裏側矯正の値段相場はいくら?内訳や料金を安くする5つの方法も解説

裏側矯正 値段

「歯並び(噛み合わせ)を改善するために矯正治療を受けることを検討しているが、歯に付けたブラケットなどの矯正装置が目立つのが嫌で悩んでいる。矯正装置が目立たない裏側矯正に興味があるが、どれくらいの費用が必要になるの?」そんな疑問をお持ちの方も、いらっしゃるかもしれません。

裏側矯正の費用は、表側矯正に比べ高くなりやすい傾向です。今回、裏側矯正の治療費の相場と費用の内訳、治療費が高額になりやすい3つの理由、治療費を抑える5つの手段、裏側矯正のメリットとデメリットを解説します。

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. 記事のポイント3つ
  2. 裏側矯正の値段相場はいくら?
  3. 裏側矯正の費用の内訳は?
  4. カウンセリング料
  5. 精密検査・診断料
  6. 矯正装置代
  7. 調整料
  8. リテーナー代
  9. 保定観察料
  10. 裏側矯正の値段が高額になる理由は3つ
  11. ①矯正装置がオーダーメイドだから
  12. ②1回あたりの治療に時間がかかるから
  13. ③高い技術が求められるから
  14. 裏側矯正の料金を安くする5つの方法
  15. ①トータルフィーシステムを導入している歯科医院を選ぶ
  16. ②ハーフリンガル矯正や部分矯正を検討してみる
  17. ③食事内容や通院頻度を厳守する
  18. ④医療費控除(いりょうひこうじょ)を申請する
  19. ⑤モニターを募集している歯科医院を選ぶ
  20. 裏側矯正の3つのメリットとは?
  21. メリット①矯正装置が目立ちにくい
  22. メリット②虫歯になりにくい
  23. メリット③舌癖(ぜつへき)の改善に役立つ
  24. 裏側矯正の3つのデメリットとは?
  25. デメリット①料金が高額になる
  26. デメリット②話しづらくなる
  27. デメリット③歯磨きがしにくくなる
  28. 裏側矯正の治療期間と通院頻度
  29. まとめ

記事のポイント3つ

裏側矯正 値段

・裏側矯正の費用相場は全体矯正で100~180万円、部分矯正で40~100万円程度。(※自由診療のため、治療費は歯科医院によって異なります)
・オーダーメイドで高い技術が必要なため、治療費が高額になりやすい。
・トータルフィー制度や医療費控除、モニター治療で費用を抑えられる可能性がある。

裏側矯正の値段相場はいくら?

裏側矯正の値段相場は100~180万円程度です。全部の歯が対象の「全体矯正」の場合、裏側矯正の費用相場は100~180万円程度となります。一方、前歯のみの「部分矯正」の場合、必要費用の相場は40~100万円前後になります。

ちなみに、表側矯正の場合、裏側矯正よりも治療費が安くなり、全体矯正の場合は60~130万円、部分矯正の場合は30~60万円程度が相場となります。マウスピース矯正の場合はさらに必要な金額が少なくなることが多く、全体矯正の場合は60~100万円、部分矯正の場合は10~40万円程度が相場となっています。

2025年8月 株式会社メディカルネット調べ

裏側矯正の費用の内訳は?

裏側矯正 値段

裏側矯正の治療費は自由診療のため、クリニックにより大きく異なります。裏側矯正の費用の内訳を6つ紹介します。

カウンセリング料

矯正治療前に、患者さんの現在の歯の状態を確認し、患者さんの矯正治療への希望を確認するために、カウンセリングの必要があります。カウンセリング料金は歯科医院によって異なり、無料で受けられる医院もあれば、3千円~1万円程度のお金額がかかる場合もあります。

2025年8月 株式会社メディカルネット調べ

精密検査・診断料

カウンセリングに加えて精密検査、レントゲン撮影や歯型採得を行います。顔面骨格や歯の状態を確認します。虫歯や歯周病があれば、1~5万円ほどの治療費が追加で必要になる可能性が高いです。

さらに、精密検査の結果を参考にし矯正シミュレーションを機械で作る場合、診断料として1~5万円程度の支払いが必要になるかもしれません。

2025年8月 株式会社メディカルネット調べ

矯正装置代

矯正装置の費用は、矯正方法などで異なります。裏側矯正の場合、治療難易度が高く、装置の製作費もやや高額になる傾向のため、費用相場も上昇し、80~160万円程度の値段が目安です。

2025年8月 株式会社メディカルネット調べ

調整料

歯列矯正の期間中は、定期的に歯科医院に足を運び、矯正装置の調整が不可欠です。1回の通院での調整費は3千円~1万円前後で、1カ月に1回、1~3年の通院を仮定すると、矯正治療期間にで必要となる調整料の合計は、10~30万円ほどになると考えられます。

2025年8月 株式会社メディカルネット調べ

リテーナー代

矯正治療の完了後、歯が元の位置に後戻りすることがないよう、「リテーナー」と呼ばれる矯正した歯並びを維持する装置を装着します。リテーナーの費用はタイプによって異なり、マウスピース型の場合は1~2万円、ワイヤー型の場合は2~4万円、プレート型の場合は2~6万円程度が相場となります。

2025年8月 株式会社メディカルネット調べ

保定観察料

矯正治療の完了後は、リテーナーの使用と並行して、歯科医院へ定期的に足を運んでチェックしてもらうこと(保定観察)が重要になります。保定観察には1度につき3千~5千円ほどの費用が必要になり、1~2年程度、数カ月から半年に1回程度のペースで歯科医院に通います。保定観察料の合計金額はおよそ2万円前後と見込んでよいでしょう。

2025年8月 株式会社メディカルネット調べ

裏側矯正の値段が高額になる理由は3つ

裏側矯正が高額になりやすい理由は、大きく分けて3つあります。

①矯正装置がオーダーメイドだから

裏側矯正の装置を作る場合、患者さんごとに歯の裏側の形状に合わせてオーダーメイドの装置を作る必要があります。個々人に合わせたオーダーメイドのため、装置費用もそれだけ高額になります。

②1回あたりの治療に時間がかかるから

裏側矯正の際、当然ながら歯の裏側に矯正装置を装着する必要があります。装置が見えにくくなるため、装着には表側矯正よりも繊細な作業が要求されます。

③高い技術が求められるから

見えにくい歯の裏側に矯正装置が付くため、正確に装置を装着する必要があります。加えて、歯の裏側のワイヤー調整の際にも高い技術が必要となるため、治療難易度が高くなり、治療費も高額になります。

→裏側矯正にかかる主な費用や、少しでも治療費用を抑えるためのポイントは『裏側矯正の費用が表側矯正と比べて高いのはナゼ?』の記事をご覧ください。

裏側矯正の料金を安くする5つの方法

裏側矯正の治療費は高くなりやすいですが、料金を安くする手段はあります。患者さんの金銭的負担を減らすための具体例は、以下の5つです。

①トータルフィーシステムを導入している歯科医院を選ぶ

トータルフィーシステムとは、治療開始前に治療費総額提示・支払い制度です。

対応しているか否かは歯科医院によって異なりますが、治療に入ってからは基本的に何があっても治療費の総額が変わることはないため、通院回数の増加やトラブルが発生したとしても、追加費用は生じにくいです。

②ハーフリンガル矯正や部分矯正を検討してみる

ハーフリンガル矯正とは、上の歯に裏側矯正を、下の歯に表側矯正をする治療法です。上は歯の表側に装置が装着されるため、上下の裏側矯正よりも費用を安く抑えられます。

また、歯列全体を矯正する必要がない程度であれば、部分矯正を選択することで、より費用を抑えられます。

③食事内容や通院頻度を厳守する

通院回数が多くなると、それだけ治療費も増えます。担当医から指示された食事内容を厳守し、通院日を守り、お口の中の衛生状態を良好に保てば、通院回数が増えなくなることにつながります。

④医療費控除(いりょうひこうじょ)を申請する

1年間に支払った医療費の合計が一定額(原則10万円)を上回った時、確定申告の医療費控除による所得控除を受けられます。

審美面の改善が治療目的の場合、控除対象になりません。噛み合わせ改善など、治療目的によっては医療費控除の対象となるため、分からない場合は担当医に確認してみましょう。

→医療費控除のある確定申告とは具体的にどのような制度なのか、歯科矯正の費用はそもそも医療費控除の対象になるのかについては『歯科矯正は医療費控除を使える?条件や対象になる費用を解説』の記事をご覧ください。

⑤モニターを募集している歯科医院を選ぶ

歯科医院によっては、矯正治療のモニター募集を行っています。モニター治療の場合、治療経過を歯科医院のホームページやSNSへの掲載を条件に、割引価格で治療を受けられます。

ただし、顔写真や氏名も掲載されることがあるので、事前に掲載内容を詳しく確認しましょう。

裏側矯正の3つのメリットとは?

裏側矯正による3種類のメリットを詳しく紹介します。

メリット①矯正装置が目立ちにくい

裏側矯正では歯の裏側に矯正装置が装着され、外から見て矯正装置が目立ちにくいです。矯正治療で審美面を特に重視している患者さんや、接客業などの業種に就いている患者さんに、裏側矯正は非常に魅力的な選択肢でしょう。

メリット②虫歯になりにくい

裏側矯正では歯の表側に矯正装置が付かないため、歯や装置の間の磨き残しの可能性を避けることができます。

歯の裏側は唾液の循環が良いため、裏側矯正のほうが表側矯正よりも虫歯リスクは低下すると考えられています。

メリット③舌癖(ぜつへき)の改善に役立つ

舌で歯の裏側を押したりする癖がある場合、歯並びが乱れるリスクが上昇します。裏側矯正では歯の裏側の矯正装置が装着され、舌で歯の裏側を押す癖が解消される方向に働きがけ、歯並び悪化リスクも軽減します。

裏側矯正の3つのデメリットとは?

裏側矯正はメリットとデメリットがあります。裏側矯正のデメリットは、以下の3つです。

デメリット①料金が高額になる

裏側矯正では矯正装置を歯の裏側に装着するため、表側矯正に比べて高度な技術が要求され、治療時間も長くなりやすいです。それによって、治療コストも上がることになるため、治療費もより高額になりやすいです。

→矯正治療の金銭的負担を軽減できるデンタルローンについては『矯正歯科はデンタルローンで分割払いできる?デメリットも把握しよう』の記事をご覧ください。

デメリット②話しづらくなる

個人差があるものの、裏側矯正によって一時的に話しづらくなることがあります。
歯の裏側に矯正装置が装着されていると、発音時に舌が装置に当たりやすいです。慣れると装置が気にならなくなるケースが多いですが、特に治療を始めた直後は、滑舌が悪化し喋りづらくなる可能性が高い点には注意が必要です。

デメリット③歯磨きがしにくくなる

裏側矯正はワイヤー矯正の一種で、歯磨きの際に装置を取り外すことはできません。そのため、歯と装置の間に磨き残しができやすく、ワイヤーの周りに磨き残しが発生しやすくなったりと、歯磨きの難易度は大きく上昇します。

裏側矯正の治療期間と通院頻度

裏側矯正の治療期間や通院頻度は、患者さんの症状や歯列の状態、抜歯するか否かによって変わってきます。

一般的に、治療期間の目安は1年半から3年で、通院頻度は1~2ヵ月に1回程度のペースが標準的ですが、治療の初期段階や、経過観察が重要な症状がある場合、月に2回程度通院するケースもあります。

まとめ

裏側矯正の治療費の目安は、100~180万円程度とされています。裏側矯正は矯正装置をオーダーメイドで作り、治療は高い技術が必要なため、治療費も高額になりやすいです。

治療費を安くするには、治療前に料金を固定するトータルフィーシステムを導入している歯科医院を選んだり、確定申告での医療費控除を利用したり、モニター治療に応募する方法などがあります。

歯科医院のカウンセリングは無料で受けられるケースが多く、治療前にあらかじめ見積もりを取って、料金の目安をつけておくこともおすすめです。

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