たんたんさんの相談

カテゴリ:抜歯について

高校1年子どもの矯正について

小学校1年からMRCマウスピース矯正をしていて上下ともキレイに揃っていたのですか、12歳臼歯が半埋没ででてきません。マウスピースの歯科医には出てくると言われ続けていたのですが、高1になってもまだ出てこないので、違う矯正専門医院に行きました。確実に生えてこないので、上下4本4番目を抜歯ブラケットを勧められています。
歯がデコボコしていず、奥歯だけなのですが、4本抜歯しないとだめなものでしょうか?抜歯がいやでマウスピースをしてきただけに抜くのをためらってしまいます。

初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答え致します。

小児マウスピース矯正を行ったものの7番が半分埋まってて気になっているとのことですね。
まず、おそらく下の7番(12才臼歯・第二大臼歯)と思いますが、生えて来ない理由が何かですね。
手前の6番目に引っかかっている、歯肉が厚い、であれば歯を抜かずに治せる可能性があります。
そもそも歯列の奥行きが足りていない(歯槽骨の限界)場合は抜歯が必要になります。
ワイヤー矯正をすべきかどうかと、抜歯矯正をすべきかどうかは別々で考えましょう。

7番が傾斜してしまうことはたまにありますが、自然と治る時と治らない時があります。
レントゲンを見ればそれがわかりますが、高一で出て来なければまず自然と出ることは無いでしょう。
なので、7番を正常に生やしてあげるためにはブラケット矯正が必須になります。
MRCの先生が出てくると言っていたのは、ブラケット矯正をやりたくない(出来ない)からでしょう。
奥行きがある場合、ブラケット矯正で7番を動かしてまっすぐにすることは可能です。
親知らずが邪魔であれば親知らずを抜歯する、歯肉が邪魔であれば歯肉を切除する必要はあるかもしれません。
骨的に奥行きが全くない場合は7番を生やすことが出来ません。
小臼歯を抜歯し、大臼歯を前に動かす(近心移動)必要があります。
7番が傾斜しておらず、歯肉が半分被っている場合は奥行き不足かもしれません。
成人してから親知らずを抜歯すると歯肉が無くなって全部生える可能性もあります。

まず、7番を生やすために4番(場合によっては5番)を抜くのであれば、7番を抜けば矯正をやらずに済むかもしれません。
もちろん、小臼歯よりも大臼歯の方が大きく価値も高いですが、それを救うためだけに抜歯矯正をやるのも大変です。
使える歯が24本というのは変わらないので、7番を抜くか放置しても同じことでしょう。
7番を抜歯し、運が良ければ親知らずがまっすぐ生えてくる可能性はあります。
お子様が、口元が出ている、全体的に均等に咬みあっていない、のであればブラケット矯正をやる意義があります。

小児マウスピース矯正によって多少顎が拡がり、でこぼこも改善したと思われますが、
人間の限界もあり、どこまでも自由に骨格をいじくれるわけではありません。
MRCだろうと従来の小児矯正だろうとそれは同じことです。
歯並びのでこぼこを治すのはとても簡単で、どのお子様でも出来ますが、
口元が出ていないか(口が閉じている・顔立ちが整っている)、咬みあっているかも重要です。
もしかしたら、お子様は歯を抜かずにちゃんと治ったのではなく、ただでこぼこしてないだけかもしれません。
また、奥行きについては生来のものなので、小児矯正で伸ばすことは出来ません。
もし、お子様が奥行き不足が原因なら、7番が生えられないのはこうなる運命だったと言えます。

もし、7番を確実に使えるようにしたければ、ワイヤー矯正をしましょう。
また、現在全体的に上下の歯が咬みあってない(前歯が咬んでいない)のであれば、矯正治療は終わっていません。
あくまでも小児マウスピース矯正は準備段階であり、2期治療としての本格矯正治療を行う必要があります。
ワイヤー矯正をする場合、奥行きが足らない7番を使用したい、口元を引っ込めたいのであれば抜歯矯正を行いましょう。
奥行きが足りている、口元を引っ込めなくて良い場合は非抜歯で治療しても良いと思います。
歯の本数は減ってしまっても健康面では問題が無く、日本人は抜歯矯正をする人の方が多いです。
歯を抜くことへの抵抗感や今まで数年間治療を頑張ってきたので抜歯矯正をしたくないお気持ちもわかります。
ただ、顔立ちや咬み合わせはお子様の一生に関わる問題なのでニュートラルにお考えいただければと思います。

以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
  • たんたん(15歳 女性 )
  • 2025年06月19日14時40分
栗田先生ご丁寧にお答え頂きありがとうございました。先生の奥行きがない場合、運命だったの言葉に救われました。早くから矯正を始めたせいか、もっとちゃんと調べて専門医院に行ってたら、早く気づいてあげられてたら…と毎日後悔ばかりで苦しくなっていました。
なので、次こそは失敗できないとますます不安にもなっています

先生ご指摘の通り、7番は斜めに倒れています。後ろに親知らずの影もあります。そして矯正専門医院の先生のお話では、娘の歯がとても大きいとのことでした。
口元も出ていませんが、先生がおっしゃる通りデコボコがないだけなのかもしれません。噛み合わせについては確認したことはなかったです。
抜歯は不安でしたが、総合的に考えると、やはり抜歯して7番を活かす方向が一番いいのかも知れませんね。きちんと食べられることが大事だと思います。
ただ、口元が出ていないのですが、4本抜いて顔が悪い方に変わってしまうことも、大いにあるのでしょうか?

お答えいたします。

具体的な治療のプランニングについては矯正歯科医師による検査・診断によって導かれるものと思います。
どれだけ前歯が出ていて、抜歯をすると前歯がどれくらい後退し、顔立ちがどのように変化するかです。
現段階で本当に歯も口元も出ていない状態で4番を抜歯すると確実に前歯が後退します。
あまり口元が下がり過ぎると老け顔になってしまいます。
口元を下げないようにする場合は5番を抜歯することもあります。

プランニングの順序としては、どのような顔にするためにどの位置に前歯を設定するかを考え、
その前歯の位置にするためにどの歯を抜くのかを決定します。
でこぼこも無く口元も出ていないのであれば、5番を抜歯して6番が前に移動しやすいようにした方が、
口元も下がり過ぎず、7番も起こしやすくなります。
なので、口元が出ていないというのが質問者様の主観であり、本当はなるべく口元を下げた方が良いケースならば4番抜歯、
口元が本当に出ていないのであれば、5番抜歯をするのが理想的では無いかと思います。
それを決めるための精密検査なので、まずは検査診断を受けてからと思います。
歯科医師の信条によって5番抜きをしない先生もいます。(4番よりも5番の方が価値があると思っている)

また、でこぼこも無く口元も出ていないのであれば、非抜歯による7番アップライトが第一選択です。
本当に奥行きが無いのであれば抜歯矯正ですが、親知らず抜歯でどうにかなるのであれば非抜歯の方が良いです。
それも実際にレントゲンを見ている矯正歯科医師しかわからないので、担当医とよく話し合う必要があります。
口元が出てるかどうか以外にも、上下の奥歯の位置関係や歯の正中などでも歯を抜く本数や位置が変わります。
上下4番4本抜歯はあくまでセオリーなので、お子様の状態がセオリー通りでない可能性もあります。
矯正治療はプランニングが全てなので、納得できないプランであるならばスタートしない方が良いでしょう。
担当する先生としっかり話し合い、それでも納得いかなかれば先生を変えることも大事です。

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