歯列矯正(ブラケットオフ後・保定中)の仕上がりに不満
2022年06月07日15時09分
歯列矯正をして、リテーナーの保定期間一年が経ちました。非抜歯、上顎拡大装置で一年半行いました。
矯正前に下顎前突で保険適応グレーゾーンかもと言われましたが検査してみたら適応外でした。
矯正前を思うと歯並びは綺麗にはなっていると思いますが、
現在ブラケットをオフしてから気になって仕方ない点が多々あります。
・下顎歯列の傾斜が気になる(左側に下がっている)
・その傾斜の影響のせいか、左側の歯並び(1本だけ反対咬合)が気になる
・矯正前より口元が出ている気がする
・笑顔を作っても上の歯が見えない
・上の歯がやや外を向いているので内向きに倒したい
・全体的な下顎前突は一応治っているが横顔が月のよう(シャクレ気味)
矯正が終わった後にアンカースクリュー矯正というものを知ったりと、色々調べていくうちに矯正をやり直したくなりました。
現在の矯正歯科ではアンカースクリューが無いようです。
矯正歯科を変更して再矯正(セカンドオピニオン)すべきが悩んでいます。
カントだったり、横顔が月のようなのですがやはり外科手術が必要になる可能性はあるのでしょうか。
2022年06月07日19時14分
この医院の回答一覧を見る初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えいたします。
おそらく、矯正治療前の元々の状態は、
上の歯並びがでこぼこしていて、下のでこぼこはそうでもない。
前歯が反対咬合になっていて、顎が右か左に曲がっていた。(おそらく右?)
上唇が引っ込んでいるか、下唇が前に出ているか、口元全体は前に出ていない。
というような状態だったのではないでしょうか。
骨切り術と併用される、外科的矯正治療は保険適応となります。
適応になるか、適応にならないか、というのは明確な診断基準はありません。
ANBがマイナスである、Wits値がー10以下である、などありますが、
保険適応になるかどうか、というのはおよそ担当した矯正歯科医師の裁量によると思います。
では、どんな人も顎変形症と診断してしまっていいということではありません。
保険は国民全員から集めたお金の中から本当に治療が必要な方に再分配すべきものです。
わざわざ外科矯正を行わなくても治るような人を保険適応としてしまった場合に、
後から国から怒られてしまう可能性があるので、歯科医師も診断には慎重になります。
あくまで、「外科矯正を行わないと咬み合わせが治らないレベルに顎がずれている人」が適応です。
なので、少しくらいのずれや、審美的要求だけでは適応にするわけにはいきません。
色々とお調べでしたら、「デンタルコンペンセーション」についてもお調べください。
ざっくり説明すると、骨はずれていても歯をなんとか咬み合わせるように傾斜させる、ことを言います。
下顎前突で前歯が反対咬合になっている人を、骨格はそのままに矯正単独で治療する場合、
上の前歯を唇側傾斜、下の前歯を舌側傾斜させる必要がある、ということです。
もともと骨格性下顎前突の人は、最初から自然にデンタルコンペンセーションが起きていて、
上の前歯が唇側傾斜、下の前歯が舌側傾斜しているので、それをより強調させて治したわけです。
手術すべき人を手術せずに矯正治療をすることをカムフラージュ治療と言います。
最初の治療プランニングの段階で、今のような仕上がりになることは決まっていました。
担当医からの説明が無かったか、説明を受けたものの真に理解していなかったということでしょう。
でこぼこしている歯並びを非抜歯で治療すると、前歯を前に出しながら治します。
上顎を側方拡大し、スペースを獲得したものの、成人の拡大ではさほどスペースは作れませんし、
反対咬合を手術せずに、歯を抜かずに治療するということは、出っ歯にするということです。
アンカースクリューなどで、下の奥歯の後方移動をしていたら、もう少し出っ歯具合は少なかったかもしれません。
前歯が外向きで、矯正前から口元が出たように感じる、とありますが、そうなるような治療プランです。
では、上下の小臼歯を抜歯して矯正をしていたら、前歯は後退するので、
口元も引っ込みますし、前歯の角度も舌側に傾斜し、出っ歯感は減るでしょう。
しかし、下顎前歯がもっと内側に倒れこむことになるので、それも見た目がおかしくなります。
また、口元が引っ込むと相対的に、より下顎が出ているように見えるようになります。
カントとおっしゃっていますが、咬合平面がまっすぐでない、というのは完全に骨格的な原因です。
顔面非対称であり、下顎だけでなく、上顎も右に曲がっているのでしょう。
モデルの滝沢カレンさんも笑った時の歯茎の見え具合が非対称ですよね。
骨が曲がっているのが原因であり、上下顎同時骨切り術以外で改善しません。
咬んでさえいれば咬み合わせとしては問題ないので、見た目の問題でしょう。
人間は最初から左右対称には作られていないので、左右対称であるべき、というのは誤解です。
一本だけ反対咬合になっている、というのは矯正治療がちゃんと治ってないということです。
非手術・非抜歯でも、前歯も奥歯も上の歯が下の歯の外側に来ているべきです。
治療が難しく、担当医が頑張った結果、どうしても一か所咬ませることが出来なかった、
というのであれば仕方なし、と思いますが、一年半というのは矯正治療期間としては短すぎます。
超イージーケースで、何もかもうまくいって、たまたま運よく達成できるのが1年半です。
通常は2〜3年かけてしっかりと咬みあうまで治療をつづけるものです。
叢生・下顎前突・顔面非対称の非抜歯矯正であれば、それなりに時間がかかるはずです。
口の中を見ていないので確実なことは言えませんが、ぱっと見よくなったから終わりにされてしまった、
という可能性が高いです。担当医は、しっかりと正常咬合に持っていく気が無かったと言えるでしょう。
笑った時に上の歯が見えないのは、口唇周囲の顔面筋が衰えている可能性もありますし、
歯を前に出したことで口が閉じにくくなり、口角を上げにくくなった可能性もあります。
そもそも骨格的に上顎骨の上下的な長さが短い(鼻の下が短い)可能性もあります。
手術で上顎骨を下方に移動させれば改善すると思われます。
骨格は治してないので、三日月用顔貌であるのは致し方なしと言えるでしょう。
咬み合わせが逆になっている部位があるのは、
治りきっていないのに短期間で終了とした担当医の責任もあると思われますが、
それ以外のことはすべて、生まれ持った骨格的な問題であると思います。
口元や歯の角度は非抜歯矯正を選択したためで、抜歯矯正であったとしても何か問題はあったはずです。
つまり、仕方がないものとして受け入れるか、手術をするかしか解決法はありません。
ここで、本当に保険適応外だったのかというのがポイントになります。
まず、保険矯正を行える矯正歯科は、数がかなり限られます。
条件を満たし、国に申請を出している矯正歯科のみが保険矯正を行えるのです。
日本矯正歯科学会のホームページから調べることが出来ます。
通院中の矯正歯科が、自費のみの矯正科であった場合、保険を勧めるでしょうか。
非手術であれば、自院の患者とし、利益にすることが出来ますが、
手術で治すとなれば、他院で治療することになり、患者獲得の機会を失います。
初診時に外科矯正も検討されている患者さんがいらっしゃったなら、
自院では保険矯正が出来ないことを伝えたうえで、外科矯正ができる矯正歯科を紹介すべきです。
当院は自費のみの矯正歯科ですが、外科希望の人は大学病院に紹介しています。
大学病院で話を聞き、そのまま外科矯正を選択された人もいらっしゃいますし、
話を聞いたうえで、当院に戻ってきて自費矯正をやっている方もいらっしゃいます。
質問者様のように、矯正治療後に後悔される方が出ないように努めるべきで、
複数の選択肢の中から患者さんが正確に判断を下せるように情報を提供すべきです。
初診時に質問者様がどれくらい骨格的な要素を担当医に訴えていたのか次第ですが、
質問者様の選択肢を狭めるような診断を下していたかもしれません。
では、再矯正を考えた時に、アンカースクリューでは非対称もカントもちゃんと治りません。
ほんの少し今よりも良くなるかもしれませんが、変化量は微々たるものです。
うまく咬んでいない部分だけ治すのであれば、普通の矯正歯科で治せると思いますが、
気にされている大半の審美的要素の改善は、外科手術なしでは達成できません。
ゆえに、初めから保険矯正を行っている矯正歯科を調べてから行きましょう。
よくわからなければ、大学病院の矯正歯科に行きましょう。適切な助言をしてくれると思います。
保険矯正をするとした場合、一から費用が掛かります。
矯正費用、手術費用、入院費用を合計して、3割負担で70〜80万円ほどかかります。
手術は、非対称とカントの改善のため、上下のオペになるでしょう。
場合によっては上顎両側第一小臼歯を抜歯して、術前矯正でまた反対咬合にするかもしれません。
術前矯正は1〜2年かかり、術後矯正も1年はかかり、3年ほどの治療期間を見た方が良いです。
全身麻酔の手術は2回あり、もちろんリスクもあり、術後はかなり大変です。
今、気にされていることを治すためには、これらをすべて受け入れる必要があります。
多少顔が歪んでいる程度とするか、人生を暗くするコンプレックスとするか。
本当に顔を治したいのかを今一度考え治し、改善を望めば外科手術に望みましょう。
とりあえず、一回外科矯正の話を聞きに行くだけでもいいかもしれません。
話を聞いて外科矯正をやらない人も多いです。人生を変えたい人がやるものです。
また、保険矯正を行っている矯正歯科に、適応外と言われたら、これは無理だと思ってください。
大学病院の方が、保険申請に関して自浄的で、ちゃんとした診断をするでしょう。
保険適応にならないなら、自費で手術をすればよいのです。つまり整形です。
気にされていることのほとんどは見た目に関してのもので、形成外科領域ともいえます。
保険適応外とされたけど、手術をしたいのであれば整形で顔を変えることを検討しましょう。
自費なので、金額も数百万単位となります。オプションによっても変わるでしょう。
手術単独では咬み合わせがめちゃくちゃになるので、必ず矯正治療か補綴治療と併用して手術をしましょう。
長くなりましたが、現状を改善するなら手術しかないでしょう。
最初から外科矯正をやっておけば今のお気持ちになっていなかったかもしれません。
時間もお金もかけ、入院もして、大変な思いをしながら顔を変えるのか。
本当に顔を変えたいのか、再考し、保険矯正の矯正歯科に相談に行ってみましょう。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
にゃにゃさん [35歳 女性] からの返信
2022年06月08日10時38分
詳しくご回答ありがとうございました。
大変納得する内容でした。
歯科は保険矯正を行っている矯正歯科でした。
やはり現状ですと外科手術(整形)をしないと難しそうなのですね。
顎の骨自体の傾きについては、肉眼ですと右側の下顎が大きく見え左右差があります。
再矯正での変化量は微々たるものという事であれば、
やはり再矯正はやる意味が無いなと感じました。
ただ左側の歯並び(1本だけ反対咬合)だけは、
やはり気になるのでこれだけは今の矯正歯科に相談してみます。
ありがとうございました。
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