不思議ちゃんさん(宮城県)の相談

カテゴリ:治療の開始時期

初めまして、5歳の娘の相談です。
娘は下の前歯6本が上の前歯より出ている反対咬合です。
「掛かり付けの歯科の先生は永久歯になってから治療すれば良い。」と言いますが、娘の上の前歯はこの数年で擦り減ってしまい、綺麗な四角い歯が短く斜めになってしまいました。最近、下の前歯が抜けて永久歯が生え、下の奥歯も新しい歯が生えてきました。

永久歯になってからの治療では、また歯が擦り減ってしまうのではないか心配しています。また、掛かり付けの歯科には月に2回ほど大学病院から矯正の先生が来ていますが、短期間で先生が代わったりしているようで、まだ、矯正についての診察はしてもらっていません。

やはり、矯正の医院で診てもらった方良いでしょうか?
また、セカンドオピニオンを受けた場合、それぞれ診断料がかかるのでしょうか?

ちなみに私も反対咬合で9歳から14歳まで矯正治療を受けた経験があります。
遺伝の場合保険適用にはならないのでしょうか?
長文ですみません。よろしくお願い致します。

  • 不思議ちゃんさん[宮城県 5才 女性]
  • ご丁寧なご説明ありがとうございました。
    とても参考になりましたし、安心しました。
    いずれにしても、一度矯正歯科で診察していただこうと思います。
    不思議ちゃん様

    こんにちは。はじめまして。
    大切なお子さまの歯ならびのことで、さぞかしご心配されていることと思います。

    まずはじめに、子供の歯(乳歯)というものはもともとすり減りやすくできています。小さい子供の場合、顎の関節がまだまだ完成しておりません。そのため、子供の下顎というのは大変広範囲かつフレキシブルに動くことができます。その下顎の動きにうまく適応できるように乳歯はわざと柔らかくすり減りやすいようになっているのです。
    一方、大人の歯(永久歯)はもっと硬くできていますので、咬む力や期間にもよりますが、乳歯ほどすり減るのを心配しなくても大丈夫です。

    次に、歯ならび(咬み合わせ)の問題ですが、基本的に上下とも乳歯列のうちは、それほど心配する必要はありません。掛かり付けの先生がおっしゃるように、こどもの矯正治療のタイミングとしては、6歳臼歯(今生えてきている奥歯)4本と、上下の前歯(永久歯)4本ずつが生えそろってから始めるのが一般的です。

    ただし、反対咬合の状態が中学生や高校生になるまでずっと続くようですと、場合によっては顎の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。また、他にも機能的な問題(食べる・話す・呼吸する)や軟組織の問題(舌など)や、悪習癖(指しゃぶり・舌を咬むなど)がありますと、歯ならびに大きく影響することがありますので、気になるようでしたら一度、矯正専門の歯科医院で診てもらうことをお勧めいたします。

    セカンドオピニオンといっても通常は一番最初の新患相談料(無料〜数千円)がかかるくらいで、精密検査でもしない限りはいきなり検査料や診断料がかかることはないと思います。

    また、基本的に通常の矯正治療には遺伝などにかかわらず健康保険が適用されませんので、自費診療になります。保険が適用されるのは、矯正治療に伴って顎の骨を手術する外科矯正の場合と、口唇口蓋裂やその他の症候群などの特別な場合のみになります。

    お子さまの反対咬合の程度がどのくらいなのか分からないのですが、おそらく乳歯の前歯がすり減っているということは、それほど反対咬合の程度はひどくないと思われます。ですので永久歯が生えてきたら自然に反対咬合が治ってしまう可能性も十分にあります。 どうしても今のうちから治したいという場合は、「ムーシールド」という夜寝るときだけお口につける簡単なマウスピースのような装置もあります。こどもの顎の骨は比較的柔軟性があるので、この装置により効果的に治ることもありますが、あくまでも現時点での咬み合わせを治すものであり、将来永久歯が生えてきたときにまた反対咬合になってしまう可能性もあります。無理に早期から治療を開始すると、お子さまの負担や経済的負担が増えてしまう場合もあります。

    補足ですが、反対咬合の程度がかなり大きい場合は、逆にこどもの矯正治療をパスして、最低でも高校生になって体の成長が終了したことを確認してから矯正治療を開始することがよくあります。これはこどもの矯正治療をやってもまた元に戻る可能性か高いからです。このとき、先ほどもいいました顎の骨を手術する外科矯正の適応になることもあります。

    以上、お子さまのお口を実際に診させていただいたわけではありませんので、あくまでも参考意見として読んで頂けると幸いです。
    長文、失礼致しました。

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