯一本分ほど丸見えでいわゆるガミースマイルです。
しかし通っている矯正歯科の先生からは「骨格的にガミーではないのでやらなくていい」と言われ、なぜこんなにも見るからにガミースマイルなのにやらなくていいの?と思い、何度も説得し「少しずつ調整してやっていきましょう」と渋々受け入れてもらいアンカースクリューの埋入をさせてもらえることになりました。

埋入できる歯列状態になったのでこれからアンカースクリューを用いた治療が始まるのですが、今更素人の自分の判断ではなく専門知識がある先生が言っていることを信じた方がいいのでは?と思うようになり不安になってきました。

しかしどこからどう見てもガミースマイルだし、高いお金を払って健康な歯を抜いてここまでやってきたので失敗したくないし理想の笑顔になりたいです。

先生曰くやらなくてもいいという意見ですが、どうしてもガミースマイルを治したい場合アンカースクリューを埋入しても問題なさそうでしょうか?

上顎4番抜歯によるワイヤー矯正中で、ガミースマイル改善のためにアンカースクリューを検討されているのですね。先生からは「骨格的にガミーではない」と言われているにもかかわらず、ご自身の希望でアンカースクリュー治療に進むことに不安を感じていらっしゃるのですね。お気持ちよく分かります。

いくつかポイントに分けて考えてみましょう。

ガミースマイルの原因と診断

骨格性ガミースマイル:上顎骨が長すぎる、または上顎前歯部が過度に突出している場合に起こります。
歯性ガミースマイル:歯の萌出不全、歯の長さが短い、歯肉が過剰に被さっている場合に起こります。
筋肉性ガミースマイル:笑うときに上唇を過剰に引き上げる筋肉の活動が強い場合に起こります。
歯肉性ガミースマイル:歯肉の炎症や腫れによって歯肉が肥大化している場合に起こります。

先生が「骨格的にガミーではない」とおっしゃるのは、レントゲンやCTなどの検査結果から、骨格的な問題がガミースマイルの主な原因ではないと判断されたのだと思います。しかし、ご自身の感覚としては明らかにガミースマイルであると感じていらっしゃるので、原因がどこにあるのか、先生に詳しく説明を求めてみることが大切です。

アンカースクリューを用いたガミースマイル治療

アンカースクリューは、歯を効率的に移動させるための固定源として使用されます。ガミースマイルの治療においては、以下の目的で使用されることがあります。
圧下:上顎前歯を歯根方向に移動させ、歯の見え方を少なくする。
挺出抑制: 歯を矯正力で引っ張った際に、歯が歯肉方向に移動するのを防ぐ。

アンカースクリューによる圧下は、歯性ガミースマイルや筋肉性ガミースマイルに有効な場合があります。骨格性ガミースマイルの場合は、外科的な手術が必要となることもあります。

治療方針の再検討

先生は「やらなくてもいい」とおっしゃっているので、アンカースクリューを使用しなくても矯正治療によってある程度のガミースマイル改善が見込める、またはアンカースクリューを使用しても期待するほどの効果が得られない可能性があると考えているのかもしれません。

アンカースクリュー治療を開始する前に以下の点を先生と再度話し合ってみてください。

ガミースマイルの原因: 先生が考えるガミースマイルの原因と、骨格的な問題がないという根拠
アンカースクリュー治療の目的と効果:アンカースクリューを埋入することで、具体的にどのような効果が期待できるのか
治療期間と費用: アンカースクリュー治療にかかる期間と費用
リスクと副作用: アンカースクリューの脱落、感染、痛みなどのリスクと、歯根吸収や歯髄への影響などの副作用
他の治療法: 歯肉整形、ボトックス注射など、他のガミースマイル治療法との組み合わせ

セカンドオピニオン

もし、先生の説明に納得できない場合や、他の矯正医の意見を聞いてみたい場合は、セカンドオピニオンを検討してみるのも良いでしょう。複数の医師の意見を聞くことで、より客観的な判断ができるようになります。

最終的な判断

これらの情報を総合的に考慮し、ご自身が納得できる治療法を選択することが重要です。高いお金を払って健康な歯を抜いたのですから、後悔のないように、先生とよく話し合い、理想の笑顔を手に入れてください。

アンカースクリューの埋入自体は、ガミースマイル改善のために有効な手段の一つです。しかし、ご自身のガミースマイルの原因を正確に把握し、アンカースクリュー治療によって期待できる効果、リスク、費用などを十分に理解した上で、治療を受けるかどうかを判断することが大切です。不安な気持ちを抱えたまま治療を進めるのではなく、先生とよく話し合い、納得のいく治療を受けてください。

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