ケイミーさんの相談

カテゴリ:治療の開始時期

両側犬歯埋伏

3・5番目乳歯残存あり、両側犬歯奥深くに埋伏しており、たまたまレントゲンを撮ったときに発見できた。自覚症状なし、他の歯への影響は今のところなし。
相談検査をした。1月10日再診、治療方針相談する予定。犬歯がほぼ真横に埋伏しており、牽引か抜歯か。タイミングをみて3番乳歯を抜歯して埋伏犬歯に動きがなければ抜歯になるのか、牽引出来たとしても大人矯正をする場合上下2本抜歯は勧められたので、結局抜歯するのであれば埋伏犬歯を抜歯して矯正をしたほうが本人の負担は減るのか。11歳になったばかりなので、どのような治療方針が良いのか。
知り合いの矯正の女医さんは埋伏犬歯を抜歯しても問題なく矯正できると言われましたが。
時間掛かったとしても埋伏犬歯は牽引を試みる方が優先的でしょうか?

※一部内容を修正・割愛しました(運営部)

とても整理されたご相談内容で、判断に迷われるのは当然だと思います。
11歳という年齢を踏まえた、矯正専門医としての一般的な考え方をお伝えします。

結論から言うと、11歳であれば埋伏犬歯の牽引を一度は試す価値があります。ただし、今回のように犬歯がほぼ真横に埋伏している場合、牽引の成功率は決して高くはなく、途中で抜歯に切り替わる可能性も十分あります。そのため「まず牽引を試し、一定期間で判断する」という段階的な方針が現実的です。

まず年齢についてですが、11歳は骨が柔らかく歯の反応も良いため、埋伏犬歯牽引の成功率が最も高い時期です。この年齢であれば、試みずに最初から抜歯してしまうのはやや早いと考える先生が多いです。

次に埋伏位置についてです。犬歯がほぼ真横という所見は、牽引できるケースもありますが、全く動かないことも珍しくありません。レントゲンやCTで、犬歯の位置、根の完成度、周囲歯根との距離を詳細に評価したうえで、成功可能性を見極める必要があります。

将来の矯正計画との関係も重要です。すでに将来的に上下2本の抜歯矯正が勧められている場合、最終的に歯を減らすことが前提になる可能性が高いため、無理をして埋伏犬歯を牽引するメリットは相対的に小さくなります。一方で、非抜歯や抜歯本数を減らせる可能性を残したいのであれば、牽引を試す意義はあります。

よく選ばれる方針としては、まず3番乳歯を抜歯し、一定期間経過観察を行い、自然萌出や位置変化が見られなければ外科的牽引を検討するという流れです。この方法は選択肢を残せる反面、治療期間が延び、途中で抜歯に切り替わる可能性があります。

もう一つの選択肢は、最初から埋伏犬歯を抜歯し、矯正治療を進める方法です。治療はシンプルで本人の負担も軽くなりますが、犬歯を使った咬合を作る可能性はなくなります。将来の抜歯矯正がほぼ確定している場合には、合理的な選択とも言えます。

埋伏犬歯は必ず牽引すべきかという点については、最優先ではありません。ただし、11歳であれば一度は挑戦する価値があり、その代わりに動きが悪ければ深追いせず、早めに方針転換することが重要です。

次回の再診では、牽引を試す場合、どのくらいの期間で可否を判断するのか、牽引が難しかった場合の次の選択肢は何か、この2点を具体的に確認されると良いと思います。

ここまでしっかり考えていらっしゃるので、どの方針を選んでも大きな間違いにはなりません。納得できる説明を受けたうえで決めてくださいね。
  • ケイミー(11歳 女性 )
  • 2026年01月06日13時59分
お忙しい中分かりやすいご返答ありがとうございます。犬歯を抜歯すると咬合ができなくなるのですか?
レントゲンとCT画像が手元にあるのですが、そのサイトだと添付はできないですよね。
こちらこそ、丁寧に読んでいただきありがとうございます。

まずご質問の「犬歯を抜歯すると咬合ができなくなるのか」についてです。
結論から言うと、犬歯を抜歯しても咬合自体ができなくなるわけではありません。

犬歯は本来、噛み合わせの中でとても重要な歯で、特に横に顎を動かしたときに他の歯を守る「犬歯誘導」という役割を担っています。そのため理想論としては、犬歯は残せるなら残した方が良い歯です。

ただし、埋伏犬歯を抜歯した場合でも、
・第一小臼歯(4番)を犬歯の代わりとして形や位置を調整する
・矯正で噛み合わせを再構築する
ことで、機能的にも見た目にも問題のない咬合を作ることは十分可能です。

実際、先天的に犬歯が欠損している方や、埋伏犬歯を抜歯して矯正している方も多く、日常生活で噛めない、壊れやすいといった問題が必ず起こるわけではありません。
つまり「犬歯を抜く=噛めなくなる」ではなく、「設計次第で問題なく噛める」というのが現実的な答えになります。

次に画像についてですが、
このサイトではレントゲンやCT画像を添付して共有していただくことができません。
お手元に画像があっても、こちらで直接拝見することはできない形になります。

ただし、その画像を見ながら主治医の先生に
・犬歯の角度
・歯根の完成度
・隣の歯との距離
・牽引できる可能性と判断基準
を具体的に説明してもらうことが、今回のケースではとても重要です。

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