口呼吸を矯正して鼻呼吸にすることのメリットとは

口呼吸 矯正

朝起きた時に口の渇きを感じることがあるけれど、その原因がわからない。
鼻が詰まっているのが原因かもしれないが、なんだか睡眠の質も良くない気がする…。

そんなお悩みをお持ちの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

口の渇きや鼻詰まり、眠れていない感じがするなどの症状は、口呼吸などが関係している「睡眠時無呼吸症候群」という病気かもしれません。
今回は、口呼吸の特徴とそのリスク、口呼吸から鼻呼吸へ矯正することのメリットや具体的な改善方法について詳しく解説していきます。

監修医師

記事監修:古川雄亮

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。
歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加。
2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

目次

  1. あなたは口呼吸していませんか?
  2. 口呼吸を矯正するメリット
  3. 風邪をひきにくくなる
  4. 口臭が改善される
  5. 虫歯や歯周病のリスクが軽減する
  6. 口呼吸を鼻呼吸に矯正するために
  7. 鼻が原因の場合は治療を
  8. 歯列矯正
  9. お口周りの筋肉を鍛える
  10. 口呼吸改善グッズも利用して
  11. 子供の口呼吸も要注意
  12. まとめ

あなたは口呼吸していませんか?

花粉症やアレルギー性鼻炎の影響で鼻が詰まっていたり、出っ歯などの歯並びが原因で口を閉じることが難しかったりすると、口で呼吸することが癖になってしまう可能性があります。

口呼吸をすると、口の中や唇、喉が乾燥することで、虫歯、歯周病、風邪などの感染症や鼻炎やアトピーなどのアレルギー疾患に罹患するリスクが高くなります

また、睡眠時無呼吸症候群であると、口呼吸になっている可能性があります。
肥満などにより気道が狭くなり呼吸しにくくなって眠っている間に無呼吸状態(いびき)が繰り返される病気であり、自覚症状に乏しいため、自分で気づくことが難しいです。

朝起きた時に、口の渇きなど口呼吸でみられる症状を感じた場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も疑ったほうがいいかもしれません。

口呼吸を矯正するメリット

風邪をひきにくくなる

口呼吸 風邪

口ではなく鼻で呼吸をすると、鼻の中にある粘膜や鼻毛・線毛の効果により、ウイルス、細菌、ホコリの進入を防止することができます。

しかし、口呼吸の場合はウイルスや病原菌が気管に直接進入してくるため、風邪やインフルエンザに感染しやすくなってしまいます。

口臭が改善される

口呼吸 口臭

口呼吸を行っていると口の中が乾燥し口臭の原因となる細菌が繁殖しやすくなるだけでなく、唾液の分泌量も減ります。

唾液は口の中に残った食べ物やプラーク(歯垢)といった口臭の原因となる物質を取り除く効果も持っています。
鼻呼吸であればその唾液の量を一定以上に保つことができるため、口臭対策としても効果的になります。

虫歯や歯周病のリスクが軽減する

口臭 虫歯 歯周病

唾液は口の中にある細菌を洗い流す自浄作用に加えて、虫歯や歯周病菌の増殖を抑える免疫機能を有しています。

口呼吸によって唾液が減少すると虫歯菌や歯周病菌が口の中で繁殖しやすくなるため、虫歯や歯周病に感染しやすくなってしまいます。

鼻呼吸は口の中の乾燥を防ぎ虫歯や歯周病のリスクを軽減する効果も持っているということです。

口呼吸を鼻呼吸に矯正するために

鼻が原因の場合は治療を

口呼吸 耳鼻科

アレルギー性鼻炎や蓄膿症、あるいは骨格に起因する疾患を持っている人の場合は、鼻の通りが悪くなるため口呼吸になりやすいです。

これらの疾患やアレルギーは自力での解決が難しく、耳鼻科を受診して喉の扁桃腺が肥大しているなどの原因による口呼吸であれば適切な治療を受けてくださいね。

歯列矯正

口呼吸 歯列矯正

鼻に原因があるわけではなく、出っ歯などの歯並びや嚙み合わせで口が閉じられないために口呼吸になってしまうケースもあります。

この場合は原因が歯並びにあるため、耳鼻科ではなく歯科を受診する必要があります。
歯列矯正などによって歯並びを改善し口が閉じやすくなれば、口呼吸から鼻呼吸へと矯正できる可能性もあります。

お口周りの筋肉を鍛える

口呼吸 MFT

口呼吸が習慣になってしまうと、口が開きっぱなしで口の周りの筋肉に力が入らないため、口周りや唇の筋肉が弱くなることがあります。

こうした症状が現れた場合は、歯科医に相談したり口周りの筋肉をトレーニングしていくとよいでしょう。
あいうべ体操などがおすすめです。

口呼吸改善グッズも利用して

口呼吸 グッズ

口呼吸が癖になっている人のために、寝るときに口をふさぐ「鼻呼吸テープ」などの商品を利用する方法もあります。

そのほか、鼻腔を広げて鼻呼吸をしやすくするテープなど口呼吸を改善するグッズを利用することで、鼻呼吸への移行をスムーズに進められるかもしれません。
セロテープで代用しても構いませんが、肌荒れや強い粘着性によるトラブルに注意してくださいね。

子供の口呼吸も要注意

子供 口呼吸

口呼吸が習慣になると、歯並びが悪くなったりぽかん口などの原因となります。
また、口がぽかんと開く状態が長く続くと上下の歯が必要以上に離れてしまうため、顔が面長になりやすいという弊害も生じてしまいます(歯科ではアデノイド顔貌と呼びます)。

口呼吸の状態が長く続くと、口周りの筋肉低下で咀嚼・嚥下機能の低下を招くことにもつながります。
このように、口呼吸は審美面と機能面の双方に悪影響を及ぼしますが、大人になってから矯正することは難しいとされています。

子供のうちに口呼吸になっていることを把握し、早めに矯正してあげることが、お子さんの将来にとっても重要になります。

まとめ

口呼吸の矯正に成功すれば、口の中の衛生状態だけでなく、全身の健康を改善することにもつながります。

特に、子供のうちから鼻呼吸を習慣づけることができれば、その後の日常生活においてもさまざまな好影響がもたらされます。
そのため、幼少期に鼻呼吸を習慣づけることは、健康をはぐくむためにも重要な要素となってきます。

しかし、大人になってから口呼吸を矯正することも決して不可能というわけではありません。
鼻呼吸は虫歯や歯周病の予防だけでなく、感染症や口臭を防ぐことにもつながります。

口呼吸の症状に当てはまる場合、まずは耳鼻科や歯科の受診も視野に入れて、鼻呼吸がうまくできるように行動してみることをおすすめします!

【PR】フィリップス ソニッケアー
歯科専門家使用率NO.1

フィリップス・ジャパン

あわせて読みたい記事

メディア運用会社について

メディカルネット

株式会社メディカルネット(東証グロース上場)は、より良い歯科医療環境の実現を目指し、インターネットを活用したサービスの提供にとどまらず、歯科医療を取り巻く全ての需要に対して課題解決を行っています。

当サイト「矯正歯科ネット」を通して生活者に有益な医療情報を歯科治療の「理解」と「普及」をテーマに、自分に最適な歯科医院についての情報や、歯の基礎知識、矯正歯科などの専門治療の説明など、生活者にとって有益な情報の提供を目指しています。

矯正歯科歯科医院を探すなら「矯正歯科ネット」

矯正歯科治療を行なっている歯科医院を、全国から簡単に検索できます。お近くの矯正歯科歯科医院をお探しの場合にもぜひご活用ください。