矯正器具は着色すると目立つ! 矯正器具の着色を防ぐ方法とは

矯正器具にはさまざまな形や色があり、着色しやすい器具が必要な場合も多くあります。
矯正器具に着色してしまうと目立つ原因となる可能性も。

費用や症例によって表側矯正を選んだ方に、着色を少なくするためのコツをご紹介します。

公開日:2021/06/08

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

矯正器具は着色すると目立つ! 矯正器具の着色を防ぐ方法とは

■目次

  1. 矯正器具の着色を防ぐためにはどうしたらいいの?
  2. 矯正器具が着色してしまったら?
  3. 矯正用マウスピースが着色してしまったら?
  4. どうしても矯正器具の着色が気になる時は

矯正器具の着色を防ぐためにはどうしたらいいの?

矯正器具による着色はカレーやコーヒーなどが主な原因になるイメージがありますよね。
着色してしまった矯正器具は歯の色と異なるため、色が着くと目立ちやすくなってしまうことも。

では、矯正器具の着色を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?

食べる物を選ぶ

矯正器具が着色する多くの原因は食事にあります。

例えば、カレーやケチャップ、ミートソースなどの色が濃い食べ物は矯正器具に着色しやすい食事と言えるでしょう。
色の濃い食べ物にはステインが含まれており、歯や矯正器具に着色しやすいのです。

同じように、コーヒーや紅茶、ワインなどの飲み物にも注意が必要ですね。
飲み物はお水にしておくか、ストローを使って歯に飲み物が当たらないようにして飲むと着色の予防ができますよ。

歯のホワイトニングをした後は、歯への着色を予防するために濃い色の食べ物を避けるように指示されることがあります。矯正中も同じように、矯正器具の着色を避けるために濃い色の食べ物避けておくとよいでしょう。

食べるタイミングを選ぶ

どうしても色の濃い食べ物を食べたい時は通院の1~2日前に食べるようにすれば、着色した矯正器具で過ごす期間が短くすむでしょう。

ただし、ブラケットは基本的に矯正終了時まで外すことがないため、プラスチックブラケットを使用している方は通院直前でも避けてくださいね。

矯正器具を選ぶ

矯正器具にも着色しやすい矯正器具と、着色しづらい矯正器具があります。
これから矯正器具を選ぶ方は、着色しづらい矯正器具を選んでみてはいかがでしょうか。

矯正器具は着色しやすい器具が多いですが、中でもワイヤーをブラケットに固定するためのゴム製の「モジュール」や、プラスチック製のブラケットは着色しやすい矯正器具といえます。

モジュールは、矯正中のおしゃれや着色が気にならない方法としてカラフルな「カラーモジュール」を使用する方も増えていますが、カラーモジュールのほかに「結紮線」と呼ばれる細いワイヤーを使用する方法があります。

結紮線とは、ワイヤーとブラケットを固定するための金属製の細いワイヤーのことです。 白くコーティングされた結紮線もあり、審美性も解決できます。

また、白いブラケットを選択する方は、プラスチックブラケットではなく、セラミックブラケットを選択してみてはいかがでしょうか。
セラミックブラケットはプラスチックブラケットに比べて着色がしづらく、変色する心配もないため、目立ちにくいブラケットといえるでしょう。

歯磨きやうがいを徹底する

飲食の直後に歯磨きやうがいをしっかりすることで、お口の中に残っているステインを取り除くことができます。

濃い色の食事をとった時点で完璧に着色を予防することはできませんが、少しでも着色を軽減したい方にはおすすめです。

着色を取り除くために研磨剤が含まれた歯磨き粉を使用したくなりますが、研磨剤で器具に細かい傷が付くと、より着色しやすくなることがあります。
使用する歯磨き粉には注意してくださいね。

禁煙する

タバコのヤニが部屋の壁について黄色くなった、などと聞いたことはありませんか?

タバコのヤニは粘着性が高く、ステイン以上に強力にこびりつくことができます。当然、歯や矯正器具にも強力にくっついて黄ばませてしまいます。

強力にくっついたヤニは簡単に落とすことはできません。
そのため、矯正器具への着色を避けたい場合は禁煙することが1番と言えるでしょう。

しかし、そんなにすぐに禁煙できない!という方は、タバコを吸ったあとはすぐに歯磨きをするようにしてみてください。
ヤニは時間が経つにつれてより強固にくっつきますが、吸ったすぐあとならば比較的落としやすいといわれているのです。完全には防げないかもしれませんが、着色を軽減することはできるでしょう。

矯正器具が着色してしまったら?

予防をしていても、毎日飲食をしていたら完全に着色を防ぐことは難しいでしょう。
もしも矯正器具の着色が目立ってしまった場合はどうしたらいいのかをご紹介します。

矯正器具の着色が気になる場合、自分自身で無理に落とそうとすることはNGです。
歯ブラシで強くこすったり、矯正器具を必要以上に触ってしまうと、器具が外れたり傷付けてしまう可能性があります。

着色が気になる場合は、まずは歯科医院で歯のクリーニングを受けてみてはいかがでしょうか。
歯の表面や器具の隙間を磨くことで、着色を軽減することができるかもしれません。

また「エアフロー」と呼ばれる、細かな粒子を勢いよく吹き付けて着色を除去する方法もあります。
非常に細かな粒子のため、矯正器具の周りの着色も除去することができますよ。

矯正器具を装着したままのエアフローは、どこの歯科医院でも行っている処置ではありませんので、まずは矯正治療を受けている歯科医院に相談してみてくださいね。

実はワイヤーも目立つ原因

矯正器具が目立つことがイヤな方は、モジュールやブラケット以外にワイヤーにも注意しておきましょう。
ワイヤーは金属製の物が使われることがほとんどなため、着色の心配はありません。

しかし、着色はしないものの、目立ちにくいように白く塗装されているワイヤーは、硬い食べ物を食べると塗装が取れて、金属が見えてしまうことがあります。

着色が気になって強い研磨剤の歯磨き粉を使った時も、このワイヤーの塗装がはがれてしまうことが。
白いワイヤーを使用している場合は色の濃いものだけでなく、硬いものにも注意してみるといいかもしれませんね。

矯正用マウスピースが着色してしまったら?

ここまでワイヤー矯正器具が着色してしまった場合についてご紹介してきましたが、マウスピース矯正も着色してしまうことがあります。

マウスピース矯正はうっかり装置を外すことを忘れてコーヒーやお茶など色の濃い飲み物を飲んでしまうと、着色の原因となります。
飲み物を飲む際も忘れずにマウスピースを外すほか、装着前に歯磨きをしてお口の中に残ったステインを取り除いてからマウスピースを付けるようにしましょう。

また、リップやお化粧品がマウスピースのふちなどに付着していて、着色してしまったケースもあるようです。
色持ちの良いリップは、マウスピースに着色すると取れにくいリップでもありますので注意が必要ですね。

マウスピースに色が付いてしまったら、マウスピース用の洗浄剤を使用してみると良いでしょう。

完全に取り除くことはできませんが、多少軽減することができるかもしれません。
食器用洗剤を使用して優しく洗ってみるのも効果的です(よく水で洗って口の中に入れるようにしてくださいね)。

マウスピースを漂白剤に浸ける、マウスピースの色のついてしまった部分を削るなどは思わぬトラブルにつながるため、歯科医院からの指示がない限りは避けましょう。

どうしても矯正器具の着色が気になる時は

矯正器具は簡単にいつでも交換することができるわけではありません。
治療の計画に沿って、適切なタイミングで器具を調整することが矯正治療には欠かせないでしょう。

それでも結婚式やイベント、そのほかどうしても矯正器具の着色が気になるタイミングはありますよね。

事前に「この日は絶対にきれいな矯正器具でいたい!」という日が決まっているのであれば、治療計画を立てる段階で歯科医師に伝えておいてみてはいかがでしょうか。
追加での費用がかかる可能性が高いですが、結婚式や成人式などの大事なイベントに合わせて矯正器具を一時的に外したりすることをしてもらえるかもしれません。

また「対処法ではなく、とにかく矯正器具に着色したら変えてほしい」とお考えの方は、着色した場合の器具の交換が可能な医院や、器具の交換費用が料金に含まれている医院を選んでみてはいかがでしょうか。

矯正治療は長期間の治療です。着色した器具が気になっていては、長い矯正期間が苦しくなり、治療を続けることが難しくなってしまうかもしれません。

矯正治療を最後まで続けるためにも、今回紹介した着色対策をぜひ試してみてくださいね。

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