2歳半 反対咬合
2歳半の子供が、歯科検診で反対咬合と言われました。自身で歯科医院のホームページ等で調べたところ、反対咬合に関しては、早めに(3歳頃)受診してムーシールドを装着することを勧める医院が複数ありました。受診を迷っています。
・2歳半の子供が、仮に3歳になったとしても大人しく装置をつけられるとは思えないのですが、やはり3歳の時点で一度受診し、ムーシールドを装着するのが良いのでしょうか。
・色々と調べる中で、マイオブレース矯正を知り興味を持ったのですが、マイオブレースとムーシールドは何が違うのでしょうか。マイオブレースは適用年齢が5歳頃となっており、ムーシールド治療をしてから行う治療という理解で良いでしょうか。
マイオブレースは反対咬合の子供の治療にも効果がありますか。
2022年07月12日13時03分
この医院の回答一覧を見る初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。
乳歯列期の反対咬合の治療に、小児用マウスピースを検討しているということですね。
反対咬合の治療は、早ければ早い方がいいですが、本人が出来るかどうかも重要になります。
治療をトライしてみたけど無駄になる可能性もあるので、慎重に判断しましょう。
ムーシールドやマイオブレース以外にも、様々な会社が小児用マウスピースを販売しています。
その中で、この2種は一般歯科での取り扱いが多い印象があります。
小児用マウスピースで治るケースと治らないケース、治ってもまた反対咬合になるケースがあります。
ムーシールドは、舌の位置を整えて反対咬合を治すというコンセプトです。
材質は硬いプラスチックでできていて、使用感はあまりよくありません。
装着していると、舌が持ち上がり、上の歯を舌で押し出し、下唇で下の歯を内側に押し、
反対咬合を改善させようとするものです。かなり古くからあり、年配の先生が好みます。
使い心地が後発のマウスピースよりも良くないので、本人が使えないこともあります。
使えないと当然治りませんので、人を選ぶ装置と言えます。
マイオブレースは、基本的なコンセプトはムーシールドと同様に舌位置の調整ですが、
材質がかなり柔らかいので使いやすく、本人が長続きさせやすいのと、
サイズ展開がとても多いので、お子様に合う装置を見つけやすいのが利点です。
さらに、歯を押す効果もあるので、多少歯列が拡がったり、歯並びが整う効果もあります。
ムーシールドは反対咬合だけ舌位置の調整だけで受動的に治すのに対し、
マイオブレースは反対咬合も改善しつつ、歯列も少しだけ改善することが出来ます。
ただ、柔らかすぎて壊れやすいのと、治療の効果も少し弱いです。
使わなければ治りませんが、本人の使いやすさと治療の効果は反比例します。
どちらが良い装置かと言われれば、どちらとも言えません。
なぜならば、取り扱う先生次第だからです。良い装置よりも良い先生を探しましょう。
装置を選ぶのは歯科医師で、先生ごとに好きな装置や得意な装置が違います。
ムーシールドが得意な先生はムーシールドでうまく治すでしょうし、
マイオブレースが得意な先生はマイオブレースで治すでしょう。
装置が治すでのはなく、歯科医師が装置を用いて治します。
どの装置がいいか、ではなくどの先生に治してもらいたいかを重視しましょう。
それはネットを調べてもわからないことなので、実際に歯科医院に赴き、
相談をすることで先生の人となりや考え方、能力を見定めて決断しましょう。
どんなに有能な装置でも、良くない先生に当たるとちゃんと治りません。
矯正治療は難しく、うまくいかないこともあるので、このサイトにもこれほど相談が寄せられています。
時間はたくさんあるので、良い先生探しをしましょう。
そもそも、「今」治すべきなのか、考える必要があります。
前述のように、治らないパターンや再発するパターンがあります。
小児用マウスピースで改善するのは、軽度の反対咬合です。
骨格的要素の強いケースは、小児用マウスピースで治らないか、結局また反対咬合になります。
反対咬合を骨格的に治すのは、「フェイシャルマスク(上顎前方牽引装置)」であり、
上顎前方牽引装置の適齢期は6歳くらいです。6歳から始めて間に合います。
いつか上顎前方牽引装置で治すのであれば、今乳歯の反対咬合を治す必要はないわけです。
歯性の軽度な反対咬合なのか、骨格性の重度な反対咬合なのかを見定める必要があり、
骨格性の患者さんに小児用マウスピースを使用しても、効果は薄いです。
小児用マウスピースは、あくまでちょっとした前歯の角度をいじるだけで、骨は動きません。
小児用マウスピースの適応症かを見抜けない先生は、
無駄に小児用マウスピースを勧めてきますし、やったものの効果が出ないことになります。
やや反対咬合くらいなら、特にもしなくても永久歯に生え変わった時に治ることもあります。
つまり、やらなくても良いケースもあり、小児用マウスピースが無意味になる可能性あります。
3才から小児用マウスピースを推奨している歯科医院は、ほとんどが一般歯科ではないでしょうか?
そして、通常の矯正治療をやっておらず、小児用マウスピースのみ扱っていませんか?
お子様が軽度の反対咬合であるなら、小児用マウスピースのみの一般歯科でも改善するかもしれません。
しかし、重度の反対咬合の場合、小児用マウスピースを使っても治らず、
上顎前方牽引装置なども扱っていない歯科では、「うちじゃ治せないから矯正専門に行け」と言われます。
矯正専門に行けば、その後の治療をやってくれると思いますが、
そうなると小児用マウスピースをやった意味はあるのでしょうか。
矯正専門医院の多くは、反対咬合の治療は6歳くらいからで良いとしているのではないでしょうか。
早期に小児用マウスピースをやらずとも、その段階から治せてしまいますし、
早めに矯正治療を始めてしまうと総治療期間が延びてしまうことになります。
矯正は長く、お子様本人にとっては楽しいことは一つもなく、苦痛でしかないです。
モチベーションを維持するうえで、あまり治療期間が長くなるのは避けた方が良いです。
矯正専門でも小児用マウスピースを扱いますし、3才からの早期開始を勧めるところもあると思いますが、
それは、あくまで6歳以降の治療もやる予定で、その前準備という扱いであるはずです。
なので、矯正専門歯科医院に「今」相談に行っても、もう少しまっってからで良いと言われるのではないでしょうか。
これは、3歳児検診などで反対咬合を指摘してしまうから生じる問題です。
3歳で指摘されても、治療をするのは6歳以降であれば、指摘する必要もありません。
しかし、反対咬合を指摘された親は不安になり、ネットで調べ、小児用マウスピースにたどり着きます。
大事なのは、永久歯になったらどうなるのかであり、正直乳歯の歯並びを治す必要はありません。
もちろん、早期にマウスピースを使用して乳歯の反対咬合は治るかもしれませんが、
永久歯が生えて再発する可能性もありますし、そもそも反対咬合以外の問題もあるわけです。
でこぼこだったり、出っ歯だったりするのは、小児用マウスピースでは完全に治りません。
「今、反対咬合を治す」のではなく、「将来的に良い歯並びにする」ことを目標にするのであれば、
矯正専門歯科医院か、小児矯正だけでなく本格矯正もやっている一般歯科に行きましょう。
一般歯科で軽く矯正したけれど、結局治りきらなかったので矯正歯科に来た、という方はとても多く、
そうなると、一般歯科での治療費や治療期間は本当に必要だったのか、となります。
お子様がマウスピースを使えるか不安、ということならば、やめた方がいいです。
やらなければ治りませんし、やらせるのは親御さんであり、歯科医師ではありません。
お子様と、親御さんの努力が必要であり、覚悟と自信が無ければ結局続かないものです。
今治らなくても、適切なタイミングで矯正治療を行えば治りますので、
焦って、平均的な治療開始時期よりも早く開始する必要はないと思います。
もちろん、いつか矯正をしっかりやるとして、「今」治したいのであれば、トライするのも良いでしょう。
その際は、小児用マウスピースのみ扱っている歯科医院ではなく、矯正治療を行っている歯科医院が安全です。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
ひだちきさん [37歳 ] からの返信
2022年07月13日05時48分
栗田先生、丁寧なご回答をくださりありがとうございます。
我が子は前歯全体が上下逆というよりは、反対咬合になっている歯が複数ある、という感じです。見た目でわかりますし、加えて噛み合わせがずれており、発音も一部が不明瞭な気がします。「乳歯の反対咬合だけは、乳歯の段階(3歳頃)で早めに治療開始すべき」という記述を見てとても不安になり、こちらに投稿した次第です。
装置を付ける以前の問題で、検診だけでも歯医者さんが怖くて泣き叫ぶ、また歯磨きもあまり好きではない現状なので、まずはその部分の改善が必要だと感じました。
マイオブレース矯正については、マイオブレース矯正を主として扱うクリニック(マイオブレースだけで治す、と理解してます)を知って興味を持ち、質問させて頂きました。使いやすさと治療の効果が反比例するというお話、大変わかりやすく参考になりました。
文面からだけでも、とても信頼のおける先生だということが伝わりました。本当にありがとうございました。
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