りょうとさんの相談

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扁桃炎摘出術

扁桃炎摘出手術1週間全身麻酔で入院する際にオペ当日は全て装置外してほしいとオペ担当から言われました。
●扁桃炎摘出術式は電気メスで金属が厳しいのと
口を大きく開ける機械を入れるので装置が当たる可能性がある。オペ担当の意見です。退院1週間後にまた装置装着して問題ないそうです。年7回も扁桃炎にかかってるので、前も装置装着前に扁桃炎なり装置装着が3週間も遅れてしまった経過があります。扁桃炎摘出すると扁桃炎にならないメリットがあります。
◆矯正歯科医に相談しましたら「なんで全部外さないといけない明確な理由が欲しい。耳鼻科の先生に言ってみてください。取り外すのにお金かかるので、銀ワイヤーとクリアブラケット全て取ると壊れて買い替えになるので妥協して奥歯バンドは再利用できるけど、扁桃炎摘出で歯は関係ない。外すと全く想定していない。恐らく、耳鼻科の先生は術中に当たると責任から全て外してって言ってると推測するが矯正歯科の事も考えて欲しい」矯正歯科の意見です。
★自分自身は矯正歯科を優先したいですがどう言ったらオペ担当は歯列装着のままオペ許可してもらえるでしょうか?

全身麻酔を要する手術では、医科側から矯正装置を外すようにと言われるのはごく一般的なことです。僕のクリニックでは、このような場合に備えて費用設定を行っており、実際に術前に全ての矯正装置を外し、術後に再設置をするという流れで処置を行っております。

患者さん側が費用や手間の面でどうしても装置を外したくないのであれば、医科側にその旨をお伝え頂きリスクに関しては同意書に署名をして進めるのが良いのではないでしょうか。
はじめまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えいたします。

扁桃腺の摘出手術前に矯正装置を外すべきか否かで医師と矯正歯科医師で意見が割れているということですね。
矯正歯科医師側の気持ちはよくわかりますが、医師側にもそれなりの理由があるはずです。

先に矯正歯科医師側の意見ですが、装置を外すこと自体は簡単なお話です。
外した装置は再利用が出来ないので全部つけ直しになります。
その材料費を歯科医院側が負担するとなると単純に損失になるので嫌がる理由にもなるでしょう。
患者さん側に請求するとなれば歯科医院側は損をしておらず、手間がかかるだけになります。
ちなみに当院では、成人式や結婚式などの個人的理由の場合は材料費を患者さん負担に、
歯科治療や医師からの要請の場合は歯科医院側が材料費を負担する形にしています。
また、一度装置を外してすぐにつけ直しても、まったく同じ位置に装置をつけるのは困難です。
ワイヤーを細いものに切り替えて立て直しをすることになり、治療期間が1〜3ヶ月ほど延長します。
矯正歯科医師側の都合としては、担当の先生の態度が示すように不要ならば装置を外したくないのが本音です。

専門ではないので想像になりますが、扁桃腺手術を担当する医師の意見としては安全性を考慮してでしょう。
扁桃腺の手術は口腔内からアプローチすることになりますが、処置中に矯正器具が外れてしまう可能性があります。
普通であれば外れた器具は口の外にペッと吐き出すか、飲み込んで消化器官を経て排泄されます。
全身麻酔下なので患者さんの意思で吐き出すことは出来ず、気管の方に落ちていってしまうかもしれません。
誤飲と違って誤嚥はとても重大なミスになるので、その可能性を可能な限りゼロにしたいのでしょう。
また、可能性は低いと思いますが、傷口の中に入り込んでしまう可能性もゼロでは無いでしょう。
もう一つ考えられるのは感染予防ではないでしょうか。術後は歯磨きが出来る状態ではないかもしれません。
矯正器具が着いていると汚れが溜まりやすくなり、どうしても不衛生な状態になります。
手術部位と矯正器具が近いので、術後感染のリスクを少しでも下げるために装置を外して欲しいのかもしれません。

双方に、外したくない理由と外して欲しい理由がありますので、意見が合わないのでしょう。
ただ、矯正歯科医師側の気持ちを代弁すると、「本当に外す必要が無いのに外せと言ってくる医者」がおり、
矯正歯科医師側の都合も考えずにとりあえず外せと言われることがたまにあり、態度が硬化しているのかもしれません。
よくあるのがMRIを取るから器具を外せと言われるパターンですが、磁力に影響は無いので外す必要はないです。
頭頚部のMRI撮影では撮影した画像が金属のせいで荒れてしまうのでわかりますが、腹部の撮影でも言われたりします。
また、銀歯が入っている人には外せとは言わないのに矯正器具だけ安易に外せと言われてしまいます。
当院でも年に何回か矯正装置を外せと医師に言われますが、納得いかない時は外しませんと医師に伝えます。

この問題は、質問者様が板挟みになっているので医師側も矯正歯科医師側も好き放題に行っています。
医師間で直接やり取りをすれば一瞬で解決しますので、依頼状を書いてもらいましょう。
医師が〇〇と言っているので矯正歯科医師に〇〇をさせるでもなく、
矯正歯科医師が××と言っているので医師に××をさせるでもなく、
ちゃんと形になる文書にして、専門家同士で意見を交わすべき問題であり、そこに責任が発生します。
流れとしては、医師に事情を説明したうえで、矯正歯科医師に正式に矯正器具を外す依頼状を用意してもらいましょう。
その手紙を見ても矯正歯科医師が同意しない場合は医師間で電話してやり取りしてもらいましょう。
どっちかが折れれば解決しますし、患者さんが間に入ると責任がぼやけてしまいます。

以上を、ご質問への回答とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

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