はるぱぱさんの相談

カテゴリ:装置・治療法

上顎を牽引する時の固定源

長文失礼します。
小学生の息子が骨格性の下顎前突で矯正治療中です。
至急フェイシャルマスクで上顎の牽引をしたいのですが、歯の生え変わりで固定源となる歯がありません。
上顎の歯の状態は、
6E×C2112C4E6で、全ての乳歯が動揺しています。

担当医は奥歯と前歯の4ヶ所固定にこだわっていて、息子の場合はリンガルアーチに6番のバンドと、前歯4本の裏にメッシュの金具を接着して6本を固定源にして、リンガルアーチの前歯の裏あたりにつけたフックから引っ張ると言っていますが、リスクが高く踏み切れません。
そのリスクとは、前歯に固定して引っ張るのでどうしても前歯の傾斜(今もかなり傾斜している)が伴うこと、1番の根っこもできてまもないし2番の根っこは未完成なのに骨形成力を加えることで歯根吸収する可能性があるとのことでした。
それが嫌なら犬歯が生えるまで待たなくてはならないので、牽引できるのは恐らく1年ほど先になるそうです。

今の息子の状態で、どこを固定源にすればすぐに上顎の牽引ができますか?
先生方は通常、どの歯を固定源にして、どんな装置から牽引されるのかぜひ教えてください。
上顎の成長時期が終ってしまわないうちに前方牽引したいので非常に悩んでいます。どうぞよろしくお願いします。

はるぱぱさん。
はじめまして、銀座矯正歯科の深沢です。
ご相談内容を拝見致しました。矯正についてたくさんお調べしているのですね、お子様の事で大変ご心配かと思います。
ここ4、5年でフェイシャルマスクの上顎の牽引方法で大変良い結果が出ている治療方法は、上顎骨にアンカーインプラントを打ちそのインプラントを引っ張るという治療方法です。
顎骨に打つことによって、顎骨を引っ張れるので歯の変化は最小になります。
この治療方法は、世界的にエビデンスが高い論文ですので矯正専門医であればご存知のはずです。
担当の先生に尋ねてみて下さい。
いろいろご不安かと思いますが、ご参考なさって下さい。
はるぱぱさん
はじめまして。御子息様が骨格性の反対咬合であるとのことで御心配ですね。
矯正歯科での治療法は多岐にわたり更にはその先生独自の治療哲学によって進んでいきますので、現在の担当医の判断が良いか悪いは他の者にはわかりません。
質問文を拝見する限りでもし当院で治療するとしたら現在の口腔内の残存歯であれば左右の第一大臼歯にバンドをして更には上顎裏側の粘膜に固定源を求めて(ナンスホールディングアーチ)フェイシャルマスクを使うと思います。
ただしこの方法にも利点欠点がありますので、しっかり検査診断してからの判断になる事は言うまでもありません。
まずは担当医の診断をしっかり聞いてみてください。
はるぱぱさんへ

こんにちは
治療に対して焦る気持ちはよくわかります
しかしながら、フェイスマスクを使用しても100%効果的かどうかはわかりません
厳しい御言葉になりますがタイミングが悪いのです

歯を使用した装置には限界がありますから、骨に矯正用のインプラントを使用した装置などが考えられます

ただし、年齢的に骨も柔らかいですから必ず成功するか未知の部分が多く考えられます

結果的に外科矯正治療に以降しても、歯根が短ければ治療したくても十分な治療を受ける事が不可能になります

成長時期の歯列矯正治療に100%成功はないこと、

後で歯列矯正治療が出来なくなるような事にはならないような方法を選択することになると思います


最悪な結果は歯根が短くなり、しかもフェイスマスクの効果がなかったという結果も考えられることになります

はるぱぱ 様

私ならという事を記載させていただきます。

私は通常上顎前方牽引装置これにはフェイシャルマスクタイプとホルンタイプという2つのタイプがあります。しかし、上顎に使用する固定源は同じです。

記載されているリンガルアーチにナンスのホールデイングアーチを併用します。私はいつもこうします。固定源は口蓋の粘膜です。この場合、上顎骨をひとかたまりにして牽引したいわけです。しかも歯ではなく上顎骨です。歯には極力力を加えないために上顎の第一大臼歯の前方の口蓋の粘膜を固定源に加えます。口蓋というのは説明しにくいのですがお口の中で上の天井をなす部分です。これにレジンと言う樹脂でできた大きさは10円玉よりも少し小さくて薄い粘膜ぴったりくるような物を装着します。これで第一大臼歯と口蓋の粘膜が一体となり牽引する事が可能です。少しすると第一小臼歯がはえてきます。そしたら第一小臼歯も固定源に加えます。第一小臼歯、第一大臼歯、口蓋の粘膜を連結して、これで上顎骨をひとかたまりとして牽引します。

はるぱぱ様、わかりにくいかもしれませんが文章で説明するのは難しいです。図で見ると容易に理解できます。はるぱぱ様、10歳という年齢で歯に固定源に求めるのには無理があります。記載されている通り乳歯は動揺していて永久歯は前歯と第一大臼歯しかありません。この状態で固定源を強化するには口蓋の粘膜を使います。

リンガルアーチ+ナンスのホールデイングアーチを固定源にして前方へ牽引します。これで問題ありません。上顎骨の前方成長時期は10歳ぐらいがピークです。この時期の状態を考慮に入れれば充分な固定源を歯に求めるのは不可能です。

担当の矯正歯科医の先生にもお考えがあると思います。私ならこうして解決しているという事を記載させていただきました。よい結果を得られる事を祈っています。

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