みかさんの相談

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矯正による顎の回転

  • 投稿者 みか さん [35才 ] 2022/11/06/ 16:17
  • カテゴリー 治療済

矯正によって顎が時計回りに回転したら元には戻せないのでしょうか?

初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えいたします。

「時計回りの回転」というのは、右を向いている人の顎関節を中心に、
下顎が後方かつ下方に移動(左下方向)した状態を指します。
時計になぞらえて、4時の位置にあった顎先が、5時の位置に移動しているようなものです。
顔が縦に長くなり、下顎が引っ込んで、咬み合わせが浅くなります。

矯正治療をすることで、この下顎の時計回りの回転が生じることがあります。
遠心移動や過蓋咬合の改善や抜歯矯正などで生じることが多いです。
狙って回転させることもありますし、意図せず結果として回転することもあります。

矯正治療後に、上下の歯が適切に咬みあっているのであれば健康面で問題はありません。
ただ、前述のような顔立ちの変化を望まない場合、改善したいと思うかもしれません。
時計回りに回転してしまったなら、反時計回りに回転させれば元に戻ります。
そのためには臼歯を圧下し、当たらなくする必要があります。
先に臼歯が当たるために、下顎が開大してしまうのであれば、当たらなくすれば良いのです。
臼歯にアンカースクリューを植立し、もしくはマウスピース矯正で臼歯の圧下を行いましょう。
奥歯が当たら無くなれば、反時計回りの回転をします。これをオートローテーションと言います。
顔が短くなり、下顎が前に出て、咬み合わせが深くなるでしょう。

ただ、臼歯圧下の段階で、前歯が開咬(上下で咬みあっていない)になっている必要があります。
奥歯も前歯も当たっている状態で臼歯だけ圧下しても、前歯だけ当たるようになるだけです。
開咬でないなら、前歯も圧下して、完全に開咬になる必要があります。
前歯の圧下方法は、前歯にアンカースクリューを植立する以外にありません。
ちゃんと咬んでいる状態からオートローテーションを生じさせるためには、
奥歯も前歯も圧下させる必要があるということです。
ガミースマイルになっているならば、前歯を圧下しても良いと思いますが、
歯茎の見え具合が正常であるなら、圧下によって歯茎が見えなくなってしまいます。
歯ぐきが見えると若く見え、歯茎が見えないと老けて見えるようになるので注意が必要です。

また、反時計回りに回転させるということは、しゃくれさせることになります。
奥歯の咬み合わせや前歯の重なりが、しゃくれさせてちょうど良くなるならいいですが、
無理に反時計回りの回転をさせたことで、前歯が切端咬合や反対咬合になるかもしれません。
大事なのは、ちゃんと咬みあっていることであり、時計回りの回転を戻せばよいわけではありません。

質問者様がまだ矯正治療前で調べているうちに時計回りの回転について気になっただけなのか、
現在矯正中で時計回りに回転した顔立ちに不満があるのか、
すでに矯正治療を終了して、その仕上がりの顔立ちが納得いっていないのか、
どの状況でご質問されているかわかりません。
矯正前なら、時計回りの回転をさせないように担当医につたえておくべきですし、
矯正中なら、意思を担当医に伝えて、可能なら反時計回りの回転をしてもらうべきですし、
矯正後なら、再度矯正治療を行って改善するか、今の状態で諦めましょう。

あくまで矯正治療は咬み合わせを治す医療行為であり、その副作用で顔立ちに変化が出ます。
治療上、必要が無いのに時計回りの回転や反時計回りの回転をするのはとても困難です。
治療期間は長くなり、難易度は増加し、追加費用などもかかるかもしれません。
時計回りの回転を元に戻すこと自体は「可能」ですが「大変」です。
反時計回りの回転をすることで別の問題が生じて見た目を悪化させる可能性もあります。
もし、反時計回りの回転をさせたいなら、担当の先生とよく相談しましょう。

以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
  • みか(35歳 )
  • 2022年11月07日17時02分
ご回答ありがとうございます。
矯正終了後の面長が気になるので、セカンドオピニオンに相談に行ったところ、ガミースマイルになってるし、回転しちゃってるかも。でも精密検査をしないと面長になった原因が分からないと言われたところです。

色んな方法があるのですね。
再矯正に向けて頑張ります。

  • みか(35歳 )
  • 2022年11月07日17時07分
何度もすみません。
回転によって咬合平面傾斜角が増大してるかもと言われました。
それは先生の仰った前歯と奥歯の圧下で改善されるものなのでしょうか?
おそらく改善されるものと思われますが、単なる数値なのでそこまで気にしなくてもいいです。
咬合平面傾斜角や下顎下縁平面角などが小さくなると思いますが、あくまで結果です。
顔が面長になった(もともと面長である)のを顔を短くする目的で臼歯の圧下(必要なら前歯も)を行うのは
理にかなっていることではありますが、変化量はそこまで大きくはありません。
歯の圧下には限界があり、まともに咬み合わせることを考えると、1〜2mmが限度でしょう。
下顔面高が1〜2mm変わったことで満足できるのか、物足らないと思うのか。
矯正治療により顔立ちへの変化も生じますが、美容整形ほど劇的なものではありません。
すでに矯正済みとなれば、再矯正での歯の移動量はかなり少ないと思われます。
顔立ちが面長なのは、生来の骨格が原因で、面長な人(ハイアングル、ドリコフェイシャル)は
矯正治療によって時計回りの回転を起こしやすく、より面長となりやすいです。
劇的に顔立ちを変えたいのであれば、手術によって顎骨の位置を移動させる外科的矯正治療なども検討ください。
今の咬み合わせを再矯正してどのように咬み合わせが良くなるのか、
臼歯の圧下による治療でどれだけ顔貌が変化するのか、
質問者様の願望を実現するために手術が必要なのかどうか、
すでに矯正歯科医院にかかっていらっしゃるようなので、担当の先生にご相談ください。

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