
銀座矯正歯科
深沢 真一先生(理事・顧問)
患者様のニーズに応えていきたい…スピード治療発展に尽力
お子様と過ごす時間が何よりも楽しみな深沢先生。1995年の博士号取得以来、コルチコトミー・オステオトミー法などの外科手術をとり入れたスピード治療や裏側矯正の研究・開発を続け、後進の育成にも尽力しています。
深沢先生の尊敬している歯科医師、寿谷一(すや はじめ)先生と、寿谷が提唱する総合歯科医療についてご紹介します。
寿谷一先生
1969年東京歯科大学卒業、米国空軍Grant Heights Dental Office 勤務、米国LOMA LINDA University大学院修了を経て、東京・新宿区目白にて開業。その後も米国LOMA LINDA University(保存修復学科)他国内外の客員教授を歴任。P.G.I.CLUBを設立。
尊敬する人物は、歯科医師の寿谷一(すや はじめ)先生です。今では、海外の大学や大学院に留学したり、海外の学会に積極的に研究成果を発表する歯科医師が増えていますが、寿谷先生はそのいしずえとなった人物の一人です。
1980年代前半から、活動の場を日本からアメリカに移して、海外の臨床現場で、今の歯科治療の発展につながる様々な研究成果を残してきました。
帰国後は、研究・教育機関を設立して日本の歯科医師の指導にあたり、私も直弟子として、直接指導を受けました。現在は、寿谷先生から指名されて、この機関のコルチコースの指導を引き継いでいます。今後も、寿谷先生を目標に、海外の学会で研究成果を発表し、日々の臨床で培った技術をより多くの歯科医師に伝えていきたいと思います。
顎の骨(歯槽骨)に小さなヒビを入れいるコルチコトミーの歴史は古く、100年以上前の1893年にさかのぼります。しかし、当時のそれは、あくまでも部分的な矯正への応用でした。その約80年後の1973年に、当時米国ロマリンダ大学教授だった寿谷先生が、より全体的な矯正ができる応用法を発表しました。現在、世界中で行われているコルチコトミー併用による矯正の基礎となった発表です。私が行っているコルチコトミー併用矯正においても、Dr.寿谷の論文や本がすべての原点となっています。≫ スピード治療についてはこちら
寿谷先生は『矯正治療への生体力学と生物学の基本原理』の掉尾に『己への教育費が高価すぎると考えるならば、学ばない己は無知である試練を受けるしかない』と添え、翻訳を締めくくりました。この言葉を今も私は真摯に受け止めております。
患者様は一度きりの人生の中、歯列の悩みを抱えられ解決されたいと切な願いとともに来院されます。その患者様と向き合うとき、自身の無知のために適切な治療を提供できないでは済まされないと思うのです。矯正治療には様々な治療法があり、時代とともに変化もあります。私はすべての治療法において研鑽を重ね、患者様の症状にあった治療法を提供しております。私の医院ではご来院された患者様の口腔内のチェックは必ず私が行い、診断、計画、治療実施の全行程において私が主体となって医療マネージメントをいたします。
私が実践し、医療として提供している矯正治療において、例えば女性限定だとか、特定の矯正法専門だとかといった分け隔てを設けたいとは思いません。患者様の悩みに大小はないからであり、一人ひとりの患者様により適した治療を提供できない可能性があるからです。また、研究会では後進の育成・指導をしてはおりますが、医院ではご来院された患者様を若いドクターたちの技術向上のための実験台にするようはことはありません。
モニターを見つめた審査・診断であればいくらでも診ることはできますが、患者様を看るには、チェアサイドでなければ成しえないからです。患者様の、その方本来の笑顔を取り戻すために一歯その微かな動き、傾きに心血を注いで治療を行っていくこと。
今、この臨床を生きていたいと思っております。
1973
Dr,寿谷 AAR(Ameican Academy of Restorative Dentistry) にて コルチコトミー併用矯正について講演。
1983
Dr,寿谷 AARにて再び講演。
1991
Dr,寿谷 ドイツで行われた国際矯正歯科学会にて、コルチコトミー併用矯正について講演。
1995
Dr,寿谷の講演会参加。(深沢先生)
1996
コルチコトミー併用矯正を始める。 スピード治療を定義付ける。
1997
Dr,寿谷に師事し、コルチコトミー併用矯正の勉強を始める。
1999
オステオトミー併用矯正を始める。
2000
アメリカ・セントルイス大学に留学。ファーガソン教授のもとで、AOO(コルチコトミー)の勉強をする。
2001
「矯正治療への生体力学と生物学の基本原理(著 寿谷 一、深沢 真一 他)」 コルチコトミー併用矯正について書かれた教科書を、Dr,寿谷の監修で邦訳。
2002
この年から定期的にDr,トリアッカのもとで、オステオトミー併用矯正の勉強を スイスで行っている。
2004
アメリカで開催された学会でDr,ウィルコ兄弟のAOO(コルチコトミー)の講演会に参加。
2005
スピード治療の研究会が発足する。「歯列矯正はドクターで選べ」出版。
アメリカハーバード大学にてDr,ウィルコのAOO(コルチコトミー)のコース参加。
2006
Dr,ケビン・マーフィー来日。PAOO(コルチコトミー)の講演会参加。この年から定期的に韓国キョンヒ大学を訪問し、パーク教授から コルティシジョン・コルチコトミーの勉強を行っている。
2008
アメリカニューヨーク大学Dr,セレンザのインプラント矯正の講義に参加。 Dr,ウィルコのPAOO(コルチコトミー)の講演会参加。 同年、「スピード治療」出版。
2009
アメリカボストン大学歯周病科 久世教授によるPAOO(コルチコトミー)の講演。PAOO(コルチコトミー)の講演に参加し、以後、定期的にスピード治療の研究会で勉強会を主催。
今回は、平日・休日問わず、日頃から診療や学会・研究会で多忙な深沢先生の一日を密着取材させていただきました。
朝の英会話からスタートし、平日にもかかわらず、装置の調整の患者様、手術の患者様をあわせて40人の患者様の治療にあたっていました。
複雑な裏側矯正装置を装着しているとき、コルチコトミー法の外科手術を行っているときの素早い手さばきに、とても驚きました。短時間で美しく処置することが、患者様の時間的・身体的な負担を大きく軽減することにも繋がるのですね。一人ひとりの患者様に真摯に治療に取り組む深沢先生をとても頼もしく思いました。
(矯正歯科ネット運営部)