2番の抜歯について

二重歯列で1番2番が完全に重なり、
正中が歯一本分ずれています。

カウンセリングに数件行きましたが、
見解がバラバラです。
どちらの方針の先生を選んだらいいのか悩んでおります。
アドバイスいただきたいです。

��2番抜歯
→期間短く他の歯への負担も少ない。3番を2番に持ってくるので形の違和感は削るなどで対応可能。

��4番抜歯
→3番を抜くと審美的に問題出るので4番で行う。

はじめまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。


正中がずれている二重歯列ということは、2番が引っ込んでいるのは片方だけということですね。
抜歯矯正の方針で、おそらく上下左右で合計4本抜歯の方針になっているのではないでしょうか。
(奥歯の位置関係や歯の正中や口元によって抜歯本数は1本・2本・3本・4本の可能性もあります)
抜歯によってスペースを生み出し、でこぼこを改善しますが、抜歯部位も状況によって変えます。

まず、セオリーは4番抜歯であり、9割以上は4番(もしくは5番)を抜歯します。
ただ、1割未満のケースでは4番以外を抜歯することもあり、それが質問者様かもしれません。
基本的な考え方として、一番価値が低いのが4番(第一小臼歯)だから4番を抜歯します。
6番7番の大臼歯は咬む力を負担するため重要な歯ですし、1番2番の前歯と3番の犬歯は見た目に影響します。
4番5番の小臼歯は相対的に見て価値が低く、前方部にスペースが欲しい場合が多いので消去法で4番抜歯となります。
奥歯の位置関係や前歯の正中がずれている場合、4番ではなく5番を抜歯した方が治しやすいこともあります。

ただ、4番よりも価値が低い歯がある場合はそちらを抜歯することもあります。
例えば、神経が死んでいる、歯根が短い、歯が異常に小さい、歯肉が下がっているなどです。
健康な4番と不健康な他の歯を天秤に載せ、矯正後の口腔内を考えて不要な方を抜歯します。
また、骨性癒着して動かない歯は必然的に抜歯となってしまいます。
治療期間の短縮のため、内側に引っ込んでいる2番や外側に飛び出している3番を抜歯することもあります。
患者様がなるべく早く治療を終えたいと考えている場合、でこぼこの強い歯を選択して抜歯する選択もあります。
なので、質問者様の歯の状態や希望、歯科医師の考え方などで抜歯部位や本数は変わります。
どのプランが良いかは担当医と話し合い、納得したうえで治療を進めていくべきでしょう。

3番抜歯の場合、前歯が1→2→4と並びます。
3番と4番の外から見た形はそこまで変わらないので、4番が削れていない限り見た目がおかしくなることは無いと思います。
4番は咬頭が頬側と舌側に2つあり、舌側咬頭が咬み合わせに干渉する場合は削って調整します。
ただ、犬歯(特に上顎)は最も寿命が長く、歯根も長く、咬み合わせにも重要な歯なので、特に理由が無い場合は残します。
神経が死んでいる、歯肉が著しく下がっている、骨性癒着をしているなど、価値が低いと判断されれば抜歯します。
多くの場合、3番が飛び出していても4番を抜けばすぐ3番は移動するので、3番を抜いてもあまり時短にはなりません。

2番抜歯の場合、前歯が1→3→4と並びます。
1番の隣に3番があると見た目が変なので、3番の先端を削って2番のように見えるようにします。
3本目に4番が来るので、上記の3番抜歯同様に4番の舌側咬頭を削ります。
2番が神経が死んでいる、矮小歯(かなり歯が小さい)、治療期間を短くしたい場合は2番を抜歯します。
内側に引っ込んでいる2番を前に移動させるのは時間がかかることもあり、状態によっては時短になります。

1番抜歯の場合、前歯が2→3→4と並びます。
上記のように、3番の先端を削り、4番の舌側咬頭を削って調整が必要になります。
2番が真ん中にあると小さくて見た目が良くないので、矯正後にセラミックを被せて1番に見えるようにします。
1番が折れていたり骨性癒着をしていて抜歯せざるを得ない場合に1番抜歯を選択することも稀にあります。
その際、前歯が無いと矯正中の見た目が良くないので、隣の歯に仮歯を接着して変じゃないようにします。

4番または5番抜歯がセオリーですが、状況によって他の歯を抜歯する方がメリットがある場合もあります。
ネットでは4番を4本抜歯するものと書いてある場合が多いですが、それは一般論でありケースバイケースです。
6本抜歯したり、前歯や奥歯を抜歯したり、親知らずを使ったりと、イレギュラーな治療法も存在します。
そして、抜歯部位・本数の選択は、担当する矯正歯科医師の思想や知識・経験によって変わります。
確固たる信念があって4番以外抜歯しない先生もいますし、知識が無さ過ぎて4番しか選択しない先生もいます。
4番以外を抜歯した方が理があると判断出来る先生もいますし、経験もなく適当に4番以外を抜歯する先生もいます。

2番を抜いても4番を抜いても治療結果に大きな影響が出ない場合もありますが、
4番抜歯が不正解であるケースもあるので、抜歯=4番という固定観念は歯科医師側も患者様側も持つべきではありません。
4番抜歯した方が簡単な場合もあれば、4番抜歯の方が難しくなる場合もあり、患者様ごとに異なります。
4番5番以外の抜歯は咬み合わせを成立させるためのテクニックが必要なので、経験ある先生の方が良いでしょう。
すべては質問者様の口腔内を見た矯正歯科医師しか適切な判断は出来ません。
プランではなく、信頼できる先生かどうかで歯科医師を選び、その先生と話し合って納得がいくプランを選びましょう。

以上を、ご質問への回答とさせていただきます。よろしくお願いいたします。