ミルクキャラメルさんの相談
インビザラインとワイヤー矯正について
初めまして。出っ歯が悩みで矯正を検討しています。現在何軒か矯正専門歯科に相談に行き、うちの一軒で精密検査をうけています。(あまり言うと医院がばれそうなのですが、精密検査をうけたところは矯正専門医かつ指導医で、インビザラインの資格ももっており、また、外科矯正もできるところです。)
職業上、目立たない矯正を希望しており、インビザラインもしくは舌側矯正にしようと考えています。
どこの医院でも、上下4番の抜歯で、舌側矯正でもインビザラインでも仕上がりは変わりない、と言われました。外科矯正は適応外なようでした。
そこで、費用的な面からインビザラインにしようと思ったのですが、SNSで、出っ歯に対するインビザラインを積極的に否定されてる方がいました。
その方によると、インビザラインは平行移動が難しく傾斜移動だから骨格的な出っ歯は治せない、抜歯症例はとくに傾斜移動だから口ゴボには意味がない、というようなことをおっしゃられていました。また、臼歯の圧下などができないからあまり変化がない、というようなこともおっしゃられていました。アンカースクリューとワイヤー矯正が一番だと。
一方で、精密検査をしていただいた先生には、出っ歯でもインビザラインで治るし、私の場合はワイヤーでやっても変わりない、と言われています。また、ネットで調べてみると、最近はインビザラインも抜歯症例に適応しており、また、臼歯の圧下も可能だということが書かれていました。
セファロ分析の結果ですが、独学なので間違った解釈もあるかもしれないですが、SNAは平均-1くらい、SNBは平均-6くらい、ANBが平均+5くらいで、骨格的に上顎前突なのではなく下顎後退による相対的な上顎前突なのではないかとおもいました。(もちろんこれだけで判断できるものではないことは承知しています。)また、U1toFHも大きいので、歯槽性の出っ歯でもあるとおもいます。ちなみに下顎の歯も唇側に傾斜しています。
ここから少しでもEラインを整えるには、出っ歯を直して上顎を引っ込める、もしくは下顎をオートローテーションさせて出すかではないかとおもっていますが、オートローテーションにはアンカースクリューによる圧下がよく用いられると見ました。(他にも方法があればご教授願いたいです。)
長くなりましてすみません。実際のところインビザライン矯正の現在はどうなのか、私のような歯には適応できるのか、というのが気になっています。インビザラインの矯正も行なっている方がいらっしゃればご回答願いたいです。
また、インビザラインは平行移動ができないのに、ワイヤーだと平行移動ができる、という理由がイマイチ理解できません。かかる力のちがいでしょうか。
インビザラインとワイヤー矯正の違いについて(メリットデメリットとかではなく、動かし方や適応などについて)、いろんな方の知見を知りたいと思いました。
お忙しいと思いますがご回答いただければとおもいます。
- 医療法人愛美会 アイ矯正歯科クリニック
- ( 神奈川県 横浜市鶴見区 )
- 2019-06-25 19:19:00
マウスピース様の装置をアライナーと総称させてください。色々な工夫をしているようですが、私は使用していません。理由は装置による制約を受ける事、実際には歯型を取り、送り、そして装置が届きセットする。というのが基本です。術者はそれほど関与しません。作ってる人は患者様に会った事がありません。これが最大の欠点です。実際に会う事によって得られる事もあります。それに対してリンガルブラケットは内側に歯を移動するのを得意にしています。私はリンガルブラケットでの治療をお勧めします。
下顎骨の後退による上顎前突は日本人に大変多いです。骨格的な変化は外科矯正以外は期待しない方がよいでしょう。適応症でなければ外科矯正は必要ないという事です。
成人の患者様は歯の移動での改善になります。ブラケットを使用した矯正治療をお勧めします。
治療が成功する事を祈っています。
- ミルクキャラメル(24歳 女性 会社員 )
- 2019年06月26日15時25分
ご回答ありがとうございます。興味でしかないわたしの質問にとても親切なご回答で嬉しく思います。
最終的には、リンガルブラケット(値段的に下は表にするかもしれませんが…)にしようと思ってはいます。
興味本位で色々調べていたのですが、リンガルブラケット、表でのワイヤー矯正、インビザラインの動かし方の違いがいまいちわりません…
よく、リンガルブラケットは出っ歯など内側に移動させるのが得意、インビザラインは遠心移動は得意だが平行移動が難しい、などということを聞きますが、ワイヤーを勧める医院ではワイヤーのメリットばかり、インビザラインを勧める医院ではインビザラインのメリットばかりが書かれており、バイアスのかかった状態でしか情報が集められなく困っています。力のかかり方などの違いはどこで調べれば良いのでしょうか。
そうなのですね。よく、アンカースクリューで上顎を下げて下顎を出すことができる、と言っている方もいますが、これもあまり期待しないほうがいいのでしょうか。
お手隙で構いませんので、ご返答頂けると嬉しいです。
- 医療法人愛美会 アイ矯正歯科クリニック
- ( 神奈川県 横浜市鶴見区 )
- 2019年06月26日15時48分
商品名は書きません。アライナーとさせてください。これは結局はマウスピース様の装置で少しづつ動かしたい方向にずれた物をはめていくだけです。製品なので会社名が同じなら基本的には同じです。難症例は無理です。また以前は抜歯を必要とするような症例はできなかったと思います。自由度は少ないです。
リンガルブラケットは1970年代から日本にあります。普及しなかったですね。教育機関でこれをメインにしている大学がない事と高い治療技術が必要です。そのために実際に治療が可能な医院は少ないです。症例をじっくり見れせてもらってください。リンガルブラケットの得意な症例は上顎前突(出っ歯)、上下顎前突、叢生です。歯を内側に移動するのは得意です。理由ですが矯正力は歯の裏側に加わります。そこで歯を内側に移動させることには適しています。文章では説明が難しいです。絵を描けばすぐに理解して頂けます。
リンガルブラケットを得意にしている歯科医院はアライナーを使用する必要はありません。私どもは使用していません。必要ありません。見えないという事ではリンガルブラケットがあれば十分だからです。逆もあると思います。私どもはしっかり治療時間をとって治療します。アライナーは基本的には装着するだけです。患者様はなるべく長い時間装着する必要があります。リンガルブラケットは患者様は取り外しできません。
ちなみに私どもは下が表、上が裏というのもおこなっていません。理由は見えるからです。さらに矯正力を加える部分が表と裏で違うのがやりにくいです。
絵を描けばよく理解していただけると思いますが文章では難しいです。その歯科医院でミルクキャラメ様と同じような治療例を見せて頂くのがもっとも説得力があります。
治療が成功する事を祈っています。