指しゃぶりなどの癖は歯並びに影響あるの?

子どもの指しゃぶりや爪を噛むなどの癖は、歯並びに悪い影響を与える場合があります。どのような癖によって、どのような影響があるのかご紹介します。

公開日:2019/10/01  更新日:2021/09/07

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

目次

  1. 歯並びに影響を与える癖
  2. 歯並びを悪くする子どもの癖
  3. 指しゃぶりによる影響
  4. 指しゃぶりによる歯並びへの影響
  5. 開咬[かいこう]
  6. 上顎前突[じょうがくぜんとつ]
  7. 交叉咬合[こうさごうごう]
  8. 矯正治療後に影響を及ぼす癖

歯並びに影響を与える癖

子どもの歯並びが悪くなる原因に、口に関する癖が影響している場合があります。歯並びやあごの成長に影響を与える不正咬合(上下の歯がうまく噛み合っていない状態)になってしまわないように、どのような癖が、どのように歯並びに影響してくるのかについてご紹介します。

歯並びを悪くする子どもの癖

子どもの癖には、歯並びを悪くする癖もあれば、歯並びに影響しない癖もあります。以下に該当する場合は注意が必要です。

■歯並びを悪くする子どもの癖

・指しゃぶり癖

・おしゃぶり癖

・下唇を噛む癖(噛唇癖・吸唇癖)

・舌で歯を押す癖(舌突出癖

・口呼吸

・爪を噛む癖

指しゃぶりによる影響

指しゃぶりは何歳ぐらいまで続けていいの?

指しゃぶりは、3歳頃までならあまり問題ないとされています。4歳を過ぎて指しゃぶりを続けると、「開咬」や「出っ歯」、「交叉咬合」などになることがあります。これらの歯列不正や不正咬合は、指しゃぶりの期間や、回数、指を吸う強さ、指しゃぶりをしやすいあごの形をしていること(遺伝的要因)などの個人差が関係しています。癖や習慣でなく心理的な要因が関与している場合は、小児科医や、小児神経科医、臨床心理士などと連携して治療を行う場合もありますのでかかりつけの医師に相談しましょう。

指しゃぶりによる歯並びへの影響

開咬[かいこう]

奥歯で噛んだときに上下の前歯が開いて噛み合わない状態です。

⇒不正咬合の治療例 開咬[かいこう]

上顎前突[じょうがくぜんとつ]

前歯が噛み合わず下顎よりも上顎の歯全体が前にでている状態です。

⇒不正咬合の治療例 出っ歯(上顎前突)

交叉咬合[こうさごうごう]

上の歯列の幅が狭くなり奥歯の噛み合わせが横にずれている状態です。

⇒交叉咬合[こうさこうごう]/すれ違い咬合・クロスバイト cross bite

矯正治療後に影響を及ぼす癖

矯正治療をするときは歯並びを悪くする癖を直しましょう。

口呼吸、爪を噛む癖などの歯並びを悪くする癖は、矯正治療が終わった後も続けていると、せっかく矯正治療した歯並びが元に戻ってしまう場合があります。矯正治療をした後は積極的に癖を直し、きれいな歯並びを持続しましょう。

上記の内容は一般的な内容で、お口の中の状況により異なる可能性があります。