かもさんの相談
カテゴリ：その他
10年前に4本抜歯し、矯正しました。
が、後戻りで歯が前に出てきており、再矯正をする予定です。
精密検査をしたところ、すでに抜歯しており歯のスペースがないため、外科手術を提案されました。6mm、上の歯と下の歯が開いているようです。
下顎を前に出す癖があるから、実際は6mm以上だろうとも言われています。
一般矯正の場合、矯正してみないと分からず、どこまで下げれるかも分からないとのことでした。
この場合、どちらが良いでしょうか?
もし同様の患者さんがいた場合、どのように対応されたかも、ご教示いただくと幸いです。
-
- マロニエ矯正歯科クリニック
- （ 埼玉県 草加市 ）
- 2023-05-22 13:23:00
はじめまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問に回答いたします。
上下抜歯の矯正後におそらくだいぶ出っ歯になってしまっているわけですね。
なかなか後戻りでオーバージェット（上下前歯の前後的距離）が６ｍｍ以上になることはないので、
そこまで出っ歯になってしまったのには理由があると思います。
また、治療法は３つ。上顎遠心移動、上顎２本抜歯、外科的矯正治療です。
まず、後戻りというのは矯正前に歯が戻ろうとしている状態です。
多少、でこぼこしたり、隙間が空いたり、やや出っ歯になることがありますが、
ほとんどの場合は適切にリテーナーを使用していれば崩れることはありません。
６ｍｍも出っ歯になっているとしたら、それは後戻りだけが原因ではありません。
ひとつは、一回目の治療終了時から出っ歯が治っていなかったかもしれません。
最終的に、リラックスした状態で、奥歯も前歯も同時に接触しするのが正しい咬み合わせです。
一回目の治療で出っ歯が治りきっておらず、そもそも前後のずれが残っていたのかもしれません。
また、�教薐楷屮乾爐鯊人僂靴燭蠅垢襪罰椣未里困譴�生じて二態咬合になってしまいます。
二態咬合というのは、質問文にある顎を前に出す癖のことを指し、咬む位置が２ヶ所あることです。
奥歯で咬むと前歯が当たらず、顎を前に出すと前歯が当たる状態で、正常な咬み合わせではありません。
一回目の治療で、二態咬合で終了し、常に前咬みする癖がついていたけれど、
時間とともに前咬みの癖が解消され、本来の顎の位置に戻って、出っ歯になってしまったかもしれません。
もう一つは、下顎が後退していく病気になっているかもしれません。
矯正治療も適切に終了し、その後も後戻りはしていないけれど、骨ごと後退してしまった可能性です。
進行性下顎頭吸収（PCR）というもので、原因不明で、顎の骨が吸収してしまうことがあります。
下顎頭が吸収すると、顎関節に収まっている下顎は後退していきます。
これは誰にでも生じる可能性があり、予防も止めることも出来ません。
大事なのは、今現在も吸収しているのかです。吸収が停止していなければ再矯正できません。
再矯正しても、また吸収すると、また出っ歯になってしまうからです。
なので、進行性下顎頭吸収かどうか、吸収が停止しているかどうかを矯正歯科医師に判断してもらう必要があります。
原因が何であれ、現在かなりの出っ歯であり、前歯が咬んでいないので再矯正は必要でしょう。
方法として、確実なのはやはり外科的矯正治療です。歯を前後に動かす必要がないからです。
前歯の前後のずれを、下顎を前に出すか、上下同時手術で上下顎で治すか。
手術により、一瞬で出っ歯が治りますが、外科手術自体のリスクがあるので注意しましょう。
手術をすること自体のリスクがあり、痛みや食事制限や知覚麻痺や顔の腫れなど、決して楽なものではありません。
入院が必要になるため、入院する時間を作れるかどうかにもよりますし、
骨格全体が動くので、顔立ちがかなり変化してしまいます。
歯だけで治すよりも骨格ごと治す方が変化が大きいので、今の顔立ちを変えたいのでなければ、
治療によってご自身にとって好ましくない顔になる可能性も否めません。
他の方法としては、上顎臼歯の遠心移動が考えられますし、基本的な方針でしょう。
下の歯を前に出すのは不可能（やってもあまり出ない）ので、上の歯を後退させます。
上顎の歯を全体的に後方移動することになりますが、技術的にはなかなか難しいです。
「効果的な遠心移動方法」を技術として引き出しを持っている矯正歯科医師でないと成功しません。
上の親知らずがあるならば抜歯する必要がありますし、治療期間もとてもかかります。
担当医の言うように、どれだけ後退できるかはやってみないとわからないのも本当です。
オーバージェットではなく、臼歯関係（上下の奥歯の前後的位置関係）で見た時に、
上の奥歯の３ｍｍ程度の移動であれば出来ると思いますが、それ以上は困難です。
上顎骨の奥行きがなければ遠心移動も出来ませんし、ＣＴで確認しつつ、やってみないと分かりません。
より確実な方法として、上の歯を２本抜歯するものいいと思います。
通常の抜歯矯正は４本までで、２４本の歯並びにするのが普通ですが、
そもそも今の状態では前歯が咬んでおらず、歯としては２０本も使用できていないと思います。
であるならば、上の歯を追加で２本抜歯し、２２本で全体的に咬みあっている方が、より良い咬み合わせです。
抜歯は４本まで、という通例・常識を取っ払えば、普通に矯正で治せます。
また、上の親知らずが健在であれば、それを使用すれば歯が２本増え、プラマイゼロです。
上の親知らずがあるなら、上の歯2本抜歯（５番か６番）が確実かつ簡単な方法だと思います。
なので、確実に治したい・顔立ちを変えたいのであれば外科的矯正治療を選びましょう。
顔をあまり変えたくない、外科的矯正治療をするのは怖いのであれば、矯正治療単独で改善します。
上の親知らずがあるなら、上の歯２本抜歯で治し、親知らずを使用しましょう。
上の親知らずが無いなら、上の歯の遠心移動をトライしましょう。
上の親知らずが無く、上顎遠心移動が無理・トライして失敗したなら、上の歯２本抜歯で２２本にしましょう。
今の状態から、治療していく選択肢はこのようになると思います。
今の状態から、特に策もなく顎間ゴムだけ治そうとする矯正歯科医師はハズレだと思ってください。
６ｍｍものオーバージェットが顎間ゴムで治すはずないですし、二態咬合が悪化するだけです。
ちゃんと臼歯関係からしっかりと治す方法を提案してくれる矯正歯科医師をみつけ、
相談し、適切に検査・診断を受けたうえで、質問者様が一番納得する方法を選びましょう。
外科的矯正治療を勧めてきた先生が、自院で外科的矯正治療をやっていないのであれば、
それは自分の医院で治療するのが億劫だから丸投げしようとしたのだと思います。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
ご質問に回答いたします。
上下抜歯の矯正後におそらくだいぶ出っ歯になってしまっているわけですね。
なかなか後戻りでオーバージェット（上下前歯の前後的距離）が６ｍｍ以上になることはないので、
そこまで出っ歯になってしまったのには理由があると思います。
また、治療法は３つ。上顎遠心移動、上顎２本抜歯、外科的矯正治療です。
まず、後戻りというのは矯正前に歯が戻ろうとしている状態です。
多少、でこぼこしたり、隙間が空いたり、やや出っ歯になることがありますが、
ほとんどの場合は適切にリテーナーを使用していれば崩れることはありません。
６ｍｍも出っ歯になっているとしたら、それは後戻りだけが原因ではありません。
ひとつは、一回目の治療終了時から出っ歯が治っていなかったかもしれません。
最終的に、リラックスした状態で、奥歯も前歯も同時に接触しするのが正しい咬み合わせです。
一回目の治療で出っ歯が治りきっておらず、そもそも前後のずれが残っていたのかもしれません。
また、�教薐楷屮乾爐鯊人僂靴燭蠅垢襪罰椣未里困譴�生じて二態咬合になってしまいます。
二態咬合というのは、質問文にある顎を前に出す癖のことを指し、咬む位置が２ヶ所あることです。
奥歯で咬むと前歯が当たらず、顎を前に出すと前歯が当たる状態で、正常な咬み合わせではありません。
一回目の治療で、二態咬合で終了し、常に前咬みする癖がついていたけれど、
時間とともに前咬みの癖が解消され、本来の顎の位置に戻って、出っ歯になってしまったかもしれません。
もう一つは、下顎が後退していく病気になっているかもしれません。
矯正治療も適切に終了し、その後も後戻りはしていないけれど、骨ごと後退してしまった可能性です。
進行性下顎頭吸収（PCR）というもので、原因不明で、顎の骨が吸収してしまうことがあります。
下顎頭が吸収すると、顎関節に収まっている下顎は後退していきます。
これは誰にでも生じる可能性があり、予防も止めることも出来ません。
大事なのは、今現在も吸収しているのかです。吸収が停止していなければ再矯正できません。
再矯正しても、また吸収すると、また出っ歯になってしまうからです。
なので、進行性下顎頭吸収かどうか、吸収が停止しているかどうかを矯正歯科医師に判断してもらう必要があります。
原因が何であれ、現在かなりの出っ歯であり、前歯が咬んでいないので再矯正は必要でしょう。
方法として、確実なのはやはり外科的矯正治療です。歯を前後に動かす必要がないからです。
前歯の前後のずれを、下顎を前に出すか、上下同時手術で上下顎で治すか。
手術により、一瞬で出っ歯が治りますが、外科手術自体のリスクがあるので注意しましょう。
手術をすること自体のリスクがあり、痛みや食事制限や知覚麻痺や顔の腫れなど、決して楽なものではありません。
入院が必要になるため、入院する時間を作れるかどうかにもよりますし、
骨格全体が動くので、顔立ちがかなり変化してしまいます。
歯だけで治すよりも骨格ごと治す方が変化が大きいので、今の顔立ちを変えたいのでなければ、
治療によってご自身にとって好ましくない顔になる可能性も否めません。
他の方法としては、上顎臼歯の遠心移動が考えられますし、基本的な方針でしょう。
下の歯を前に出すのは不可能（やってもあまり出ない）ので、上の歯を後退させます。
上顎の歯を全体的に後方移動することになりますが、技術的にはなかなか難しいです。
「効果的な遠心移動方法」を技術として引き出しを持っている矯正歯科医師でないと成功しません。
上の親知らずがあるならば抜歯する必要がありますし、治療期間もとてもかかります。
担当医の言うように、どれだけ後退できるかはやってみないとわからないのも本当です。
オーバージェットではなく、臼歯関係（上下の奥歯の前後的位置関係）で見た時に、
上の奥歯の３ｍｍ程度の移動であれば出来ると思いますが、それ以上は困難です。
上顎骨の奥行きがなければ遠心移動も出来ませんし、ＣＴで確認しつつ、やってみないと分かりません。
より確実な方法として、上の歯を２本抜歯するものいいと思います。
通常の抜歯矯正は４本までで、２４本の歯並びにするのが普通ですが、
そもそも今の状態では前歯が咬んでおらず、歯としては２０本も使用できていないと思います。
であるならば、上の歯を追加で２本抜歯し、２２本で全体的に咬みあっている方が、より良い咬み合わせです。
抜歯は４本まで、という通例・常識を取っ払えば、普通に矯正で治せます。
また、上の親知らずが健在であれば、それを使用すれば歯が２本増え、プラマイゼロです。
上の親知らずがあるなら、上の歯2本抜歯（５番か６番）が確実かつ簡単な方法だと思います。
なので、確実に治したい・顔立ちを変えたいのであれば外科的矯正治療を選びましょう。
顔をあまり変えたくない、外科的矯正治療をするのは怖いのであれば、矯正治療単独で改善します。
上の親知らずがあるなら、上の歯２本抜歯で治し、親知らずを使用しましょう。
上の親知らずが無いなら、上の歯の遠心移動をトライしましょう。
上の親知らずが無く、上顎遠心移動が無理・トライして失敗したなら、上の歯２本抜歯で２２本にしましょう。
今の状態から、治療していく選択肢はこのようになると思います。
今の状態から、特に策もなく顎間ゴムだけ治そうとする矯正歯科医師はハズレだと思ってください。
６ｍｍものオーバージェットが顎間ゴムで治すはずないですし、二態咬合が悪化するだけです。
ちゃんと臼歯関係からしっかりと治す方法を提案してくれる矯正歯科医師をみつけ、
相談し、適切に検査・診断を受けたうえで、質問者様が一番納得する方法を選びましょう。
外科的矯正治療を勧めてきた先生が、自院で外科的矯正治療をやっていないのであれば、
それは自分の医院で治療するのが億劫だから丸投げしようとしたのだと思います。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
