矯正したのに出っ歯が直らない!その理由とは

「出っ歯を改善するために矯正治療を受けたけれど、まだ歯が前に出ている気がする」 「矯正治療を続けているけれど出っ歯が良くならない」など、治療効果を実感できないという話があります。希望の歯並びと歯科医師の治療方針がズレているため、患者さんは治療の効果が得られていないと感じるのかもしれません。出っ歯が治らない原因を知るために、出っ歯の矯正治療の基本を確認してみましょう。どのように歯科医師へ相談したらよいかもご説明します。

更新日:2020/12/07

矯正したのに出っ歯が直らない!その理由とは

■目次

  1. さまざまな症例がある出っ歯の種類
  2. 出っ歯の改善にはスペースが必要
  3. 抜歯したくない場合の代替案は?
  4. 矯正治療では十分に改善できないケースも
  5. 再治療する場合、どう相談したらよいか
  6. 記事監修

さまざまな症例がある出っ歯の種類

上顎の前歯が前方に突出する、いわゆる出っ歯といわれる歯列不正には、いくつかの種類があります。大きく2つに分けると、上の前歯そのものが前方に出ている「上顎前歯部唇側傾斜」、そして上顎全体が前方に出ている「上顎前突」があります。
このほか、下顎の歯列不正や顎の位置異常によって、出っ歯に見えるケースもあります。下の歯が後ろ側に傾いている「下顎前歯部舌側傾斜」や、下顎が小さかったり後ろに下がってしまっている「下顎後退」などです。
また、歯の位置や歯の長さなどが影響し、笑うと歯肉が見えてしまう「ガミースマイル」も出っ歯のように見えることがあります。
このように出っ歯の原因はさまざまなものが挙げられ、治療方法もそれぞれで異なります。矯正治療ができる歯科医師に相談し、どのようなタイプの出っ歯なのか診断してもらいましょう。

出っ歯の改善にはスペースが必要

矯正治療は、歯を正しい位置へ動かしていくことで噛み合わせと歯並びを改善していきます。歯並びを整理することでスペースを作ることができる場合もありますが、十分なスペースができない場合は抜歯を検討する必要があります。


出っ歯の改善は、前に出ている歯を後ろに下げるためのスペースが必要となります。
ひどく前に出ている出っ歯でない場合は、ほかの歯のエナメル質を少し削ってスペースを作る「IPR(ディスキング)」や、上顎大臼歯を後ろに移動してスペースを作る、といった方法もありますが、強い出っ歯の場合は、小臼歯(前から4番目または5番目の歯)の抜歯が出っ歯の改善に効果的です。


抜歯をしない方法として、拡大床を使った治療もありますが、歯列を外側に広げることによりスペースを作る方法のため、より出っ歯になる可能性もあります。
歯科医院での治療方針の説明の際に「なぜ抜歯が必要なのか」「抜歯しない治療方針だが、それで希望の口元になるのか」といった疑問が出たら、そのときに質問をして解消しておくとよいでしょう。これから長い時間をかけていく治療ですから、明確な回答を得たうえで契約するようにしましょう。

抜歯したくない場合の代替案は?

患者さんとしては「なるべく健康な歯を抜きたくない」という気持ちが強いと思いますが、抜歯せず狭いスペースに歯を並べようとすると、矯正治療後に後戻りしやすくなるため、出っ歯の治療では抜歯するケースが多く見られます。
スペースを作るために抜く歯は、基本的には前から4番目のものとなりますが、親知らずを抜くこともあります。特に、真っすぐではなく斜めに生えているような親知らずであれば抜く確率が高くなります。
また、IPR(ディスキング)でスペースを作るという方法は、歯にダメージがない範囲でしか削ることができません。歯の表面を覆うエナメル質は1.5mmほどの厚みがありますが、そのうち0.25~0.5mmほど削るだけなので、十分なスペースを確保するのは難しいといえるでしょう。
抜歯する歯の選択としては、治療済みの歯を優先して対応できることもあります。「この歯を優先的に抜歯したい」と考えているものがありましたら、歯科医師に相談しましょう。

矯正治療では十分に改善できないケースも

出っ歯の状態によっては、矯正治療では十分に改善できないケースも存在します。
特に、下顎後退や上顎前突など顎の骨が原因の出っ歯の場合、矯正治療だけでは歯列を整えることはできても、出っ歯を改善できないこともあります。また、歯槽骨(歯を支える骨)の位置による出っ歯も、著しいズレがあると治療できない場合があります。
顎の骨が原因の出っ歯の場合、外科矯正によって顎の骨を短くする、または長くするというような処置を行い、上下の顎のバランスを調整します。
歯槽骨の問題で著しく歯が出ている場合は、出ている歯を抜歯した後に歯槽骨を削って整形する「歯槽骨整形術」を必要とすることもあります。
矯正歯科治療はあくまでも歯の位置を調整するもので、骨の位置や形そのものは動かせません。症例によっては限界があるため、事前に歯科医師とよく相談し、矯正治療で改善が可能な症例かどうか、どこまで改善が見込めるかを確認してみましょう。

再治療する場合、どう相談したらよいか

矯正歯科治療を行う歯科医院はたくさんありますが、まずは治療を受けたいと希望する歯科医院を探さなくてはなりません。
矯正治療を行う歯科医師によっては「歯並びをきれいにする」「噛み合わせを改善する」「顔のEラインを美しく見せる」など治療の理想像や治療の方針が少しずつ異なります。

まずは自分が理想とする口元や歯並び、噛み合わせを明確にし、カウンセリングの際にはっきり伝えられるようにしましょう。歯科医院の治療方針と希望する治療を合致させることで、信頼して治療を任せられるようになります。
言葉で伝えることが難しい場合は先に紙に書き出してみたり、理想に近い写真などを用意してみると伝えやすくなります。

また、再矯正治療を希望する場合は、歯科医師にその旨を伝えましょう。可能であれば1度目の矯正に関する資料を、前回治療した歯科医院よりもらっておきます。再治療する際に大切なデータとなるだけでなく、不測の事態や再び矯正するときのデメリットを事前に知ることができるかもしれません。


前回の矯正治療では改善できていないという実感がある、またはほかの歯科医師には治療が難しいと言われたという場合も、まずは自分の希望する治療を歯科医師に伝えましょう。

「はっきりとした回答をもらえなかった」と感じたら、セカンドオピニオンを検討しましょう。複数の歯科医師の見解を聞いてみることもとても大切です。
希望する治療についてしっかり時間をとって話したい場合は、カウンセリングの予約の際に「歯科医師に質問したい点がある」と伝えれば、長めに時間をとってもらえるかもしれません。
理想の口元になるために、疑問に思うことは歯科医師に質問し、不明な点や気になることがない状態で治療を開始、継続できるようにしましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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