指しゃぶりの癖による開咬の治療例

指しゃぶりの癖があると不正咬合(歯並びが悪いこと)になってしまう場合があります。ご紹介する写真は、指しゃぶりなどの口腔習癖[こうくうしゅうへき]が起因してできた開(前歯が噛まなく開いている状態)を治療した例です。

公開日:2019/10/01  更新日:2019/11/25

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■目次

  1. 指しゃぶりで起こる不正咬合
  2. 拇指吸引癖 (指しゃぶり) による開咬の症例
  3. 治療の流れ

指しゃぶりで起こる不正咬合

指しゃぶり(拇指吸引壁)や頬づえなど、日常生活の癖が歯並びを悪くする原因となる場合があります。
特に、指しゃぶりは、乳幼児期によくみられる口腔習癖[こうくうしゅうへき]ですが、指しゃぶりをしていた期間や指の位置、頻度によっては、俗に出っ歯といわれる上顎前突[じょうがくぜんとつ]や、奥歯を咬んだときに上の歯と下の歯が開いている開咬などの不正咬合を生じさせます。

拇指吸引癖 (指しゃぶり) による開咬の症例

ご紹介する写真は、指しゃぶりなどの口腔習癖[こうくうしゅうへき]が起因してできた開咬を治療した例です。
このケースでは、 乳歯と永久歯が混じっていた第一治療期に、取り外し可能な装置で上下の顎を正しい位置に合わせながら、部分的な矯正、お口のトレーニングをして指しゃぶりや口元に悪い癖を治します。
その後、 永久歯に入れ替わったら、ワイヤーとブラケットで歯列を矯正するマルチブラケット装置で治療を行いました。 (初診からの治療期間 : 約4年半)

治療の流れ

1. 初診時口腔内所見 ... 初診時のお口の中の様子
このケースは、初診時にお口の中を見た時は、患者様に拇指吸引癖(指しゃぶり)、舌突出癖(舌を前歯や上下前歯の間に突き出す癖)、咬唇癖(舌くちびるを咬む癖)などの習癖が認められました。
奥歯(大臼歯)の咬合関係が、上顎前突をあらわす「Angle Class II」の開咬です。 2-1. 第1期治療 ... 乳歯から永久歯に生え換わる間の治療
お子さんの治療では、まず、取り外しのできる装置(可撤装置)、「ツイン・ブロック・アプライアンス」で下顎を前へ移動させました。
その後、上下の奥歯(大臼歯)2本にバンドと、上下前歯部4本にブラケットを装着するして、臼歯の咬合関係の改善、開咬、改善を行い歯列弓の拡大を行いました。

2-2. 口腔習癖の改善 ... お口のリハビリテーション
第1期治療治療と平行してMFT(機能的筋機能療法)*を行うことで、指しゃぶりなどの習癖を改善しました(14ヶ月間)。
その後、乳歯から永久歯への交換が終わるまで経過観察を行い(26ヶ月間)、第2期治療へ移行しました。

3. 第2期治療 ... 永久歯がすべてはえかわった後の治療
すべての歯が永久歯にはえかわった「第2期治療」では上下顎両側の第一小臼歯(犬歯の一つ後ろの歯)の抜歯を行い、マルチブラケット装置で治療を行いました。
15ヵ月後、良好な咬合関係が得られました。
側貌、口元も良好な状態に改善され、舌位や口唇閉鎖等の機能も良好になりました。


*MFT (機能的筋機能療法)
舌やお口の周りの筋肉を鍛えるお口のリハビリテーション。
指しゃぶりや舌癖などの口腔習癖を改善させて、正しい筋肉の使い方を習慣化させる訓練です。
舌と口唇、口の回りの筋力を強化したり、食べ方や話し方の訓練したり、症状や癖によって様々なプログラムがあります。

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