sakura44さん（神奈川県）の相談

カテゴリ：装置・治療法

骨格性の受け口

投稿者 sakura44 さん　［39才女性主婦］ 2014/03/22/ 19:18
カテゴリー小児矯正装置・治療法治療前

小学1年生の子です。骨格性の受け口で、横方向にかなりのずれもあります(下顎)。3件の矯正歯科に見てもらいました。

1件目
今は矯正せず、18才で手術。

2件目
・今は矯正せず、18才で手術。または、
・下顎の成長を抑制する装置を使う+必要なら18才で手術

3件目
・舌小帯が短いので切る+上顎急速拡大装置を使う+必要なら18才位で手術(下顎の成長を抑制する装置はあまり効果がないので使用しない。)

それぞれ上記のような方針でした。女の子なので思春期に見た目の歪みがひどくなるのが気になるのですが、
・下顎の成長を抑制する装置は、現在、本当に効果がないとされているのでしょうか?
・もし効果がある場合、左右のずれに対する効果もありますか?
・上顎急速拡大装置は、横方向に広がるようですが、受け口の改善にもなるのでしょうか?

こちらにご登録の医者様では、低学年の子でかなりの骨格性反対咬合と横方向のずれがある場合、どのような方針をとられますでしょうか?アドバイスをいただけると嬉しいです。

常盤矯正歯科医院
（東京都新宿区）
2014年03月26日02時40分

Sakura44様

お嬢様の骨格性反対咬合と横方向のずれに関するご質問ですね。
実際に症状を拝見していないのでこれだけの情報では残念ながら正確にお答えする事は困難ですが、一般論としてお答えしたいと思います。
まず、ご質問の下顎の成長抑制装置の効果についてですが、現在文献的には、国内では１編だけ効果があるというものがありますが、他は効果がないというのが主流です。私も一時的に下顎の位置の修正や成長方向の変化を与える為に使う事はありますが、積極的に成長抑制の為に使用する事はほとんどありません。また、左右のずれに対しても、構造上効果はほとんどないと考えられます。
　受け口と横方向のずれ（側方偏位）は分けて考える必要があります。側方偏位は、主に上顎の歯列狭窄（横幅が狭い）が原因となる事が多く、上顎歯列の幅を改善する為に上顎急速拡大装置等が用いられます。
　骨格性反対咬合で側方偏位がある症例では、①将来的な外科手術を避ける事を目的に成長期のコントロールを行う方法と②手を付けず18歳以降に外科手術による対応をするという２つの方法に分けられます。３軒の先生方もそれぞれのお考えで対応されたようですが、いずれも決して間違いとは言い切れません。個々の症例によっても異なりますし、ご本人を含めご家族のお考えによっても対応は異なってくると思います。最終的には精密検査を行い、症状を把握した上で慎重にそれぞれの対応法のメリット、デメリットを考えて判断する必要があるでしょう。
　以下は私見であり状態にもよりますが、私は自分が親であったなら出来れば手術は避けたいと思いますので、２軒目3軒目の先生のように成長期のコントロールを行いたいと思います。その後の経過で必要であるならば手術への移行も考えると思います。
残念ながら現在の医療技術ではお子さんの将来の状態や治療に対する反応を予測する事は困難です。この点は十分にご理解頂き、信頼できる矯正医とそれぞれの局面でしっかりと相談しながら治療を進める事をお勧めします。
非常に難しい問題であり、十分なお答えになっていないかも知れませんが、ご参考になれば幸いです。