もりぞうさんの相談

カテゴリ：装置・治療法

38歳での急速拡大装置について。

投稿者もりぞうさん　［38才女性主婦］ 2020/04/07/ 22:56
カテゴリー成人矯正装置・治療法治療中

約、2週間前から、急速拡大装置を付けました。
アンカースクリューも4本打ってあります。
今のところ、毎日ネジを回しておりますが、変化は有りません。
インターネットで拝見する限り、急速拡大装置は成人前にするのが望ましく、成人した後の装着は意味がない。
上顎骨を拡げるには、外科的処置が必要との事で、不安になっております。
アンカースクリューがある場合は、成人でも急速拡大装置が使える。と言う記事も見ました。
成人の場合、どの程度で前歯に隙間が出来てくるのでしょうか?
成功する事も有りますか?
又、失敗した場合、どの様な治療を進めるのでしょうか?
教えて頂けると嬉しいです。
今後、ガミースマイルも合わせて治療予定です。

医療法人愛美会アイ矯正歯科クリニック
（神奈川県横浜市鶴見区）
2020-04-08 14:28:00

読ませていただきました。

急速拡大装置はどのような装置か？と言いますと正中口蓋縫合を離開させ、上顎骨を側方に拡大する装置です。歯の移動よりも顎の骨の拡大になります。この正中口蓋縫合が閉鎖、骨化していると離開させるのにその部分を外科的に割って行ったというのは見たことがあります。一日に約0.4㎜～は拡大します。毎日ネジを回します。これが急速と名がつく理由です。

しかし、この縫合が離開しているのか？骨化しているのか？の判断は大変難しいです。私の診療所でも20歳を超える患者様に急速拡大装置を適応させる必要がありました。下顎骨に比べて上顎骨の幅が明らかに狭かったです。そこで大学病院の放射線科で詳しいレントゲン写真の撮影を依頼しました。専門家の診断もお聞きしました。結論としては縫合はあるが、拡大装置で離開できるかはわからないというものでした。

急速拡大装置以外には治療法のない患者様でした。急速拡大装置を装着し治療には成功しました。本当に開くか？大変心配しました。

正中口蓋縫合の離開の証拠は上顎中切歯（一番前の前歯）の間に隙間が開いてきます。これが証拠です。骨が離れて来るのでそれに乗っている歯と歯の間に隙間が開いて来ます。これが離開が起きている証拠です。予定したよりも大きめに拡大します。後戻りが起きるからです。

アンカースクリュウはその取ってとして使用しているだけで効果には関係ありません。通常の急速拡大装置は上顎の左右第一小臼歯と第一大臼歯に固定源をもとめます。それがアンカースクリュウにかわっただけです。正中口蓋縫合の離開とは関係ありません。根本的には正中離開縫合の離開なのでご理解頂けると思います。

長くなりました。その担当医がアンカースクリュウを固定源にしているだけです。効果には特別な事はないと思います。

ガミースマイルですが治療は大変難しいです。歯の長さ、口もとの高さや唇の動作などが複雑に関わります。私は矯正治療だけでガミースマイルを治療できるのは稀な事だと考えています。

治療が成功する事を祈っています。