歯科のMFT(口腔筋機能療法)とは?トレーニングのやり方や料金は?
矯正相談の際に、「MFTも一緒に行いましょう」と説明を受け、「そもそもMFTって何?」「本当に必要なの?」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。
MFT(口腔筋機能療法)は、舌や唇、頬などお口周りの筋肉のバランスを整えるトレーニングです。矯正治療と併用されることも多く、矯正では歯並びや噛み合わせを安定させる目的で行われます。
この記事では、歯科のMFT(口腔筋機能療法)はどのようなものか、メリット・デメリット、代表的なトレーニング方法、料金相場までわかりやすく解説します。
公開日:2026/06/30
監修医師
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
- 記事のポイント
- 歯科のMFT(口腔筋機能療法)とは
- 歯科のMFTが必要な3つのケース
- 指しゃぶりをしている
- 舌を前方に出す癖(舌突出癖)がある
- 舌小帯(ぜつしょうたい)に異常が見られる
- 歯科のMFTを行う4つのメリット
- 矯正治療をスムーズに進められる
- 滑舌が良くなる
- 顔立ちが整いやすくなる
- 顎のたるみが改善される
- 歯科のMFTを行う際のデメリット2つ
- 継続的に行う必要がある
- 矯正治療の代わりにはならない
- 歯科のMFTトレーニングのやり方4選【大人も効果が期待できる】
- ①スポットポジション
- ②ポッピング
- ③オープンアンドクローズ
- ④バイトポップ
- 歯科のMFTトレーニングの料金
- 歯科医師からのワンポイントアドバイス
- まとめ
記事のポイント
・MFT(口腔筋機能療法)は、お口周りの筋肉バランスを整えるトレーニング
・矯正治療に加え、小児の一般歯科治療でもでは行われる
・費用相場は1回3,000~10,000円程度で、自費診療となるケースもある
歯科のMFT(口腔筋機能療法)とは
歯科のMFTとは「Oral Myofunctional Therapy(オーラル・マイオファンクショナル・セラピー)」の略称で、日本語では「口腔筋機能療法」と呼ばれます。
舌や唇、頬などのお口周りの筋肉をトレーニングし、筋肉のバランスや正しい使い方を身につけることが目的です。
歯並びや噛み合わせには、舌の位置や唇の力、飲み込み方などが影響するとされています。そのため、矯正治療の中にMFTが提供されることがあります。
また、MFTは歯並びや噛み合わせだけではなく、以下のようなお口の機能改善を目的に行われる場合もあります。
・低い舌の位置の改善
・正しい飲み込み方(嚥下)の習得
・口呼吸の改善サポート
・発音機能のサポート
・唇を閉じる力のトレーニング
ただし、MFTのみでは歯並びを整えることが必ずできるわけではなく、必要に応じて矯正治療などと組み合わせて行われます。
歯科のMFTが必要な3つのケース
次に挙げるような癖や異常が見られる場合、歯科医院ではMFTによって改善を促すことがあります。
指しゃぶりをしている
指しゃぶりの癖があると、上の前歯を親指で前に押し続けます。そのため、出っ歯になり噛み合わせが悪くなります。
舌を前方に出す癖(舌突出癖)がある
何もしていないときに舌で前歯を押す癖があると、歯並び・噛み合わせを悪化させます。また、飲み込むときに舌を出す癖がある場合も同様です。
舌小帯(ぜつしょうたい)に異常が見られる
舌小帯とは、舌の裏側にあるヒダです。これが生まれつき短いと舌小帯短縮症とよばれ、舌小帯が舌の先まで付着するような場合は付着異常とよばれます。
舌小帯の異常があると舌の動きが制限され、ラ行などの発音・咀嚼(そしゃく)・嚥下に障害をきたし、歯並びに影響することもあります。
歯科のMFTを行う4つのメリット
指しゃぶりなどの癖があるケースでMFTを受けると、健康面・審美面でメリット4つが期待できます。
矯正治療をスムーズに進められる
MFTによって筋力のバランスを良くし、歯並び・噛み合わせを悪化させる癖を改善させ、矯正治療が円滑に進みます。
滑舌が良くなる
お口周りの筋肉を鍛え、舌が正しく動き、発音障害が改善し、滑舌が良くなります。
顔立ちが整いやすくなる
表情の豊かさに影響する表情筋を鍛えると、顔立ちが良くなります。笑顔などの表情が自然になり、相手への印象も良くなるでしょう。
顎のたるみが改善される
口元の筋肉バランスが整うと、ほうれい線や顔のたるみが改善されることもあります。表情に自信が生まれることにつながるでしょう。
歯科のMFTを行う際のデメリット2つ
MFTは歯並び・噛み合わせの改善に効果的な治療ですが、万能ではありません。MFTの考えられるデメリットを紹介します。
継続的に行う必要がある
MFTは筋肉のトレーニングですが、数回実施しただけでは成果を得られません。継続的に行うことが重要です。子どもが受ける場合は保護者の方がしっかりサポートし、モチベーションを維持することが大切です。
矯正治療の代わりにはならない
歯列矯正への導入は有効ですが、矯正治療の代わりになるわけではありません。MFTだけでは歯並びを整えられない可能性があるのを理解しておきましょう。
歯科のMFTトレーニングのやり方4選【大人も効果が期待できる】
MFTは子どもの矯正治療でよく検討されますが、大人でも一定の効果が期待できます。具体的なトレーニングの方法を解説します。
①スポットポジション
上の前歯裏側の歯茎には、スポットとよばれる膨らんだ部分があります。この位置に舌の先端がくるように舌先端をつけ、舌全体を口蓋にくっつけるようにするトレーニングです。
②ポッピング
舌を口蓋に付けて音を鳴らします。まず、舌先端をスポットにつけ、口蓋に舌全体をくっつけるように吸い上げます。そのまま舌小帯を伸ばすように口を開き、舌を勢いよく離して「ポン」と音を鳴らします。舌を持ち上げる力が強くなります。
③オープンアンドクローズ
舌を口蓋に付けて吸い上げたまま、口を大きく開く、咬む、といった動作を繰り返します。咬むときは唇を開けておきます。
④バイトポップ
両手を頬に当てて舌全体を口蓋にくっつけ、奥歯を噛みしめます。そして「ポン」と音を出すイメージで勢いよく口を開けます。舌の先はスポットに当て、舌小帯をできるだけ伸ばすようにします。
歯科のMFTトレーニングの料金
MFTの料金は、3,000~10,000円ほどが一般的です。ただし、特に自費診療の場合は歯科医院によって大きく料金が異なります。矯正治療との併用で、MFTが矯正治療費に含まれていることが多いです。
一方、MFTとは別に検査や診断費用が発生することもあるので、事前に確認しましょう。
MFTが公的医療保険適用となるのは、口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)と診断されたケースに限定されます。この病気は2018年に新病名として保険収載されており、口腔機能の発達に問題がある18歳未満の患者さんに対して算定します。
2026年5月 株式会社メディカルネット調べ
歯科医師からのワンポイントアドバイス
乳歯が生えて永久歯がまだ生える前の6歳未満の矯正治療では、この記事で紹介した、筋肉のバランスを整えて歯並びや噛み合わせを整える治療がメインとなります。プレオルソやマイオブレースなどの取り外しができる装置を入れて、頬や唇、舌の筋肉のバランスを整えて、歯並びや噛み合わせを整える治療がメインになります。
まとめ
歯科のMFT(口腔筋機能療法)は、お口周りの筋肉を動かし、バランスを整え、歯並びや噛み合わせを正しくすることが目的です。
矯正治療と併用することで、歯並びや噛み合わせに加えて、滑舌が改善するなどのメリットもあります。
ただし、即効性に乏しく継続的に行う必要があるので、効果が見られるまで時間がかかります。MFTのトレーニング内容や料金は、歯科医院によって異なる場合があります。さらに詳しいことを知りたい方は、歯科医院に相談してみましょう。
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