初めての歯列矯正 | 治療の流れと手順を紹介

一般的な矯正治療の手順と流れをご説明します。矯正治療の主な流れは、「相談(カウンセリング)」→「検査」→「矯正治療」→「保定・治療後の経過観察」です。事前に矯正治療の流れが分かっていると 、安心して治療をスタートできるでしょう。初診のカウンセリングやリテーナーについても詳しく解説しています。歯列矯正をご検討中の方は、治療の選び方の参考に是非こちらをご覧ください。

公開日:2019/10/01  更新日:2021/09/07

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

初めての歯列矯正 | 治療の流れと手順を紹介

■目次

  1. 初めての歯列矯正に関する基礎知識
  2. 治療はどうやって進むの? 矯正治療の手順を紹介します
  3. STEP1 初診相談 (30分~60分)
  4. カウンセリングのヒント
  5. STEP2 精密調査(約60分)
  6. STEP3 診断と治療計画の説明 (30分~60分)
  7. STEP4 歯磨き指導とクリーニング
  8. STEP5 矯正治療の開始と治療期間(1.5年~2年程度)
  9. STEP6 保定 (1~3年程度)
  10. リテーナーのヒント

初めての歯列矯正に関する基礎知識

一般的な矯正治療の流れを説明します。矯正治療の主な流れは、「相談(カウンセリング)」→「検査」→「矯正治療」→「保定・治療後の経過観察」です。歯列矯正をご検討中の方は、是非こちらをご覧ください。

治療はどうやって進むの? 矯正治療の手順を紹介します

STEP1 初診相談 (30分~60分)

初診相談

初診時のカウンセリングでは、歯並びに関する相談や心配事、疑問を担当医に聞くことから始まります。気になることは何でも聞いて矯正治療への不安をスッキリさせましょう。

患者さんの相談内容やお口の状態から、治療期間や来院回数、治療へのメリットやデメリット、治療費について説明します。

カウンセリング後、患者さんご本人の希望があればSTEP2の精密検査に進みます。

カウンセリングのヒント

カウンセリングのヒント

カウンセリングはできるだけ数件の歯科医院で相談を受けると良いでしょう。なぜなら、担当する歯科医師によって治療方針が異なるからです。初回無料の矯正相談を行っている医院も多いため、気兼ねなく無料相談を活用してみてはいかがでしょうか。

また、初回のカウンセリングは、言わば歯科医院と患者さんの顔合わせの場です。医院の雰囲気が自分に合っているか、通院が負担ではないか、治療費は御自身の経済状況の範囲内かも含めて、自分に合った医院か検討してみましょう。

STEP2 精密調査(約60分)

精密調査

精密検査では、患者さんの現状を詳しく知るため、様々な検査を行います。具体的には以下が精密検査の内容です。

・歯型の採取
・顔貌や口腔内の写真
・パノラマレントゲン写真
・頭部X線規格写真(セファログラム)
・虫歯や歯周病の検査

これらの検査内容をもとに診断し治療計画を立てます(使用する機械や検査内容は医院によって異なります。顎関節の検査のため、CTやMRIを追加で撮影することがあります)。

STEP3 診断と治療計画の説明 (30分~60分)

診断と治療計画の説明

精密検査の内容をもとに、現在の歯がどのような状態であるのか説明します。そのうえで、患者さんにとって効果的な治療法を提案し、治療の計画や治療費などについても詳しく説明をします。

初診時の相談では大まかな予測であった期間や治療費もこのタイミングで決定します。選択する装置の種類や治療法の違いで、治療期間や費用に違いが生まれる場合があるので確認が必要です。納得して治療が受けられるよう、不明点は遠慮なく質問しましょう。

STEP4 歯磨き指導とクリーニング

歯磨き指導とクリーニング

矯正装置を装着する前には、虫歯や歯周病を予防するために歯磨きの練習とお口のクリーニングを行います。歯の表面に付着した汚れや歯石を徹底的に取り除き、虫歯歯周病のリスクを減らします。もし虫歯や歯周病があれば、装置を装着する前に治療を行います。歯の移動のため、横向きに生えた親知らず(水平埋伏歯)があれば、事前に抜くこともあります。

なお、歯みがきの練習やクリーニングは装置を装着した後も定期的に続けます。矯正治療中は複雑な装置がお口の中に入るため、歯磨きが難しく汚れが残りがちに。歯間ブラシやワンタフトブラシにより装置と歯の隙間もきれいに磨く必要があります。正しい歯みがきの方法を身につけ、虫歯や歯周病のリスクをコントロールましょう。

STEP5 矯正治療の開始と治療期間(1.5年~2年程度)

矯正治療の開始と治療期間

いよいよ矯正治療のスタートです。1本1本の歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな装置を付け、歯の動きに合わせてワイヤーを調整しながら治療を進めます。

矯正期間中は、歯が順調に動いているか、歯みがきは上手に出来ているのか、装置が外れていないかなども含めてお口の中全体を確認し、装置を調整します。

歯並びや治療の段階によって通院スケジュールは異なりますが、一般的には3~6週間に1度のペースで来院が必要です。歯並びにより個人差はありますが、一般的な成人矯正に対しての治療期間は1年半~2年程度です。

STEP6 保定 (1~3年程度)

保定

歯並びが改善したら、ついに矯正装置を外します。その後は動かした歯や周囲の組織が安定するように、リテーナー(保定装置)を装着します。

リテーナーの種類は医院によって異なります。取り外しができるタイプや、歯の裏側にボンドで固定するワイヤータイプ、マウスピースタイプなどがあります。

リテーナーを付ける期間は平均して1~3年間程度です。最初の半年間は、基本的には食事の時と歯みがきの時間以外の時間は着用するようにしましょう。徐々に着用時間を短くしていき、最終的には数日に1度のペースまで減らすこともあります。また、ワイヤーを歯の裏側に接着して歯が動かないようにする保定装置は取り外さない場合が多いです。

リテーナーのヒント

リテーナーのヒント

矯正治療が終了しても、リテーナーの装着を忘れないで下さい。なぜなら、装置を外した直後の歯は非常に不安定。リテーナーを装着せずに放っておけば、歯は元の位置に戻ります(後戻りといいます)。矯正治療で最も大切なのが、保定です。

歯は少しずつですが加齢とともにすり減ります。また、歯を支える骨や歯茎が弱くなると、歯が動くこともあるのです。そのような場合にもリテーナーを大切に保管しておくと安心です。保定期間が終了しても、時々使用することでキレイな状態を保っていけるでしょう。

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