子供の矯正(0歳~2歳児) 歯並びや身体への影響

0歳~2歳児を対象に歯科医院で行う「赤ちゃん歯科」について解説しています。0歳から正しい口腔機能の育成を目指し、習癖から生じる成長後の不正咬合を予防することが大切です。

公開日:2019/10/01  更新日:2021/09/09

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■目次

  1. 0歳~2歳児の小児矯正(赤ちゃん歯科)
  2. 【赤ちゃん歯科を受診する対象月齢】
  3. 歯並びや口腔機能を成長させるには
  4. 飲み物を「コップ」で飲みますか? 「ストロー」で飲みますか?
  5. 基礎知識:0~2歳児の歯科の主な内容
  6. 歯科検診
  7. ブラッシング指導
  8. 食事・姿勢指導
  9. 歯科・離乳食相談
  10. フッ素塗布(別途費用)

0歳~2歳児の小児矯正(赤ちゃん歯科)

前歯が生えはじめる頃から、歯科医院で歯科検診、ブラッシング指導、口腔機能の発育に関わる食事、姿勢などの指導を行います。0歳~2歳児の歯科は、0歳からの赤ちゃんを対象にしているため「赤ちゃん歯科」とも呼ばれています。

歯が無い状態から乳歯が下の前歯から生えはじめ、上下の前歯が生えそろい、第1乳臼歯の順で生えていきます。歯の生える時期は、個人差があり、離乳食の進め方が異なります。食べることを通して、咀嚼(噛むこと)、嚥下(飲み込む)を覚え、口腔機能が発達します。口腔機能を良好に営むためには、良い姿勢や十分なハイハイや歩き方など身体の発育も影響します。0歳から正しい口腔機能の育成を目指し、良好な身体の発育を促し、習癖から生じる成長後の不正咬合を予防することが大切です。

【赤ちゃん歯科を受診する対象月齢】

前歯が生えはじめる6ヵ月頃から、歯の生え方が変わる2ヵ月ごとに定期受診することをおすすめします。
※歯の生える時期は個人差があります。前歯が生えはじめる頃から受診が可能です。

歯並びや口腔機能を成長させるには

食べるときに正しく舌を使うことは、歯列の幅や高さ(歯並び)を成長させます。よく噛むことを覚えると、歯の高さの成長につながり、歯並びが広がって凸凹がなくなる場合もあります。また、上下の前歯の噛み合わせが逆になる反対咬合(受け口)になるお子さんもいますが、ちゃんと奥歯を使って食べることで反対咬合が改善できたりします。歯並びは遺伝的な影響があるため、すべてが治るわけではありませんが、少なくとも0~2歳児の癖からくる歯並びの悪さを予防することが可能です。

飲み込むときに舌を使うことで、舌の使い方を覚えることができます。丸飲みをする子は、舌を使わないで飲む癖がついてしまったり、お口の中にどんどん食べ物を入れてほおばりながら食べる子は、ほおばる力で飲み込もうとする癖がつきます。ちゃんと舌を使って、舌で喉の中に送り込むことをしていません。

飲み物を「コップ」で飲みますか? 「ストロー」で飲みますか?

ストロー飲みをすると、唇を閉じようとする機能を学習しなくなります。ストローは吸うだけで喉に入っていくため、唇や舌の役目を使わないで飲み込むことできます。ストロー飲みは、唇が短くなり出っ歯になってしまう傾向があり、口元の形にも影響します。

基礎知識:0~2歳児の歯科の主な内容

歯科検診

最初にお口の中の状態を検査し、歯の生え方や歯並びについて説明します。口腔内を撮影し、歯の型を採り、定期検診ごとにお口の形を診る場合もあります。

ブラッシング指導

お子さんの歯の状態に合ったブラッシング指導を行います。赤ちゃん用の歯ブラシは様々な種類があり、ヘッドの大きさやブラシの毛の固さが異なります。お子さんのお口に合う歯ブラシで正しくブラッシングをすることは、虫歯の予防につながります。実際に使っている歯ブラシを持参して、歯ブラシがお口の状態に合っているのかを見てもらうと良いでしょう。

子どものお口の中に歯ブラシを入れると出してしまうことがあります。これは、お口の中に異物が入る危険を感じるからです。お口から出してしまうのは正常な反応であり反射です。

また、お子さんがブラッシングを嫌がる場合は、お膝の中に顔を入れて寝かせ、手を太ももの下にいれます。そうすることで、歯ブラシの動きと一緒に顔が動くので、行動と一体型になりブラッシングがしやすくなります。

食事・姿勢指導

食事の姿勢に気を付けましょう!
基本的には、食事をする姿勢はきちんと座って足をつき、よく噛んで食べるのが良いでしょう。食事をする姿勢によって、お口の中に食べ物を入れられる回数が変わってきます。足をぶらぶらした状態で食事をするとしっ かり噛んでいられません。また、正座で食事をする場合は、背筋をピンと伸ばして姿勢をよくすると、しっかり噛みやすくなります。咀嚼(そしゃく)する回数が増えると顎が発達し、脳の活性化にもつながります。

歯科・離乳食相談

「食べる」ことは、離乳食を通して学習していくものです。歯の生える時期に合わせて、食べ物の固さや、形、大きさなど、調理方法にも工夫が必要になります。奥歯が生えてきたら、少しずつ形のあるものへ移行していきましょう。

0~2歳児の歯科では、普段食べている食事を持参していただき、実際にお子さんに食べてもらいます。食べ方に癖が出ていないか、食事内容がお口の状態に合っているかを確認します。食べ物によって発症するアレルギーの相談をされる方も多くいらっしゃいます。

月齢
5~6ヵ月頃
口唇食べ期(ごっくん期)
歯の生え方
歯が生えていない状態
食事のかたさ、状態(例)
滑らかにすりつぶした状態

月齢
7~8ヵ月頃
舌食べ期(モグモグ期)
歯の生え方
下の前歯が生えはじめる
食事のかたさ、状態(例)
舌と上顎でつぶせる

月齢
9~11ヵ月頃
歯茎食べ期(カミカミ期)
歯の生え方
上下前歯が生える
奥歯の歯茎が膨らんでくる
食事のかたさ、状態(例)
・歯茎でつぶせる
・かじり取りができる食材、食型

月齢
12~24ヵ月頃
手づかみ食べ期(パクパク期)
歯の生え方
上下前歯が生えそろう
第1乳臼歯が生えはじめる
食事のかたさ、状態(例)
・前歯で噛み切れる大きさ
・歯茎でつぶせる

※月齢ではなく、歯の生え方を指標にしましょう。

歯は食べるための道具です。道具がないと正しい食べ方で食べることができません。大人が食べる物を欲しがって食べさせてしまうと、2通りの結果が生まれます。1つ目は、歯が生えそろっていないため、食べることができないと認識する、2つ目は、噛まないで飲み込んでしまう、いわゆる丸飲みを覚えてしまう恐れがあります。食事は子どもをしつける部分になりますので、大人と同じものを食べさせる場合は、お子さんが食べられる食材にしてあげましょう。

フッ素塗布(別途費用)

希望がある場合は、フッ素塗布を行います。フッ素は歯面を強化し虫歯を予防します。

※お口の状態によって、指導内容や発育は異なります。

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